Shpfiveのgooブログ

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J氏の珍説、戦争責任総括論(「一事不再理」とはなにか) - Yahoo!知恵袋で見かけたトンデモ議論

2020-09-11 08:06:21 | Yahoo!知恵袋批判
あらためて言うまでもないことですけど「一事不再理」というのは法の一般原則の一つでもあり、他ならぬ「日本国憲法」第39条においても明文で禁止されていることであると認識しています。

第39条
何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない


それを前提とした上でのことですけど、先頃Yahoo!知恵袋でこのような「質問」が投稿されました。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11231049571


「戦争の総括と慰安婦問題」について


<時折思いますが日本は戦後、戦争犯罪人を自らの手で裁いていません。
本当の意味で戦争に対する総括が済んでいないのだと思います。
もし戦後早い時期に日本政府が軍部・行政・民間の慰安婦募集・移送・管理に
関わり違法性のあるものを裁判にかけ罪に問うていたら
その後の日韓関係はどんな展開になっていたでしょすうか >

↑ この投稿をしたところ、S氏から次のような反論が投稿されました。


{これはつまり平和条約締結後の主権回復にともない、
我が国の方で極東国際軍事裁判の判決結果を無視した独自の裁判を行い、
例えば昭和天皇の「有罪判決」でも下せばよかったということなのでしょうか?
まず「日本国憲法」にだって違反しますよ。
日本国憲法第39条 「何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない」 つまりjesse氏の主張は「日本国憲法」など無視して、
法的根拠のない「裁判」で恣意的に戦争犯罪人と認定したものを裁けと言っているのに等しい。 とりあえず「一事不再理」の大原則にも反します。
「一事不再理」は国際慣習法としても認められていると認識しています(笑) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ }


さて質問です。
Jesseこと私の主張の是非は別にして

①「一事不再理」の大原則に反しますか?

②「日本国憲法違反」うんぬんは正しいですか?


なお、このJ氏は以前から私自身の発言から都合のいい部分だけを切り取ってイメージ操作する傾向があるので、この人の引用元を明らかにしておきます。
http://blog.livedoor.jp/antmam/lite/archives/24425100/comments/699739/

平和条約締結後の主権回復にともない、我が国の方で極東国際軍事裁判の判決結果を無視した独自の裁判を行い、例えば昭和天皇の「有罪判決」でも下せばよかったということなのでしょうか?

それがどれだけバカバカしいことなのか、説明する必要があるとも思っていませんけど

とりあえず「一事不再理」の大原則にも反します。

「一事不再理」は国際慣習法としても認められていると認識していますが

とりあえず、まず「日本国憲法」にだって違反しますよ(笑)。

「日本国憲法」第39条

何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。

つまりJ氏の主張は「日本国憲法」など無視して、法的根拠のない「裁判」で恣意的に戦争犯罪人と認定したものを裁けと言っているのに等しい。


で、この「質問」のベストアンサー回答者の方との返信のやり取りを見て気づいたのですけど

どうやら、J氏はこの件について「刑法第5条」を「自説」の根拠の一つとして考えていたようです。

J氏の返信より

2020/9/10 14:30
おっ  こっちまで遠征 乙

① 一事不裁理

はい その通りなんですが
昔のロス疑惑の三浦和義氏は
日本で無罪判決のあとサイパンでアメリカ当局に拘束されました。
日本では殺人罪が無罪でアメリカでは監禁罪だったと記憶しています。

②違憲や否や?
違憲です


はい39条ですね。
仰る通りなんですが
憲法39条を解釈して作られたと思う刑法5条では
条文 外国において確定裁判を受けた者であっても、同一の行為について更に処罰することを妨げない。とあります。

東京裁判は国際裁判です。

また慰安婦問題は東京裁判でも審議されていますので

このあたり議論が発生すると思います、


また 東京裁判以前または
並行して日本人の手で弾劾裁判が行われたら
如何でしょうか?

それなら何か問題ありますか?


はい、勿論、問題大有りです(笑)。

そもそもJ氏は敗戦直後の我が国で連合国による裁判が始まる前に、我が国の方で自主的に軍法会議で裁こうという動きがあったことさえご存じないようですけど

『東京裁判を正しく読む』牛村圭、日暮吉延(文藝春秋)P24など

まあ、それはおきます。

さて、ここで指摘したいのは

憲法39条を解釈して作られたと思う刑法5条では
条文 外国において確定裁判を受けた者であっても、同一の行為について更に処罰することを妨げない。とあります。


この部分ですね。

確認したら、これはJ氏の「盟友」であるところの悪質投稿者eとの返信のやり取りでも出てきました。

2020/9/5 19:30
戦争責任を語ると
必ず出てくるのが「一時不再理」ですね。
もちろん刑事ドラマなどで殺人の容疑で無罪を勝ち取ると
同じ容疑で裁判出来ないのは分かりますが
三浦和義はサイパンで拘束されました
同じく一事不再理で審議されてのですが
当時話題になりましたよね。


2020/9/5 19:32
また刑法5条をどう考えるのかな?


