ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

宇宙忍者ゴームズ対悪魔博士

2005-09-28 02:05:39 | 映画
『ファンタスティック・フォー』をやっと観た。
コレが予想を超えた完成度を誇り、久々に心から「面白い!」と言える作品だったので驚いた。
本作はアメコミ界にあっては長い歴史を持つ人気シリーズ(日本での認知度は低い)、言わずもがな『Mr.インクレディブル』の“元ネタ”であり、『ワン・ピース』等の作品にも絶大な影響を与える程の人気コミックだ。
同じマーベル・コミックで先に映画化された『X-MEN』『スパイダーマン』そして『ハルク』等と言った作品と、本作は決定的に違う色を全面に出す事により、他のアメコミ映画との差別化に成功している。
ティム・バートンの傑作『バットマン』の大成功以降、ファンの間でもアメコミの映画化には“ダーク”な雰囲気を持ち、“リアル”な世界観である事が暗黙の了解となっていた。
本作と同じく20世紀FOX製作の超能力を持った主人公達がチームを組み悪と戦う『X-MEN』はその典型だった、監督をしたブライアン・シンガーのSFマインドの欠如もあり映画は良く出来ているがコミック本来の持つ醍醐味が消されていた(とは言え作品としては好きですよ:苦笑)。
やはりコミックの映画化として不可欠なのは、マンガ的な“ハッタリ”!!
ソレを描く事から逃げたり中途半端な演出をすると、原作コミック本来の持ち味を殺してしまう。
バートン版『バットマン』ではジャック・ニコルソン扮するジョーカーが、クライマックスでパンツからバカでかい拳銃を取り出し一撃でバットマンが乗るバット・ウイングを撃ち落とした。
『ヘル・ボーイ』でも終盤宿敵ラスプーチンが自らの肉体の封印を解き、異次元の巨大な怪獣を召還して観る者の度肝を抜いた。
コレである、観ていて思わず「そんなアホな!」と突っ込みたくなる荒唐無稽さが不可欠なのだ。
個人的にダークでリアルなアメコミ映画も大好きだ(『バットマン・ビギンズ』はシリーズの最高傑作)、だが全てがそんな作風になるのは滑稽だし退屈だと思える。
この『ファンタスティック~』には我々が忘れかけていた“ハッタリ”を効かせた、実に痛快な娯楽映画になっている点がポイントだ。
この『ファンタスティック~』にも“ダーク”な要素がない訳ではない、不慮の事故により普通の人間でいられなくなった主人公達の苦悩(特にシングの境遇は悲惨)や、敵役となるDr.ドゥームの狡猾さと狂気もしっかりと描かれている。
それを上手く中和しているのがヒューマン・トーチ(クリス・エウ゛ァンス)の存在だ。
良く言うと「超前向き」、悪く言うと「身勝手なお調子者」な彼は自身がヒーローになった事を謳歌し、軽快にドラマを盛り上げる。
『Mr.インクレディブル』の大ヒットによりVFXの追加予算が出て、大幅に出番が増えた主人公のMr.ファンタスティック(イアン・グリフィズ)の終盤での大活躍も納得の出来映えだ。
本作の監督ティム・ストーリーはかなりの実力者だと見た。
実験の失敗でハンサムな顔面がビヨ~ンと崩れるMr.ファンタスティック(爆笑)、群衆の中から逃げる為に全裸になるインビジブル・ウーマン(ジェシカ・アルバ嬢!)等のさりげないエログロ描写を盛り込む手腕は憎い。
個人的には序盤での宇宙に出るまでの経緯や、もう少しDr.ドゥームの偏執狂的な異常さ(リードの家を盗撮してる!:笑)をネチっこく描いてくれれば…と思うが続編に期待しよう。
本作は近年のアメコミ映画としてだけでなく、実はSF映画としても良く出来た傑作でありました。
本当に久々に単純かつ素直に「面白い!」と言える映画だ、次は『ステルス』と『シン・シティ』が凄く楽しみだ!!


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1 コメント

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リサーチセンターの未来 (ラマン分光ファン)
2020-05-29 11:00:40
カルロスゴーンの幼稚な「ダイヤモンドで低フリクション」などと聞くと悪魔博士の本性はカルロス自身なのではないかと思ってしまう。

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