SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

ドッグフードの原材料を見てみよう プレイアーデン

2020-10-25 23:54:48 | ドッグフード原材料シリーズ
ドッグフード原材料シリーズ、今回はドイツのフード「プレイアーデン」です。


「ドイツのフードってちょっと珍しいわね」

このシリーズでもいくつかあったよ。でも日本ではそれほど多くないよね。
 
原材料はこちら
「え!これだけ!?」って驚きますよね。
チキン、魚介類、コーン、コメ、大麦、ビート繊維、亜麻仁、チキンオイル、
ビール酵母(ビタミンプレミックスを含む)

「ビタミンプレミックスを含む」として、これだけ分析値が記載されているので
ビタミンミネラル類と、タウリン、カルニチン、フラクトオリゴ糖とイヌリン
(水溶性食物繊維)は添加されているようです。
[ビタミン分析値]ビタミンA 20,000IU、ビタミンD3 2,000IU、ビタミンE 250IU、
ビタミンC 150IU、ビタミンB1 10mg、ビタミンB2 16mg、ビタミンB6 7.5mg、
ビタミンB12 200μg、パントテン酸(ビタミンB5)45mg、コリン 1,000mg、
葉酸 7mg、ビオチン(ビタミンB7)400μg、ナイアシン(ビタミンB3)50mg
[アミノ酸分析値]タウリン 100mg、L-カルニチン 300mg
[ミネラル分析値]カルシウム 1.2%、リン 0.8%、ナトリウム 0.35%、ヨウ素 1.5mg、
コバルト 0.5mg、マンガン 35mg、鉄 50mg、銅 5mg、亜鉛 65mg
[糖類]フラクトオリゴ糖 2.5g、イヌリン2.5g

AAFCO(アメリカ)とFEDIAF(EU)の基準はクリアしている総合栄養食なので
栄養の不足については心配はないでしょう。

では1つ1つ原材料を見ていきます。

チキンは人間の食用にできるものと公式サイトに書かれていたので、ミールではなく材料の時点では生の肉でしょう。
ただし生の状態では水分を多く含むため、ドライフードとして加工して水分が飛んだ状態では
当初よりもグッとカサが減っているはずです。
ですからタンパク源として実質的に最も多く含まれるのはチキンではない可能性もあります。

2番目に書かれている魚介類。この書き方は酷いですね。本当に酷い。
しかも公式サイトの別のページに魚介類(フィッシュミール)と書かれていました。
フィッシュミールは確かに魚介類ですが、これだけこだわりの原材料を使っていることを前面に出して
しかも1kg2,640円という高級価格帯の製品で、フィッシュミールを魚介類と書くってかなり呆れたことです。
「フィッシュミールは天然素材で100%有機だと証明できないからBIO(オーガニック)と表示できないが
これらを含む全ての原材料はヒューマングレード」だと公式サイトに書かれています。

😫 いやいやいやいや、フィッシュミールはどう考えてもヒューマングレードの原材料ではありません。
魚ですから人が食べても大丈夫でしょうが、保管や輸送は人間の食料品の基準が求められていないはず。
フィッシュミールは魚(大抵の場合、骨が多過ぎて人間の食用に使えない小さい魚複数種類)を加熱して
油を搾った後に、細かく挽いて高温で乾燥させたものです。
油を搾っているのでDHAやEPAなどオメガ3脂肪酸の含有量は少なくなっています。
乾燥している分、タンパク質は凝縮して含まれるので、この製品では実質メインのタンパク質は
原材料の一番最初に書かれているチキンではなく“魚介類”ことフィッシュミールでしょう。

コーン、この製品は「犬は雑食なので必ずしも穀物を避けなくても良い」というスタンスです。
それは私も同意します。でもそれなら消化しやすい米やビタミン類も含むオート麦の方が良いのでは?
コーンは炭水化物の他にタンパク質や抗酸化物質も含むので決して悪い食材ではないですが何しろ消化が悪い。
それとも、もしかしてこれも消化しやすく加工したコーンミールのことなのか?
ほらね、フィッシュミールを魚介類なんて書くと、こういう疑惑も生まれて来るんですよ。

コメ、穀類を使うならグルテンを含まないコメは良い選択だと思います。
ただしコメが白米の場合は、栄養成分はほぼ炭水化物のみになります。

大麦、不溶性と水溶性両方の食物繊維を豊富に含みます。そのため炭水化物の吸収がゆっくりになり
急激な血糖値の上昇を防ぐ低GI値の食品でもあります。
小麦にアレルギーがある場合は、大麦にも反応する場合が多いのでご注意ください。

ビート繊維 ビート(砂糖大根)から砂糖を採るために搾った後の残りの繊維です。
ここにも水溶性と不溶性の食物繊維が含まれます。
この製品は、少ない種類の原材料の中でコーン、大麦、ビート繊維とかなり食物繊維が多い印象です。

亜麻仁 別名フラックスシード ですね。これも食物繊維を多く含みます。
リグナンという抗酸化物質とオメガ3脂肪酸の一種アルファリノレン酸を多く含みます。
ただし犬は体内でアルファリノレン酸を利用できる率が低いため、オメガ3脂肪酸の摂取源にはなりません。
フィッシュミールもオメガ3脂肪酸は少ないので、この製品を長期的に摂る場合は
サプリメントなどでオメガ3脂肪酸を補う必要があります。

チキンオイル チキンの脂肪ですね。オメガ6脂肪酸の摂取源にもなります。
この製品では風味付けの目的で添加されているのではないかと推測します。

ビール酵母、ビール醸造時に発酵させる役割を担う酵母です。ビタミンB群、各種アミノ酸、ミネラル類を含みます。
腸内環境を整えるプロバイオティクスの役割も果たします。


「もうすでにキレ気味ですが、どうなんでしょう?」

多分フード自体はそれほど悪くないとは思うんですよ。
野菜や果物が一切使われておらずハーブ類も入っていないので、ちょっとしたアレンジやトッピングはし易そうだし。
肉類はBIO(オーガニック)で育てたものを使っているとのことで安心感があります。

フィッシュミールの件については、上でかなり怒っているけれど、フィッシュミール自体はまあOKです。

でも私がもし日本にいたらこのフードを買うか?と聞かれたら「買わない」と答えます。

公式サイトはかなり丁寧に作られていて、レイアウトやデザインも洗練されています。
が!書かれている情報がかなり大雑把で、いちいち指摘して行ったらキリがないくらい。
多分ドイツ本国のメーカーは色々こだわって丁寧に作っているフードだと思うんですよ。

だから今このフードを利用している方が愛犬の体に合っていると感じていれば
それは素晴らしいことで全く問題はありません。

私は個人的に日本法人の販売に対する姿勢が好きになれないんですね。


「おかーさん、こわー」

コメント (4)
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