Shpfiveのgooブログ

主にネットでの過去投稿をまとめたものです

Yahoo!知恵袋で見かけたトンデモ議論(17) 「南京事件」について、今どき曾虚白の自伝を持ち出し通用するのは知恵袋くらいのものである 

2018-10-30 06:27:07 | 政治・社会問題
さて、せっかくなのでYahoo!知恵袋の「南京事件」についての質問、回答なども拝見してみましたが、一頃に比べるとレベルの低下が著しくなっており、デマや誹謗中傷を楽しむ悪質投稿者が幅をきかせる、もはや「便所の落書き」と表現したくなるような「ベストアンサー」が日々、続々と出ているのが現状のようです。

例えば、こちらの

南京大虐殺は本当はなかったって学校の先生が言ってるんですけど本当になかったのですか?
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14197416469

についてのxxx********氏によるベストアンサーに選ばれた回答

その先生は正しい。

「南京大虐殺」は中国国民党の宣伝で「捏造」された。

https://blogs.yahoo.co.jp/xyzxy888/49159019.html

国民党国際宣伝処の処長の曾虚白の自伝には

ティンパーリーと相談して

「我々は目下の国際宣伝においては中国人は絶対に顔をだすべきではなく、我々の抗戦の真相と政策を理解する国際友人を捜して我々の代弁者になってもらわねばならないと」

決定してティンパーリーとスマイスに日本軍の南京大虐殺の目撃記録の本を書いてもらい「宣伝目的を達成した」とある。


自伝が「事実」であることは中国側の機密文書によって証明されている。

台北にある「国民党史館」に所蔵されていた

「中央宣伝部半年中心工作計画」には

ティンパリーが、国際宣伝処英国支部(ロンドン)の「責任者」と記録されていて、

「国民党中央宣伝部国際宣伝処工作概要」(1941年)には

ティンパリーが書いた「戦争とは何か」が国国民党が編集印刷した「対敵宣伝本」と記録されている。


さらに、ティンパリーと南京にいた南京大学教授で中国国民党の顧問であったベイツとの間でやり取りされた手紙には、スマイスが「間接的な宣伝」をしていたことが書かれている。


さらに、連合国が開廷した「東京裁判」に備え、中国国民政府は一九四五年十一月七日「南京敵人罪行調査委員会」を設置し、中国人に南京における日本軍の犯罪を申告するように布告して、一九四六年一月二十日、東京裁判に提出した「南京地方検察処敵人罪行調査報告」には、以下のような記録が存在する。

「進んで自発的に殺人の罪行を申告する者、甚だ少なきのみならず、 委員を派遣して訪問せしむる際に於ても、 冬の蝉の如く口を噤みて語らざる者、或いは事実を否認するもの、或いは又自己の体面を憚りて告知せざる者、他所に転居して不在の者、 生死不明にして探索の方法なき者あり 。」


証人が集まらないどころか、否定する者さえいたとある。

結局、魯甦という人物の「目撃証言」ただ一件で被害を申告する市民は誰もいなかったのだ。

何万、何千の市民が殺害されたなら、このような事態はありえない。

したがって、市民の被害はなかったと容易に想像できる。


また最近では、「信者」が言い逃れできなくなって中国兵士の殺害を「虐殺」と強弁するようになったが、これも国際法学者から全否定されている。

「南京問題小委員会の総括

二〇〇七年三月の「南京問題小委員会」に講師として参加された青山学院大学名誉教授で国際法が 専門の佐藤和男博士は、『偕行南京戦史』に記載されている捕虜の処断を検証して、佐藤博士は、いずれも戦時国際法違反でないと断定し、現在、南京問題研究者が素人判断で捕虜の処断を「虐殺」とする研究に対して苦言を呈していた。」


>むしろ、「本当にそんなでたらめを教える先生が本当にいたのですか?」
>と聞きたい。

この人は、子供のころから「向上心」も「反省」もなかったようで、その結果、お毎日死にたいと思っているような「情けないバカ」ですから聞く耳をもたなくていいですよ。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q149832246...

