不動産ウォッチャーの日記

経済・金融・不動産・・・その他もろもろを気楽に語る

コムスンは、有料老人ホームとグループホームを分離か

2007-07-31 20:56:02 | 介護

サンケイ記事
コムスン事業移行計画、在宅系は都道府県別に譲渡へ

進みそうで進まない、コムスンの事業譲渡。今回は、樋口公一社長が厚生労働省に事業移行計画を提出したというから、ようやく動き始めたようです。

記事には

>計画によると、希望事業者の公募は1日に始め、法令順守(コンプライアンス)や企業の事業譲渡などの専門家からなる第三者委が、居住系については14日、在宅系は20日を最終期限として譲渡先候補を勧告する。その後、コムスンと候補事業者間で価格などを交渉したうえで、居住系は8月中旬に、在宅系は9月上旬までに譲渡先を決定する予定だ。

とあるので、早ければ「居住系」の行方が8月中旬に決まるようです。

コムスンの事業の柱である訪問介護が、地域別に分割されるというのは興味深いことです。でも、当方としては「介護」そのものよりもむしろ、土地活用としての「介護施設」に関心があるので(笑)、「居住系」つまり、有料老人ホームやグループホームがどうなるかが気になります。

「有料老人ホームと、グループホームを分離する可能性もある」とのこと。
有料老人ホームは、やはり、ワタミの手に帰すのか?
「グループホーム業界の雄」は誕生するか?

世間の関心は移ろいやすく、コムスンの話もとんと聞かなくなってきましたが、依然として興味が尽きないのは事実です。

金利上昇の影響は?

2007-07-31 20:42:21 | 不動産

「いよいよ、金利が上がってきた」ということに関心が集まり、新聞紙面を連日にぎわせています。

かつて、歴史的低金利時代だった頃、アパート賃貸経営の事業収支が、金利支出が少ないおかげで良く見えたのは事実です。しかし、地主さんも「かつては、今より遥かに高金利だった」ということをよくご存知ですから、「金利が上がったら、どうなるんですか?」という質問を受けるのは当然です。

これに対して、筆者が知っている、ある有能なアパート建築営業マンは「金利が上がるときは、日本経済が上向いたときです。そういうときは家賃も上がりますから、心配することないですよ」という風に答えていたのを思い出します。でも、本当にそうでしょうか?

試しに計算してみましょう。銀行から1億円の融資を受けた場合、金利2%・期間30年(ボーナス返済なし)で計算してみると、月々の元利金返済額は、369,619円です。しかし、金利が5%に上がった場合には、なんと536,821円にまで返済額が急増するのです。

この、45%もの返済負担の増加を、はたして賃料の引き上げその他で吸収できるのでしょうか。賃料を引上げられないとすれば、その分だけ手取り収入が減ります。手取りが減るだけならまだしも、赤字に転落する可能性もあります。最悪の場合、銀行への借入返済が滞る恐れもあるのです。

バブル景気が発生する以前の80年代に、住宅ローンやアパートローンの金利は、5%~8%くらいが当たり前でした。それを思えば、5%くらいまでの金利上昇は、本気で想定して備えておくべきと言えるでしょう。

大量の賃貸募集物件

2007-07-31 20:40:16 | 不動産

ちなみに、yahoo!不動産で検索したところ、中野区で入居者募集中の賃貸アパートは7520件もあります。内訳は、ワンルーム~1LDKまでの単身者向けが5510件、2K以上が2010件(もちろん、重複表示されている物件もありますが)。お隣の杉並区では、なんと11813件(!)が入居者募集中。内訳は、ワンルーム~1LDKは8432件、2K/2DK以上が3381件です。

多すぎて、全部を見るのはとても無理です。そこで「築年数10年以内」をチェックしたところ、瞬時に物件が絞り込まれ、11813件から3277件に減りました。それでも、まだまだ絞込みが足りません。「次はどの条件を指定しようかなあ?」と考えます。この時点で、条件から外れた物件は表示されないので、目に触れる機会がなくなります。

