1ヶ月以上をかけていろいろと準備した「冨永有隣と明治維新に関わる人達」の展示会が10月1日から始まりました。田布施郷土館オリジナルの展示会のため、いろいろと苦労がありました。去年の11月展示の「写真に見る岸宰相と故郷田布施」企画展は、それまでのノウハウを生かすことができました。今回の企画は、ほとんどが初めての試みでした。
自作した略年譜や図面 説明版や写真を飾る 会場中央展示の衝立の書
冨永有隣に関わる資料は郷土館所蔵以外のものも展示しました。そのため、所蔵していると思われる町内の方々を訪問して、事前に所蔵の確認をしました。残念ながら、所蔵が不明になってしまったり破棄されてしまった物もありました。所蔵が確認できたものは、所有者の了解を得て、展示会初日の数日前に郷土館に運び込みました。
古文書,遺物,説明版,扁額などの資料を分かりやすく展示中のN館長とHさん
展示の準備中であっても、郷土館への訪問者は絶えません。そのつど、展示会の準備を中断しては郷土館内を案内しました。中には、宿題をしたり歴史を勉強するために来た小学生達もいました。丁度いい機会ですので、出来立ての富永有隣に関わる説明資料を渡しました。小学生達は興味をもったのか、その資料の必要な個所を切り抜いてはノートに張っていました。展示準備中の富永有隣資料を見に来る生徒もいました。
有隣愛用の品々 展示物を見学する方々 歴史を勉強する小学生達他
冨永有隣に関わる展示会の準備が終わったのは、30日午後遅くでした。田布施町内の史跡位置図、奇兵隊(第二奇兵隊)などに関わる年表、人物関連図,そして説明版は何度も作り替えました。そして、展示物の並びや、文言の一字一句などについて何度も議論しました。手作り感溢れる展示会で、来館していただいた方々に喜んでいただけると思います。なお、会場が狭いため展示できなかったものや、解読できる時間が無く展示できなかった古文書などが少なくなかったのは残念です。
郷土館入口の案内 有隣書の掛け軸の数々 奇兵隊使用の銃や資料
初日の10月1日はあいにくの大雨でした。事前にお知らせしていた新聞社の記者の方々が見えました。そのため、来館者や記者の方々を並行してご案内しました。そして、指摘があればその都度修正しました。例えば、富永有隣と国木田独歩の出会いについての説明版を追加しました。
私個人の意見ですが、幕末の歴史に興味がある方にとっては、とても見がいのある展示だと思います。特に、奇兵隊士の遺墨や写本した資料,幕末に読まれた孟子や中庸解などの古文書,多くの有隣宛ての手紙などは興味をそそられると思います。
郷土館入口から見た展示会場、右は富永有隣肖像画