ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
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The Sun Will Rise Again~撃魂霊刀~/LOUDNESS

2014-07-07 15:40:41 | 音楽
日本、最強のHMバンドLOUDNESS。
その最新作『The Sun Will Rise Again~撃魂霊刀~』を聴いた。

このジャケットを見てしまうと、古くからのファンは俄然期待が高まる。
このジャケットは、LOUDNESSというバンドが世界に衝撃を与えた傑作『Thunder In The East』を彷彿とさせる。
それがファンにとっては、自然に「原点回帰」と言う言葉が胸を踊ってしまう。
「原点回帰」と言うか、ファンが望む「LOUDNESSというバンドのサウンド」が聴けるのでは?と思えてしまう。



結論から言ってしまうと、ある意味その予想は正しい。
本作に詰め込まれたサウンドは、ファンが求める「LOUDNESSというバンド」のサウンド。
判り易く言ってしまえば、「Thunder In The East」+「Soldier Of Fortune」÷再編成以降のモダンな要素である。
しかし、コレが決して安易は「80年代サウンド」の焼き無しや「原点回帰」と言う訳では無いのが大きなポイント。
確かに「あの頃」を彷彿とさせるサウンドであり楽曲だが、全てにおいて完成度とテンションが高いのも大きい要素。
ただ単に「原点回帰」した訳ではなく、本作は“現在進行形”のLOUDNESSと言うバンドが世界に向けて叩き突き付けたアルバムと言える。
文句無しでカッコ良い!
再編成云々を抜きにして、本作はLOUDNESSと言うバンドにとっての最高傑作と言っても過言ではないです!!



まずは高崎晃(G)。
この人は、安易にバンドのサウンドを変える事して来た訳ではない(その実験精神は別として:苦笑)。
彼にしてみれば、その余り溢れる才能とテクニックからすればファンが望むサウンドに戻す事は容易かった筈。
しかし、彼自身のミュージシャン/ギタリスト/ソングライターとしての探究心はソレを簡単に許さなかった。
ソレは、LOUDNESSというバンドがこれまでリリースして来たアルバムを聴けば明白。
懐古趣味ではなく、自身の率いるバンドが“現在進行形”である事実を踏まえて本作を作ったのだと思う。
「あの頃」よりも、よりヘヴィに、よりパワフルかつストロングに、そしてよりメロディアスかつプログレッシヴに。
高崎晃と言う天才の生み出すプレイとサウンドは、決して過去を振り返る訳ではない。
本作では高崎自身のギター・ソロが、ここ最近のアルバムでは聴けなかった「泣き」を含んだ叙情的だったのも効果的だったと思う。



そして二井原実師匠(Vo)。
本作では師匠の“歌”が、非常に大きな比重を占めている。
失礼な言い方になるが、年齢を考えるとこれだけのハイトーンでの熱唱は師匠にとって厳しい側面もあると思う。
しかし、この師匠の生命を削るような熱唱こそ、本作が完成度に大きく貢献している。
やはり、何と言っても「この声」なのだ。
全盛期と変わらないハイトーンと、その伸びやかで艶やかな熱唱は圧巻としか言えない。
二井原師匠の“歌”が主役に絞られた事によって、本作は他と大きく異なってるのは事実だ。



一部では、二井原師匠の声と歌唱に否定的な意見もある。
だが、ソレを聴いただけで「あっ、LOUDNESSだ」と判るのは二井原師匠の声と歌があるからだ。
確かに強烈な超個性的な声と歌唱だが、メタル・シーンに求められるのはその個性的なシンガーではないのか?
特に高崎晃という、超絶ギター・ヒーローが存在するバンドにとっては。
その高崎が奏でるブ厚く鋭利で特徴的なギター・リフや華麗なギター・ソロに匹敵する、二井原師匠の超個性的な声と歌唱があって成立するのでは?!
それこそが「LOUDNESS」というバンドのサウンドだと思う。



あと個人的に本作を聴いて思ったのは、山下“マーくん”昌良氏(B)の存在。
昔から実は極太ベース・サウンドで唸り軋みまくっているが、本作では今まで以上に凄まじいプレイが随所で炸裂している。
ある意味、リード・ベース的に縦横無尽に暴れまくりながらもメロディを奏でるプレイは圧巻。
本作は映画『遊星からの物体X』のサントラを彷彿とさせる、不穏で硬く重いベースのメロディから始まるのだから。
このバンドの成り立ちもあって過小評価される傾向もあるが、この人が卓越したベーシストである事は変わりない。



そして鈴木“アンパン”政行の(Dr)。
今現在のLOUDNESSがこれまでと違いブルータルな側面を持っているのは、間違いなく彼のツー・バスが轟いているから。
メンバーから「スラッシャーだから」とネタにされるが(笑)、そのツー・バスが凄まじいのは事実だ。
LOUDNESSに在籍したドラマーにあって、彼は最もアグレッシヴなドラマーなのだと思う。
本作が80年代的と言われながらも、アグレッシヴかつブルータルなのは彼の貢献が大きいと思う。
あと余談になるが、本作の最終的なサウンド仕上げをブライアン・ガードナーに依頼したのも大正解。
クリアーで、各パートが粒立って聴けるサウンドが実に心地良い。



この『The Sun Will Rise Again』という傑作を持って、LOUDNESSは再び世界に挑む。
本作は実は随分前に完成しながらも、その発売が遅れたのは海外のレーベルとの交渉の問題があった。
結果的にその話はバンド側の納得出来るものでなかったで流れたが、既にもう数社の海外レーベルと交渉に入っていると言う。
今このCDが売れない時代にあって、欧米においてLOUDNESSというバンドは大きな商品価値があると言う事だろう。
かつて自分達が残した、成功や記録(まだ日本のロック・バンドがここまで商業的に成功した訳ではない)。
結成30周年にして、ソレを自身で抜いて更なる成功を目指すと言うのは果敢かつ勇気あるチャレンジだと思う。
「陽はまた昇る」、本作のタイトルだ。
4人の男達は、今再び世界と言う大きな目標に向けてスタートした。
それだけの熱い魂を揺さぶるような思いが詰まった本作、先入観抜きにして多くのメタル・ファンに聴いて欲しい。
超オススメです!!





この魂を売り渡しはしない
奪われたものは必ず取り返す
そしてこの命が尽きるまで戦い続ける
絶対に諦めたりしないと誓ったから

そして、また陽は昇るのだから


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