不動産ウォッチャーの日記

経済・金融・不動産・・・その他もろもろを気楽に語る

SPC(特定目的会社)

2008-05-10 23:30:59 | 不動産ウォッチャーの日記
 
資産流動化法は、当初は「SPC法」とも呼ばれました。つまり、資産流動化法は「SPC」(特定目的会社)を作るための法律。いまやすっかりメジャーな法律になりましたが、あの片山さつき代議士が大蔵省時代に法案に携わったことでも知られています。
 
不動産業界において「SPC」と言えば、不動産の名義人にして土地建物を持たせておくために設立するペーパーカンパニー。
 
かつての日本では、ペーパーカンパニーは「怪しい」ということで嫌がられていましたが(?)、証券化(資産流動化)を促進するためには、それを作りやすくすることが急務でした。
 
あの頃は、とにかく何がなんでも「不良債権問題」をなんとかするのが先決。後のことは、それから考えようじゃないかという時代だった・・・・・。

つまり、資産流動化法が制定された当初の目的は、「銀行の不良債権を証券化して売却し、バランスシートを早く立て直そう」ということだったのです。

でも、今では便利なツールとして、どこでも当たり前に使われてます。
 
SPCに不動産を持たせる理由は、信託受益権売買と同様に「動かしやすくて便利」ということはもちろんですが、やはり税制面で有利なのが最大のメリットです。不動産取得税や登録免許税がかなり安くなります。

もっとも信託受益権売買の場合は、もともと、これらの税金がかかりません。実際のところ、SPCが信託受益権を売買することは多いので、その場合は「不動産取得税や登録免許税が安い」というメリットは意味がなくなります。

それでも、SPCには税制面で大きなメリットがあります。「税引き前の利益から配当できる」というのが、それです。
 
通常の会社では、1億円の利益が上がったら、それに対して約40%の法人税がかかり、4千万円を税金で持っていかれます。そして、税金を引かれた後の6千万円から、出資者に配当することになります。
 
ところが、SPCの場合は、税金を引かれる前の1億円の利益から、出資者に分配することができるのです。
 
一見、「そんな不公平な」という感じですが、その配当を受け取るのはSPCを設立した親会社ですから、結局は親会社に法人税が課されることになります。

(もちろん現実はここまで単純じゃないですが、あえて大雑把に言えば、そんなところです)
  
  
にほんブログ村 住まいブログ 土地・不動産へ

人気blogランキングへ


最新の画像もっと見る