いや 別にもう一度東京裁判をやり直せと言っているのでは
無いのですがね。
一事不再理が天下御免の印籠かと言えるのか
新たなる疑問は沸きますね。


率直に言いますけど「無知な素人の付け焼き刃」という以外の表現を思いつきませんでした。
(あっ「バカにつける薬はない」というのもあるか‥)

三浦和義氏の「いわゆるロス疑惑」について説明するのは面倒なので、概要についてはウィキを読んでいただければと思います。
(本論ではないので読み飛ばしてくれてもかまいません)
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B9%E7%96%91%E6%83%91


(一部抜粋)

米国での審理 編集
2008年2月22日に米国自治領である北マリアナ諸島サイパン島において三浦は、現地に出向いていたロサンゼルス市警察の警官に殺人容疑で逮捕された。これは、「ロス疑惑」の捜査が米国では未だ進行中(米国では時効制度は存在するが、殺人に関しては時効は存在しない。また、もともと米国から国外へ逃亡しているのと同様の状況であり、時効があったとしても停止している可能性があった)であり、それに基づいての身柄確保と思われた。

米国捜査当局は、ロサンゼルスへの移送を目指していたが、三浦側は日本の最高裁での無罪判決の確定を根拠として、「一事不再理」の原則を盾に米国捜査当局の身柄拘束を不当なものと見なし、ロサンゼルスへの身柄移送の中止と身柄の解放を訴えて、法廷で争った。9月26日に裁判所は殺人罪の逮捕状は日本で判決が確定した一事不再理にあたり無効とした上で、殺人の共謀罪については日本で裁かれていないとして有効とした。


三浦和義氏は米国裁判所の判断により「殺人罪の逮捕状は日本で判決が確定した一事不再理にあたり無効」とした上で、「殺人の共謀罪」については日本で裁かれていないとして有効とされたわけです。

なら、極東国際軍事裁判で裁かれていない案件(例えば「慰安婦問題」の国家関与など)を、極東国際軍事裁判とは別に、日本国内の「戦争責任追及法廷」で裁くことならできるんじゃないの?

こういう反論が来そうですけど、結論からいうと無理です。

その理由はいくつもあるんですけど、ここではあくまでもJ氏のいう「刑法第5条」

憲法39条を解釈して作られたと思う刑法5条では
条文 外国において確定裁判を受けた者であっても、同一の行為について更に処罰することを妨げない。とあります。


についてだけふれます。

まず刑法第5条を実際に見てみましょう。

(外国判決の効力)
第五条  外国において確定裁判を受けた者であっても、同一の行為について更に処罰することを妨げない。ただし、犯人が既に外国において言い渡された刑の全部又は一部の執行を受けたときは、刑の執行を減軽し、又は免除する。


これは「原則属地主義・一部属人主義、一部保護主義」に基づくものです。

なおアメリカは「属地主義」を採用しています。

簡単にいうと「主権国家の国内法」で判決の確定した人物は、別の主権国家においては必ずしも無罪とは限らないということ。

ただし、極東国際軍事裁判のような国際法を根拠とし、判決結果が関係諸国にも影響を及ぼすような場合には適用されないということです。

では

極東国際軍事裁判というのはどこで行われたのでしょうか?

そう日本国です。

日本国は極東国際軍事裁判の判決結果を認めていますが

そうサンフランシスコ平和条約第11条により認めています。

第11条

日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。これらの拘禁されている物を赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限は、各事件について刑を課した一又は二以上の政府の決定及び日本国の勧告に基く場合の外、行使することができない。極東国際軍事裁判所が刑を宣告した者については、この権限は、裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定及び日本国の勧告に基く場合の外、行使することができない。

ご覧の通り、刑の執行についてまで規定があります。

そして、少なくともアメリカなどサンフランシスコ平和条約の批准国、及び受益国などの関係諸国にも判決結果は影響を与えています。

その前提において

極東国際軍事裁判、及びBC級戦犯裁判などにおいて裁かれた戦争犯罪者に対する「新たな追及」が出来るとでも思っているんでしょうか?

「刑法第5条」

外国において確定裁判を受けた者であっても、同一の行為について更に処罰することを妨げない。ただし、犯人が既に外国において言い渡された刑の全部又は一部の執行を受けたときは、刑の執行を減軽し、又は免除する。

の適用の余地があると思っているんでしょうか?

ロス疑惑の場合には、一応は日本国内の「国内法による」判決結果は、別の主権国家であるアメリカを必ずしも拘束しない
(主権国家の国内法は、他の主権国家の国内法には適用されない)

に基づくものです。

極東国際軍事裁判の場合には国際裁判であり、その判決結果は平和条約により裁判の判決結果を受諾するものです。

その判決結果を無視して、日本国内で勝手な裁判を行い、極東国際軍事裁判で起訴されなかった関係者をあらためて起訴するなどということが出来るとでも思っているんでしょうか?

いや、個人がそう思うのは本人の勝手ですけど

そんなバカバカしい話を元に特定個人の批判などしてほしくないものです。

そんな与太話を鵜呑みにする人がいたらどうするんですか?


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