>私も子どものころ、反省もしないし向上心もなかったですね~。
>もちろんぜんぜん焦りもしなかったし。あえていいますが、
>それでなにが悪いんですか?(笑)

勉強しなかったが何が悪いんだと開き直っていますね。

その結果が、これ↓

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1498322469

>まぁ、私もしょっちゅうですね。それでもなんとか生きてます。
>誰でもだいたいそんなものなのではないでしょうか?

情けないですねえ。

バカの末路です。

誰もって(笑)勉強も反省もしないバカのおまえだけだよ。


こんなアホな「大人」になってはいけません。


→を見ても明らかでしょう。

まあ、こちらの質問者が(本当に学生だったとして)、知恵袋のこのようなデマ回答を鵜呑みにするなら、それは自業自得だから別に構わないのですけど(笑)

例えば、太字にした箇所で見られるような反対意見の相手に対する(質問の本題とは関係のない)「人格攻撃」が野放しにされているあたりなども含めて

これがYahoo!知恵袋のベストアンサーなるもののクオリティなんでしょうね(笑)。

勿論、別な案件などで

そうでない優良な回答がベストアンサーに選ばれているのも事実ですけど

だからと言って、このようなデマや誹謗中傷に満ちた回答がベストアンサーとして公開され続けている知恵袋の現状がいいわけでもないでしょうし、そうした優良な回答も同じようなゴミと見られてしまうことにもなります。

知恵袋の運営は、なぜこのようなデマや誹謗中傷を楽しむ悪質投稿者を野放しにしているんでしょうね?

結局のところ、それは知恵袋の運営自身が自らのサイトを「悪質投稿者がデマや誹謗中傷を楽しむための場所」と位置付けていると言われても仕方ないことであるということは、あらためて指摘しておこうと思います。

さて、このxxx********氏によるベストアンサーは全文が突っ込みどころと言ってもいいくらい程度の低いものですけど、一つだけ指摘しておこうと思います。

国民党国際宣伝処の処長の曾虚白の自伝には

ティンパーリーと相談して

「我々は目下の国際宣伝においては中国人は絶対に顔をだすべきではなく、我々の抗戦の真相と政策を理解する国際友人を捜して我々の代弁者になってもらわねばならないと」

決定してティンパーリーとスマイスに日本軍の南京大虐殺の目撃記録の本を書いてもらい「宣伝目的を達成した」とある。


これについてはご存じの方も少なくないと思いますけど、例えば以下に見られる通り
かつて藤岡信勝氏が本多勝一氏を批判したつもりで大恥をかいた内容そのままです。

http://www.geocities.jp/yu77799/nankin/hondafujioka.html


掲示板の議論では、相手が「ティンパーリ」「ベイツ」ネタを出してきたら、「南京についてあまり詳しくない相手」と判断してよいでしょう。

 念のためですが、ティンパーリは当時南京にはおらず、「南京事件」の証言集『戦争とは何か』を編集しただけの人物であるに過ぎません。従って藤岡氏の言うような「目撃録」など書きようがありませんし、実際に書いていません。

 またちょっと考えればわかりますが、「発信者」が例え中国国民党に近い人物だったとしても、それだけで「発信した内容」をウソだと決めつけることはできません。さらに「ベイツ」については、本当に「国民党側」の人物であったかどうかも疑わしいものです。

 当時、南京には、十数名の外国人が残っていました。ベイツ、あるいは国民党と関係が深いフィッチが「デマ」を振りまいたとしたら、他の外国人たちが黙っていないでしょう。

 現実には、ベイツやフィッチ以外にも、ラーベ、ヴォートリン、スマイス、ミルズ、フォースター、ウィルソン、マギー、マッカラム、スチュワード、ソーンといった多数のメンバーが、それぞれの直接体験や見聞に基づき、 「南京における日本軍の暴虐」を語っています。藤岡氏は、彼らが口裏を合わせて「南京事件」をデッチ上げた、とでも主張したいのでしょうか?
※「ベイツ」云々については、拙記事「ベイツ=中華民国顧問説」で、詳細な解説を行っていますので、ここでは省きます。 これを書いたのは2004年のことでしたが、当時はまさか、この怪しげな説がここまでポピュラーなものになるとは思っていませんでした(^^;

