聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

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指導医日記 ~画像で送る聖マリの研修~

2009-10-24 22:20:23 | 指導医日記
今日は画像特集しま~す

まずはこれ
研修オリエンテーションでの研修スケジュール作成風景


研修到達目標が診療科ごとに達成できる目標を一覧にしています
これを参考に研修スケジュールに合わせて自分で作成

表に横線を入れて
自分の研修診療科では何が修得できるのかも一目瞭然!

そして先輩たちのポートフォリオも参考にします

これで結構気合いが入ったり
逆に不安になったりするようです

とにかくみんな和気藹々と自分の研修スケジュールを作っていきますが
本院・西部・多摩病院と研修先はありますし
何よりもどの診療科からも選択できるメリットがあるので
とにかく悩む事が多い
いつどうしようとかね
でもこの作業が自分の研修であるって意識を持たせる効果を出してます


ほら?どうです?


続いては研修オリエンテーション中に
研修について自分たちの思いをまとめます


できあがったものは発表してもらい
決意表明ですね


もちろん研修オリエンテーション中に医療安全に関わることや
このようなBLSと同等の研修を受けられます


ひとたび研修が始めれば
教授の前でもちゃんとプレゼンテーションをしたり


カンファレンスで突っ込み受けたり


夜間急患センターでは直接指導されたり


病棟でもきちんと厳しく愛をもって指導


もちろん夜な夜な自己学習は欠かせません


互いのポートフォリオを見せ合ったり


そして1年経過すると中間面接
ポートフォリオ片手にフィードバック


僻地での貴重な研修



そしてようやく研修を終えて
ポートフォリオのまとめと読み込み作業



そしてBSLを対象に自分の研修成果を発表して

ベストレジデントを選出

いよいよ研修修了書授与


どうだ~!顔してるでしょ?


これが聖マリの研修です
この研修宿舎から通って
研修してみたくないですか?

忙しい臨床現場で使ってみては?

2009-10-24 22:16:36 | 医学教育
落ち込んでた研修医に理由を聞いたら
「指導医の先生が忙しくて・・・・(聞くタイミングが難しいんです)」
そいつは困りもんです

指導医はというと
「いや~そんなつもりはないんですけど・・・・(ム!何だよ!って顔)」
ま~気持ちはわかりますけどね


もうすぐ指導医養成WSが開催されます
いくつか指導方法もお話しするんですが
授業と一緒でなかなかすぐに修得できるものではありません
面白いですよね
医学生相手に教えただろ~!こんなことも覚えてないのか~!って言う先生方が
自分が学習者だと・・・・・・・へへへ
そういうもんです

だからときどき思い出して頂こうって主旨で
ちょいとお勉強タイム

参考にしているのは
皆さんもアクセスできる臨床指導医ガイドラインです
ぜひぜひご参考にしてください

ポートフォリオ評価は聖マリアンナ医科大学の研修内容を紹介してますから

さて
臨床の忙しい現場でどう教えるか?
教えるっていうより
忙しい現場でいかに臨床能力を高めるように指導していくか?って
発想をまず変えてみる事だと感じます

まず
feedback手法はなんとなくわかるけどって指導医の先生は多い
でも
効果的にってことになると何が効果的なのか?って思うようです
それに本学だとしきりに研修医のレベル(到達度)が取りざたされるけど
いったいその研修医がどのレベルなのかもまずわかんないっていうのが現実問題なんでしょうか


時間のない臨床の現場で効果的なフィードバックを行うときのひとつの方法がありますよって
指導医WSで話したのを覚えてますか?
病棟のナースステーションで
救急の外来で
昼飯を食べながらお茶しながら
ちょっとの時間を利用してポイントを絞ってフィードバック  

それが1分間指導法(5micro-skills)です
これは研修医の思考過程を明らかにしつつfeedbackを行い
研修医自身が振り返りを促されるもの

ほら?思い出しましたか?
指導医WSのadvancedコースでは互いにやってみたやつです

5つの段階的な質問で済みますからやってみてはどうでしょう?
まずはこんな質問からスタートです
第1ステップ 研修医の現時点での考えを聞く
「先生はどう考えますか?」
まず研修医自身の考えを引き出す
もちろん開かれた質問であることが重要!
うっかり「○○○は考えなかったの?」ではダメですよね
相手が何を理解してどこまで考えたかを明らかにするステップです

第2ステップ その考えの根拠を聞く
「なぜそう考えたんですか?」
研修医の知識と思考過程の確認作業です
そう考えるに至った根拠を確かめます
偶然あってたなんて場合もあります
診察そものがうまくできていないのか?(報告者レベル?)
情報を分析することができなかったのか?(解釈者レベル?)
ここを明らかにしましょう!
ここで大切なポイント
あくまで研修医のレベルを知ること
中には「え~そう思ったんだけど違うんですか?」「・・・・・・わかりません!」って言い訳や逃げてしまう研修医もいます
そこで諦めてはいけません
研修医のための指導です
「(笑顔で)そう思ったという理由を話してみてよ先生」
「(二コっと)そのわからないとこが何か話してみてよ先生」って感じです

そしたらここ大切なステップです
第3ステップ 出来たことを褒める
「なるほど!いいね~!先生!」
現時点でできていること(診察出来たこと?解釈できたこと?)を確認して
まずはその段階を褒める
すると相談しやすい雰囲気になりますし研修医は自信を持ちます
ここまではいいのか~!よかった~!ってね

この第2・第3ステップがうまくいくと
たとえポイントずれた解釈をしていても
「それは面白いところに目をつけたね!でも・・・このケースではどうだろう?」
研修医は「ん?何か違うんだなきっと・・・・」と自分で考える癖を身に付けます
振り返りをどんどん促すことを習慣づけていけるようになります

このときやっちゃいがちだけどダメなのは
「○○○忘れてるじゃん!知らないの?」と先に答えを知ってしまうこと
きっと研修医は丸暗記していきますヨ

第4ステップ 一般論を提示する
「一般的にはこういう風に考えるよね」「文献的にはこうだよね」
あやふやなことを明確にしながら知識の定着を促します
つまりまず間違いに気付かせる
患者と一般論がセットになると知識が定着しやすいようです
ここで注意すること
あれこれ教えすぎないこと!
そうそう以外とこれって多いですよね
ちょっとのつもりが話し過ぎちゃうパターン
今その話しされてもって研修医は自然に耳に蓋してますよきっと

そして最後に
第5ステップ 改善点を提示する
「じゃ~先生!今度同じような患者さんが来たらどうしますか?」
臨床上の問題を明らかにしていく段階です
目の前にいる患者に則して学習課題を明らかにしましょう!
もちろん研修医の側から
「これが理解できていなかったので勉強してきます!」なんて感じになればいいけど
指導医から促すのもありです

これって慣れてくると本当に1分程度で済みます
ボクは実際に研修医に配布している日々の記録帳に書き込ませます
忘れないように

すると後日余裕があるときに
そう言えばあれどうした?って手帳片手に一緒に学ぶ姿勢が出てきます

そう
教えるって発想ではない方が疲れませんし負担感を感じなくできます
リラックスして試してみてはどうでしょう?