不動産ウォッチャーの日記

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ソニーの金融子会社SFHが東証一部に上場

2007-09-02 21:20:41 | 金融

NIKKEI
ソニー、金融子会社10月上場・3000億円調達、今年最大に

ソニーの金融子会社「SFH」(ソニー・フィナンシャル・ホールディングズ)が、10月、東証一部に上場することが決まりました。「上場時の時価総額は1兆円に達する」という予測もあるそうなので、超大型案件と言えます。

SFHといえば、ソニー生命・ソニー損保・ソニー銀行の三社ですが、このうち、ソニー損保とソニー銀行はネット金融会社です。

ソニー生命は、対面販売のため、ソニー前社長の出井氏に嫌われていたと言われてます。インターネットの爆発的な普及に合わせて、先進的なネットビジネスを積極展開していた出井氏にとって、対面販売は時代遅れだったと言えます。オランダのエイゴン社に株を半分譲渡したり、また買い戻したり、紆余曲折がありました。

しかし、ネットバブルが崩壊した後、ソニーの苦境を救ったのはソニー生命でした。なんといっても、生保事業には安定した収益力があったのです。

かつて、日本の生保業界は「60歳になったら保障額が激減する」という、いわゆる「L字型」保険が主流でした。60歳までは、一家の大黒柱としてモーレツに働く。大黒柱に「もしも」のことがあったら大変!!・・・というわけで、「60歳までは死亡保障が4000万円、60歳からは死亡保障100万円」というような、現役の時期だけ大きな保障が得られる保険です。これを図にすると、60歳を分岐点として大きな落差が視覚化されるので、「L字型」と言います。

しかし、現代人は60歳までに死ぬ人が非常に少ないので、本当に死亡保障が役に立つのは、ほとんどの場合、60歳を過ぎてからです。ですから、このL字型保険は、多くの場合「保険会社が儲かるだけ」だったと言えます。なんで、こんな保険が主流だったのか??これには理由がありました。生命保険が急速に普及した戦後の復興期の日本では、男性の平均寿命が60歳くらいだったのです。日本の保険会社が悪かったというより、日本人の寿命が伸びて状況が変わったというのが実態でした。

そんな日本の状況を突いて、アリコやプルデンシャルといった外資系生保が「一生涯にわたって保障が続く、終身保険」を武器に次々に保険を切り替えていきました。アフラックは「ガン保険」を武器に、いわゆる「第三分野」の市場を開拓していきました。統計データを見せれば、60歳までに亡くなる人が圧倒的少数なのは明らか。「それより、老後の保障や、病気になった時の保障が大事ですね」という話には、説得力があります。

この頃の外資系生保の勢いは、国内生保にとってまさに脅威でしたが、その筆頭にあるのが「ソニー生命」でした。もっとも、ソニーは「外資系」とは言えません。金融・保険業界の人間にとっては「黒船」そのものでしたが、ソニー生命は外資ではありません。そのため、「カタカナ生保」という言葉がよく使われていたものです。

この「カタカナ生保」は、銀行を退職した元・銀行員の有力な受け皿となりました。当時、銀行を退職した元同僚から電話がかかってくると、たいてい「保険の営業」だったものです。優秀な男性営業職員たちは、いわゆる「生保のオバチャン」たちとは異質なパワーを発揮していきました。

ソニー生命、アリコ、プルデンシャルが、そんなカタカナ生保の筆頭格です。後には「東京海上あんしん生命」などが加わったため、「カタカナ生保」という言葉すら実態と合わなくなりましたが・・・。

○○商工会議所、△△青年会議所、◇◇ロータリークラブ・・・といったところの名簿を見ると、たいてい「ソニー生命のライフプランナー」が顔を並べています。その行動力と人脈は、すごいと思います。

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