※※さらに「ニューヨークタイムスのダーデイン記者、シカゴデイリーニュースのステイール記者などが、同じような書き出しの記事を書いたのは、自分の目撃情報ではなく他人のメモがネタ元だったからです」なる論に対しても、 私は「ベイツ文書と新聞記事」で詳細に解説を行っています(2005年)。 ダーディン、スティールが「ベイツレポート」のみを頼りに記事を書いたかのような書き方は、彼ら記者の熱心な取材活動を無視した暴論である,というのが私の結論です。

 参考までに、この問題に関しての井上久士氏のコメントを紹介します。


井上久士氏『南京大虐殺と中国国民党宣伝処』

  鈴木氏、北村氏などのかような言説は、要するに事実の確定よりもその「伝えられ方」を問題にするところに大きな特徴がある。「伝えられ方」の背後には、中国のおどろおどろしい情報工作、西洋人情報工作者の暗躍があり、お人好しの日本はとうとう「悪者に仕立てあげ」られたというわけである。北村氏などが、日本のかつての戦争犯罪を否定しようとする人々に、大いに受け入れられている理由もここにある。

 しかしこうした議論には致命的な弱点が存在する。第一に国民党の宣伝が存在したかしなかったかにかかわらず、南京で起こった事実は変わらないということであり、第二に南京大虐殺に関する国民党の宣伝工作が全く事実を曲げた謀略であったことを十分説得的に証明できていないということである。(P244-P245)

(『現代歴史学と南京事件』所収)


こちらでもゆうさんが指摘しているように、既にネットの「南京事件」関連の掲示板などでも

掲示板の議論では、相手が「ティンパーリ」「ベイツ」ネタを出してきたら、「南京についてあまり詳しくない相手」と判断してよいでしょう。


と見なされているのが実情です。

実際、そうした「南京事件」関連の掲示板などでは「否定派」の方々でも、もう少しはまともな議論をしているようにも思いますけど

Yahoo!知恵袋レベルでは、この程度のデマや誹謗中傷を楽しむ悪質投稿者の主張が十分通用してしまうんでしょうね。

いずれにしても、こんな悪質投稿者の知恵袋におけるベストアンサーを鵜呑みにするなら、もれなくバカになりますよ

というお話です。

しばらくブログの更新が出来ずにいましたが

2018-10-28 21:29:47 | ご挨拶
ここしばらくプライベートで大きな出来事があったり、スマホが故障したりでブログの更新もストップしていました。

が、どうやら来月辺りから再開出来そうな感じです。

さて、その間に悪質投稿者の皆さんかどんなデマや誹謗中傷を楽しんでいたのかと思いきや、皆さんのIDを確認してみると

どうやら10月中旬頃を境に知恵袋での発言がなくなっているようです。

https://chiebukuro.yahoo.co.jp/my/sk_shinee_in_heaven

https://chiebukuro.yahoo.co.jp/my/ejz5g

https://chiebukuro.yahoo.co.jp/my/jesselin34

まあ、単純に別IDに切り替えただけなのかもしれませんけど(笑)

こちらの三橋貴明氏批判

(主張①)は私が投稿したのです。

反論する人がいますので、再反論させてください。
(主張①)は三橋が著書ではっきり述べています。


三橋貴明著
「それでも日本経済が世界最強という真実」


〇そもそも政府は借金を返す必要がない。
〇日本銀行が国債を買い取れば借金はチャラになる。

「日本の政府はすぐに借金を帳消しにできる「奥の手」があります。
いざとなったらお札を刷って渡せばいい、ということです。
1万円札1枚の印刷コストは約19円ですが、日銀当座預金を使えばお札を刷る必要もありません。
口座の数字をチャチャといじるだけでいくらでも通貨が発行できてしまいます。」


三橋はこのように書いています。
私の主張がウソでないことがわかっていただけたでしょうか。

なおこのような三橋説はかなり浸透していて、知恵袋に出没する「打ち出の小槌論者」の主張とほぼ同じと言っていいでしょう。
彼らは、おそらく三橋説に影響されているものと思われます。

