里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

アケビ 雌花と雄花

2017-05-16 | 日記
一関市藤沢町の、大籠地区東部の沢沿いの車道を集落へと下っていると、最初の
民家の裏手が藪になっていて、つるからたくさんの花がぶら下がっています。
藪を覗き込むとアケビの花で、紫褐色の雌花や、乳白色の雄花がたくさん咲いています。
ということは、藪と見たのは誤りで、アケビを植栽して棚状に絡ませた「アケビ棚」なの
かも知れませんね。民家の裏手ということもありますから。

一番上の写真において、中央にある大きな花が雌花です。花色は淡い紫褐色ですね。
手前と奥にある、小さな乳白色の花が雄花です。それぞれの花色は株によって、或いは日照
などによってかなり変化があるようです。




                             二枚とも2017.5.12撮影

アケビの木は雌雄同株ですが、花は「雌雄異花」ということになります。
雌花も雄花も花びらがなく、それらしく見えるのは3個の萼片です。
雌花の中央部に紫褐色の丸棒状のものが放射状に付いていますが、これが雌しべです。
雄花の中央部には、淡紫色のミカンの房状の雄しべが6本付いています。

アケビの花に蜜腺は無いのですが、それでも虫たちが集まるようで、雄花の花粉を目当てに
来るのだそうです。美味しい花粉なのでしょうね。
さて、雌花には蜜腺も花粉も無いのに、それでも受粉できるのは何故 ? 一説では、雌花は
雄花と同形でより大きく、目立つため雄花と錯覚させて虫たちを集めるのだとか。




                             二枚とも2017.5.12撮影

アケビ科アケビ属の落葉つる性木本で、本州〜九州に分布する。
山野の林縁や、林道沿いなどにふつうに生える。
樹皮は暗褐色。浅い割れ目が入り、うろこ状になる。枝には円形の皮目がある。つるは右巻き。
葉は互生。掌状複葉で小葉は5個。葉柄は長さ3〜10cm。小葉は楕円状倒卵形で長さ3〜6cm。
先端はくぼみ、基部はくさび形。縁は全縁。雌雄同株で雌雄異花。
花期は4〜5月で、葉の間から花序が垂れ下がり、先端に雄花が数個、基部側に雌花が1〜3個付く。
花は淡紫色~乳白色で花弁はなく、花弁状の萼片が3個ある。
雄花は直径1〜1.6cm、雄しべが6個ある。花柄は長さ1〜2cm。
雌花のほうが大きく直径2.5〜3cm、円柱形の雌しべが3〜9個ある。
受粉するとその一つ一つが実になる。花柄は4〜5cm。
果実は液果。楕円体で長さ5〜10cm、直径3〜4cm、9〜10月に紫色に熟して裂開する。
果肉は白色。種子は長さ5〜7mm、褐色から黒褐色を帯びる。
果肉や厚い果皮を食用にし、つるは編み組み細工に用いられる。



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