ほんの2~3分かけて検索しただけで、これほど大量の空室情報を入手できるのが、今の世の中なのです。もっとも、街を歩けば、空室情報の立て看板やチラシがいっぱいで、良さそうな物件も山ほどある。実際には「ネットを見るまでもない」と感じます。今は、遠隔地だけでなく、便利な場所でさえも空室が豊富にあるということが分かります。

これほど供給過剰の状況を見れば、賃貸アパート・マンション事業の将来予想は、いやでも慎重にならざるを得ないのではないでしょうか。特に、築年数が10年を超えたあたりからが要注意です。賃貸事業が長期にわたって採算に乗るかどうかを慎重に検討してからでなければ、とても踏み切れそうもありません。

賃貸物件を検索して思うこと

2007-07-31 20:39:25 | 不動産

筆者は、賃貸住宅に住んでいます。遠距離通勤が嫌いで、いつも職場の近くに引っ越しているのです。今は、更新期限が来るのを機に、歩いて職場まで行ける物件に引っ越すことを計画しています。

そんな中で改めて実感するのは、かつては「礼金2ヶ月、敷金2ヶ月」を取るのが当たり前だったのに、現在ではその慣行が大きく崩れているということです。「礼金・敷金なし」をうたっている賃貸アパート・マンションが急増してきました。取っても1ヶ月が限界というところが多い。

賃貸仲介におけるインターネットの存在感は、もはや圧倒的です。不動産屋さんに行くにしても、「まずはネットで調べてから」というのが当たり前。ネット特有の「検索機能」は、借り手の側として使ってみると、本当に便利です。全物件を出したのでは件数が多すぎるので、条件を設定して、自動的に絞り込まれるようになっています。

あまりにも情報が多いため、条件を狭く設定しないと、見るのも大変。「とりあえず、古い物件は避けようか」と思って「築年数10年以内」をチェックすると、表示される物件が瞬時に絞り込まれます。「駅から徒歩10分以内」、「礼金1ヶ月以内」なども同様です。コンピュータが自動的に取捨選択してくれるので、条件から外れる物件は最初から表示されず、目に触れる機会がありません。

アパートは「建てたら入る」という時代がとっくに終わっており、どこでも空室物件が存分にあります。インターネットだけではありません。街を歩いても「礼金・敷金は要りません!」といった募集広告がそこら中に貼ってあり、チラシが配られています。最初は「条件が悪くてもいいから、安いところにしたいなあ」と思っていたような人でも、多くの情報に接するうち、次第に条件の悪い物件が目に入らなくなってきます。

条件の良い物件はすぐに入居者が見つかるでしょうが、条件の悪い物件にとっては、ますます見向きもされなくなる一方なのが実情です。ここでも、二極化が進んでいます。

税理士・会計士ネットワーク

2007-07-26 18:05:15 | 不動産ウォッチャーの日記

筆者が勤務するコンサルティング会社は、全国的に税理士・会計士事務所のネットワーク化を推進していることで、各方面からの注目を浴びています。今日は、大阪から土地活用会社の営業の方が挨拶に来られました。仕事上のタイアップを希望されています。

それにしても、大阪から業者の方がわざわざ来られたのは初めてで、注目度が着実に高まってきていることを感じました。関西方面での仕事には、関西での人脈が欠かせません。建設・不動産の業界人を数多く知っていることが、結局は不動産コンサルティングのバリエーションを増やしていくことにつながります。

かつての銀行・保険での経験から、税理士の先生とタイアップすることの重要性は痛感しています。仕事のスケールが、格段にアップするのです。

ちなみに筆者は金融出身ですが、日本の「富裕層ビジネス」は、やはり不動産が主戦場です・・・。

「投資信託にだまされるな!」

2007-07-26 00:41:26 | 金融

竹川美奈子さんの著書「投資信託にだまされるな!」を読みました。

これは、上地明徳氏の「ダマされたくない人の投資運用術」と似たタイトルで、10倍も売れた、という本です。しかし、タイトルは似ているけれども、内容は対照的。上地氏はアクティブファンドによる積極運用を進めていますが、竹川氏は「手数料の安いインデックスファンドがオススメ」と好対照を成しています。