なお三橋説はあまりにも荒唐無稽で突っ込みどころ満載ですが、また機会があれば紹介したいですね。

も荒唐無稽で突っ込みどころ満載ですが、また機会があれば紹介したいですね


の続きを是非(笑)、拝見してみたかっただけに、ちょっと残念ではあります。

当の三橋貴明氏からのお返事はいただいておりませんが、どのようなご感想をお持ちなのかはうかがってみたいものではありますが

いずれにしても、所詮は無責任なデマを楽しむ悪質投稿者さんと呼ばれても仕方ないような人たちの「いいかけんな与太話」だったということなんでしょうね。

この方たちが知恵袋での発言を(少なくとも今までのIDでは)止めたということについて

私自身は、そんな感想を持ちました。

日中戦争はいつ、なぜ始まったのでしょうか?

2018-10-22 06:05:31 | 近現代史関連
まず「日中戦争」の定義をする必要がありそうです。

日中戦争については

満州事変からはじまる「15年戦争説」

盧溝橋事件を発端とする説
(通説)

第二次上海事変を開始点とする説
(少数説)

があります。

これは

そもそも日中の戦争は、どこからが出発点だったか?

日中戦争の直接のきっかけとなった事件は何か?

日中両国の政府が「全面武力衝突」となり、事実上の戦争に入ったのはいつか?

などについて、それぞれの論者に見解の相違があり、統一がなされていないためです。

ただし、「日中歴史共同研究」による日本側の研究者がまとめた「日本語論文」を読むと

日本語論文PDF
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/pdfs/rekishi_kk_j-2.pdf

>「 1937 年 7 月に勃発した日中間の衝突事件は、全面戦争に発展したにもかかわらず、双方とも 41年の太平洋戦争の開始まで宣戦布告を避けたという特徴がある。主な理由は、宣戦布告がアメリカ中立法の適用を受け、経済制裁と同様の効果をもたらす恐れがあったからである。さらに日本では、「戦争」への格上げは事態の早期収拾の妨げとなる、と判断された。日中紛争の長期化は、本来の敵と想定されたソ連や英米との対決に備えるためにも避けねばならなかった。こうして日本は、この戦争を当初「北支事変」と呼び、戦火が拡大した 37 年 9 月以降は「支那事変」と正式に呼称した。
もう一つの特徴は、全期間に及ぶ無数の和平工作が様々なルートで日本側から試みられたことである。それは早期収拾への期待と焦慮の反映でもあった。しかし、早期収拾への焦慮とは裏腹に戦闘は 8 年を越え、宣戦布告による戦争以上に熾烈なものとなり、両国国民に大きな負担と犠牲を強いることになった。


→明示はしていませんが、盧溝橋事件を発端とする説を採用している事がわかります。

ここに至ったのは、とにかく当時の我が国政府に、軍に対する統制力が欠如していたという事。

特に現場の軍人達が、政府どころか軍中央の命令にさえ従おうとせず、個人プレイによる独断専行を勝手気ままに行った事で、和平交渉が潰されていったというのが原因である、というべきでしょう。

満州事変はもとより

昭和天皇の反対さえ無視した熱河作戦しかり

現地軍の独断専行により「トラウトマン和平工作」を潰した南京攻略戦しかり

盧溝橋事件も、元はと言えば「銃声が聞こえた」というだけの小事件であり、停戦協議も成立、中国軍は盧溝橋城から撤退しているにもかかわらず、全面戦争のきっかけとなるまでに発展したのは「愉快なことが起ったね」などて言い放った「拡大派」の人々に責任があります。
http://www.geocities.jp/yu77799/rokoukyou/kakudai.html

ただし、第二次上海事変までは、確かに「全面戦争」を回避しようとする努力が日中双方からなされていました。

が、それを片っ端から潰していったのも、主として日本側の中央の意向を無視した人々です。
(公平を期して言うと、中国側にも事変の拡大を望む勢力は存在しました)

さて基本的な話として

中央政府の指示命令を元に動くはずの軍人が、勝手なスタンドプレーにはしるようでは、収拾がつかなくなるのは当たり前です。

では、どうすればよかったのか?

