聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

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本学のポートフォリオ再考

2010-12-08 10:45:57 | ポートフォリオ評価
本学のポートフォリオもいつの間にかちゃんととしてきました
こいつは素直にうれしい
はずなのですが・・・・・実はそうでもないことも把握しています

ポートフォリオを取り入れている欧米の医学部においても
ポートフォリオが形だけのものになってしまう
いわゆる要領のよい医学生の存在がデメリットとして取り上げられています
そこで様々な検討がされcriteria(基準)が設けられるようになってきたのです

SEAもその典型的なツールになっているのかも知れません
書けばいいってことでしょうか

でも実はその内容には驚かされる物も多くあります
感動が自分の言葉で記載されています
自己分析としてはいいのかなと感じています
もちろんご指摘のように本来のSEAではないものもありそうなので検討は必要です

SEAを体験されている指導医の先生からしてみると
小グループでのディスカッションで得られるあの感動がないってことだと思います
たしかにその通りですね

次年度からもう少し検証してより徹底したいと思います

さてそこであらためて解説です
ポートフォリオにおいては自分で『振り返り』ができるか非常に大きなポイントです
形式だけ整っているポートフォリオは良いポートフォリオとして
評価されるか?
そんな検討もされたことがあります
答えはもちろんNO!
ははは~当たり前です

本学でも数年にわたって実施している臨床指導医WSアドバンスコースでも
ポートフォリオの読み込み訓練の際にチェックしています
すると指導医は自己評価・自己分析できていないポートフォリオにダメだしをします

つまりこういうこと
どんなにポートフォリオを提出できても
その研修内容を自己分析して
この2年間でできたことできなかったこと
自分の強み・弱みを記載して表現できていないポートフォリオは
どんなにきれいであっても実はパフォーマンスとしてはどうかな?と
疑問が残ってしまうのです

本邦においてはポートフォリオの最大のデメリットである
『作成に要する時間』はクリアできそうだ~!と書き込みましたが
実はこの基準を含めた質的評価はまだ難しいのです

ポートフォリオで評価される
だから評価表をまとめて
指導医に評価してもらいやすいように工夫する研修医が増えた
凄く増えた
そう
ここまではよかったのです
指導医に褒められて『やる気がでた』部分として受け止めたい
少なくともパフォーマンス評価としては合格ラインを超えた
一方で『褒められること・修了すること』が目的となり
逆に言われるがまま・周囲と同じものを作るだけ
そういう『受け身』のポートフォリオ創りになってしまう
そんな研修医の存在が気になります
これは指導医(他人)が(自分を)評価する
研修修了判定を行うからこそ出てきます
(他人に自分が)評価されるから(よく評価してもらうために)行う
まさに評価が人を作る・育てるのですが
これは医師として残念ながらまだまだ未熟としかいいようがないのです

自分の中に物差しを作り
自己評価して省察して実践できることが出来て
はじめてプロへの第一歩です
そのためのツールがポートフォリオだとすると
そう『諸刃の刃』になってしまってるのかも知れません

だからこそオリエンテーションや
機会あるたびに目的と意義を説明して啓蒙していくより他ありません

何よりも自称プロ集団であるべき指導医が率先して
医局の整理整頓につとめ
白衣を含めた身だしなみに今以上に注意していかないと
きっと響かないのだと感じます

わかっていたことですが
ちょっと最近そんな自己分析をしている毎日です