それにしても、内容は徹底的。最初の方は「毎月分配金はよくない」の話、途中からは「販売手数料」と「信託報酬」のことばかり。「○○ファンドは販売手数料が高い」、「◇◇ファンドは手数料が安いからオススメ」・・・のオンパレード。

金融とか経済などの話は、ほとんど出てきません。商品の中身にも、ほんの少ししか触れない。ましてや、運用担当者の投資哲学・運用実績・銘柄選択・・・その他には、限りなく無関心に近い。話題の中心は、ひたすら「販売手数料」と「信託報酬」。

正直、この本を読んで浮かんだイメージは、「あちこちのスーパーの特売を回って、一円でも安く買おうとする主婦」でした・・・。


シンガポールのREITが日本で物流施設を購入

2007-07-25 22:53:21 | 物流

日経不動産マーケット情報(会員制)

7.25付の日経不動産マーケット情報「神奈川を中心に物流施設5物件を278億円で取得、シンガポールのメープルツリー」という記事によると、シンガポールの大手REITが、NECロジスティクスから中核物流施設を買い取ったようです。

NECロジスティクスは、日立物流などと同様、大手電機メーカーの物流部門から発展して、3PL(サードパーティーロジスティクス)企業へと進化した会社です。

3PLとは、物流部門を外部に委託(アウトソーシング)する形態。倉庫会社とか、トラック運送会社へ個別に外注するのとは違って、荷主企業の物流機能全般を委託するのが特徴です。もはや、物流業界の域を超え、日常用語として定着した感があります・・・。

一方、物流機能の高度化に伴って、従来の倉庫と配送を戦略的に統合した「物流センター」への注目が、不動産業界でも高まっています。物流施設に特化した不動産ファンドとしては、プロロジス、AMBといった米国企業が業界の巨大勢力となり、日本でも積極展開しています。

記事によると、今回、シンガポールのREITが買い取った神奈川県の物流センターは、NECロジスティクスにとって、首都圏の中核を担う物流施設だということだ。これはつまり「不動産はファンドに持ってもらって、物流サービスに専念する」ということで、「所有と運営の分離」ですね。業界大手「日立物流」の物流施設を、米国系の大手物流不動産ファンド「プロロジス」が続々と手がけているのに似ています。

シンガポールの「メイプルツリー」は、この物件のみならず、全国各地で6物件も取得したというから凄い。最近はオーストラリアのREITが、日本のみならず世界で注目されているようですが、シンガポールのREITも存在感を増してきましたね。同社のサイト(英文)によると、「日本・中国・インドシナで活動する、シンガポールの大手不動産会社」ということだ。やはり、物流施設に強いようです。

根深い米サブプライム問題、ドル地盤沈下が深刻

2007-07-24 19:44:09 | 金融

ロイター記事
根深い米サブプライム問題、ドル地盤沈下が深刻

最近、日本の新聞で「サブプライム」という言葉を見ない日がないくらいですね。
アメリカの住宅市場では、信用力の低い人でも、住宅ローンをガンガン借りて、自宅を手に入れているということなのだが・・・。

実際、この記事にも
>米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は19日、サブプライム向けの高金利型住宅ローンの焦げ付きが金融機関に最大1000億ドルの損失をもたらすとの試算を明らかにしが、サブプライム問題は米国の借金体質という、より根深い構造問題に端を発しており、その影響は米金融機関のみに限定されるものではない。  
とあり、なんだか深刻そうなので心配になってきます。

でも、FinancialTimesの記事(英文)によると、「引き続きサブプライム問題に関心が集まっているが、これといった経済データもなく、アメリカでは株価が上昇した」そうな。

ユーロは$1.3844で最高値、ポンドは$2.0603で26年ぶりの高値。

円は「最も変動が激しい。円高になれば逆キャリートレードが心配」ということなのだが、そんなことより、トルコで“centre-right, pro-business”な与党が地滑り的な勝利をマークしたのを受けてトルコ・リラが上昇。期待が高まってる様子。

どうやら、FT記者の目から見ると「これからはトルコ」ということのようです。

大和証券グループ本社、ベトナムのサイゴン証券と提携

2007-07-24 08:28:04 | 金融

asahi.com記事
大和証券グループ本社、ベトナムのサイゴン証券と提携

大和証券が、ベトナムの証券会社に出資し、提携しました。しかも、大和SMBCはハノイ駐在員事務所を作るという。いよいよ、ベトナム株に本腰を入れ始めたか?