私は満州事変の時点で、首謀者である石原莞爾らを軍刑法により処刑し、比較的我が国にとっても有利な提案であったリットン調査団の報告を受け入れていれば、その後の悲劇は避けられたと思っています。

命令違反の軍人を法により処罰するのは当たり前。

その当たり前の事ができず、またその後「命令違反」など当たり前、と言わんばかりの風潮を作り出してしまった事が、日中戦争の悲劇につながったのだと思っています。

Yahoo!知恵袋で見かけたトンデモ議論(15) その2 情緒的なイメージより、現実をみましょう(笑)。 

2018-10-17 23:20:37 | 政治・社会問題
安倍首相は臨時閣議で来年10月に消費税を予定通り10%に引き上げる考えを改めて示したうえで、経済に影響を及ぼさないように対応することを指示しましたが、早速15日の株式市場が反応しました。
https://news.tbs.co.jp/sp/newseye/tbs_newseye3498065.htm


15日の東京株式市場では、取引開始直後からすべての銘柄の株が売られる展開となり、日経平均株価の下げ幅は一時、400円を超えました。
 市場関係者の間では、「消費税増税が改めて意識され、経済に与える悪影響への懸念から小売や自動車といった銘柄に売り注文が広がった」との分析も出ています。


今さらではありますけど、2014年4月の消費税率8%への増税により、日経平均株価は増税実施後の4月11日には1万3960円まで年初から14%(約2300円)も下がったことを思い出さずにはいられません。

そして不況が深刻化したことで安倍首相は「経済状況を見て総合的に判断する」と増税延期の検討を行うことを表明した途端に10月17日の1万4532円から11月14日には1万7490円までわずか1か月で20%(約3000円)もハネ上がったことも忘れてはいけないでしょう。
https://ironna.jp/article/8764


どうやら株式市場の関係者は「消費税増税」については、むしろネガティブなイメージを持っているようです。

そういえば、このようなことを言っている人がいるのを思い出しました
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10196143150

jes********氏の回答より

国が消費税を上げたいのは
国債の担保は政府の徴税能力ですから
消費税を上げる事で国債の暴落が防げる訳で
これは経済政策としてはマイナスですが
アクセルもブレーキも必要だと言うこと

机上論では国債暴落は無くとも
投資家の見る目は違う
これはIMFからも強く指摘されてるでしょう。


確かに投資家の見る目は(あなたとは)違ったみたいですね(笑)。

とうやら、投資家の皆さんは日本国政府の「消費税増税」など期待しておらず、むしろ、それが日本経済に与えるマイナスの影響の方を気にしていらっしゃるようですから。

情緒的なイメージで「こうであるべき」と考えていても

現実はその通りにはならないものなんです(笑)。

ノルドストリーム

2018-10-17 21:55:45 | 国際情勢
我が国と海を隔てて隣接するロシアは資源大国であり、石油、天然ガスなどの産出国であることはよく知られているところです。

では、そのロシアとパイプラインを通じて資源を輸入すればメリットは大きいのではないか?

ドイツをはじめとするヨーロッパ諸国はそう考え、ロシア側と手を組み、実際にパイプラインを建設しました。

それがノルドストリームです。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0


ノルド・ストリーム(のるど・すとりーむ Nord Stream)とは、バルト海底を経由してロシア・ドイツ間をつないだ天然ガスのパイプラインのことである。2005年、ウラジーミル・プーチン大統領がドイツを訪問した際に結ばれた協定をもとにして、海底部に74億ユーロ(約8000億円)、陸部に約60億ユーロ(約6500億円)、の総工費約134億ユーロ(約1兆4500億円)、の費用を投下して、2011年11月8日に稼働を開始した[1]。


近々、第二のパイプラインとなるノルドストリーム2も稼動が予定されています。


このパイプラインの建設についてアメリカのトランプ大統領は、この計画の主導的立場にあったドイツを名指しで
https://jp.sputniknews.com/politics/201807175128496/

米国が北大西洋条約機構(NATO)加盟国としてドイツを守る義務があり、ドイツより多くの防衛費を費やすなか、ドイツがロシア産天然ガスに数十億ドルを支払い、ガスのために新たなガスパイプライン(ノルド・ストリーム2)を敷設する計画であることは全く容認できない


と強く批判しましたが、ドイツのメルケル首相は、この批判を一蹴しました。

が、トランプ大統領はそこで引き下がることなく、更に2018年05月にドイツのメルケル首相に対し、ドイツ政府がガスパイプライン・プロジェクト「ノルド・ストリーム2」を支持し続ける場合、大西洋間の貿易戦争に発展すると警告しています。
https://jp.sputniknews.com/business/201805184891052/

政府関係者らの話によれば、今年4月のワシントンでの会談で、トランプ大統領がメルケル首相に、ドイツは「ノルド・ストリーム2」プロジェクトへの支持を断念すべきだと述べた。その見返りとして、米国は新たな貿易協定に関する交渉を欧州連合(EU)と開始するという。
仮に新貿易協定に関する問題が解決されない場合、EU諸国は6月1日から、鉄鋼とアルミニウムの輸入に対する米国による保護関税に直面する可能性がある。


我が国においては米中貿易戦争ばかりが注目されていますが、アメリカとドイツを主軸とするEU諸国との間もなかなかに緊張感が増しているのが実際のところ。

https://jp.reuters.com/article/global-economy-trade-idJPKCN1LM0JT

トランプ米大統領は先週、ドイツや欧州が、為替相場をユーロ安に操作して輸出や貿易を自国有利になるよう働きかけることで、米国企業に損害を与えている、と改めて攻撃した。

「ほぼ中国並みに悪い。ただ(中国より)小さいだけだ」と、トランプ氏はブルームバーグに語った。


実際には、対米や全体の貿易黒字額では、ドイツの黒字は中国よりも大きい。

もし、米国とドイツの溝が改められることなく拡大すれば、その反動で為替市場のボラティリティーが急上昇する事態が起きかねない。ボラティリティーは現在、史上最低に近い水準にあるが、それが急上昇するならば、世界金融市場の安定を脅かすことになりかねない。


トランプ大統領のいう「アメリカ・ファースト」は、中国のみならず、ロシア、更にはEU諸国をも刺激し、結果として、例えばドイツの中国の急速な接近にも結びついているように見えます。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56531


2016年、中国はドイツにとって最大の貿易相手国となった。以来、メルケル首相は公式の場で、「中国はドイツにとって一番大切な国」とはっきりと言う。

去年の交易額は、中→独が1000億ユーロ、独→中が860億ユーロ。ドイツのGDPの半分は輸出によるものだから、中国の存在は大きい。ドイツ車も、3台に1台は中国市場向けだ。ドイツ経済は、中国がくしゃみをしたら、風邪どころか肺炎になる。

だから、現在の米中貿易戦争も他人事ではなく、ドイツ人にとっては我が身に降りかかった災難に等しい。しかも彼らは元々トランプ大統領が大嫌いなので、あの大統領のおかげで中国の景気が冷え込むかもしれないと想像しただけで、頭に血がのぼる。

このトランプ憎しが後押しになったのか、今回の政府間協議はまさに独中スクラムの大展開となった。22の経済協力協定も調印された。


米中貿易戦争は、既に単純なアメリカと中国だけの争いではなくなっています。

ドイツ、更にはEU、そしてパイプラインにより結びつくロシアも、もはや当事者です。

アメリカ様が本気を出せば「中国なんぞは一捻り」などと一部ネトウヨは考えているようですけど

このままでは、ちょっとまずいことになるかもしれません。

とりあえず、近未来の予測としてハッキリ言えること

トランプ大統領がいかにメルケル首相を恫喝したところで、今さらドイツは「ノルド・ストリーム2」プロジェクトを断念することはないでしょう。

間違いなく「ノルド・ストリーム2」は完成し、稼働します。

さて、そうなったとき

我が国はアメリカについていけば百年安心といくでしょうか?