大和証券のサイトによると、サイゴン証券は、「ホーチミン証券取引所の上場株式のブローカレッジ業務においてトップシェアを誇る企業」というから、かなりの力を持っているようです。

サイゴン証券のサイト(英文)を見たところ、同社は西暦2000年創業。まだ新しい会社ですが、ホーチミン証券取引所ができたのも同年ですから、ベトナムの証券界では新しいとは言えません。ベトナムの証券取引において「27%のシェアを持っている」ということだから、最大手なのはまちがいないでしょう。

社長のNguyen Duy Hung氏は、切れ者っぽい顔立ちですな!!


ベトナムといえば、ハノイとホーチミン(サイゴン)の二大都市が看板ですが、ホーチミン証券取引所の設立はハノイに先行し、金融の中心はサイゴンにあります。

このまま、サイゴンがベトナム経済の中心になっていくのか?
それは、なんとも言えません。政治権力の中心である首都ハノイには、やはり大きな可能性があります。日本も昔は、どちらかといえば東京より大阪の方が、経済の中心でした・・・。

世界一の超高層ビル「ドバイの塔」

2007-07-22 15:01:05 | 不動産


TIMES記事 Armani next floor (2000ft) (英文)


アラブの都・ドバイに、高さ世界一の超高層ビル「ドバイの塔」(ブルジュ・ドバイ)が誕生です。(不謹慎な話ですが、西洋美術に出てくるバベルの塔の絵を、つい思い出してしまいました・・・)。


1階から37階にかけてアルマーニ・ホテルが入居する予定で、かの高名なジョルジョ・アルマーニが内装を担当しています。まだ建設中ですが、ブルジュ・ドバイの公式サイト(英文)によると、7月21日現在で現在141階、高さ512.1m。同サイトのデータは日々更新されているので、すでに引用記事に出てくる数字を上回っています。台北の「台北101」を抜いて、世界一に到達しました。

 
果たして、どこまで高くなるのか。完成した時点での高さについては諸説あるみたいです(それにしても、なんで事前に確定してないの?)。「最終的には180階、2000フィートを超える」ということだから、600mは超える予定のようだ。公式サイトに出ている完成予想図のイラストには、600mまでしか目盛りがついていません。見た目からすると、800mくらいはいきそうに見えますが・・・。


ちなみに、今まで世界一だった「台北101」は508m、二位のクアラルンプール「ペトロナス・タワーズ」は452m、三位のシカゴ「シアーズ・タワー」は442mだそうな。凶悪テロリストに破壊されたニューヨークの「ワールド・トレード・センター」は、最上階411m、アンテナの先端で528m。


 地震国の日本でも、超高層ビルの建設が進んでいます。でも、これほどの規模のものは予定されていません。現在の日本一は横浜のランドマークタワー(296m)ですが、計画中のものでは、西新宿三丁目再開発計画が高さ338mになる見込。 もっとも、押上にできる予定の第二東京タワーは高さ610mを予定しているとのことなので、ドバイの塔にも対抗できる?ただし、展望台の高さは450mで、そこから上はアンテナです。


ドバイの勢いはすごい。TIMESの記事によると、ヤシの葉の形で有名な「パームアイランド」には、すでに3000フィート(900m)超のビルが計画されているとか。この調子なら、高さ1000mを突破するビルが林立し、上空を飛行機が飛び交う、SF映画みたいな景観になる日も遠くなさそうです。


アラビア人も、「中身より、見た目で勝負」ときたか?もっとも、躍進著しい「世界の都・ドバイ」は、実はアラブ人よりインド人の方が人口が多いという話です。インド人は、やっぱりすごい!!