なあむ

やどかり和尚の考えたこと

三ちゃんのサンデーサンサンラジオ142

2018年01月14日 04時33分32秒 | サンサンラジオ
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三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ!

今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。

1月14日、日曜日。

正月行事がもう一つありました。
今晩小正月行事の「おさいど」です。
正式な言葉は「お柴灯」で、密教系の祈祷として行われたものが冬の行事となりました。
私の子どものころは、冬の一大行事でした。
寺の行事というよりも集落全体の行事で、午前中に子どもたちがそりを引いて一軒一軒家を周りわらを集めて歩きます。
午後になると、男たちが寺の裏の雪原に大勢集まって、5メートルもあるだろう巨大なわらの塔をつくります。
夕方、ほとんどの家のみんなが、手に手にお札やお守り、習字の紙など持って集まります。
子どもの多い時代で、それはそれは賑やかなものでした。
頃合いを見て読経が始まりわらに火をつけます。
お札お守りはわらの間に突き刺してあります。
火はたちまち燃え上がり、わらの塔が真っ赤な炎の塔となります。
習字の紙の端に火をつけて上昇気流で舞い上がり、高くまで上がると字が上手になるといういわれで、みんな必死で飛ばしていました。
この火にあたると風邪をひかないということで、腹や背中を向けて魚をあぶるように火にあたったものでした。
餅を持ってきて焼いて食べる者、キセルに火をつけて風邪薬のように飲む者もいました。
子どもたちははしゃぎまわり、若者たちはそれぞれほほを染めて異性と語り合ったり、お祭りのように出会いの場ともなっていました。

しだいに、子どもの数が減り、わらを集めることも人を集めることも大変になり、いつの間にかなくなってしまいました。
今は、隣組単位やそれぞれの家で小さくやっているようです。
下小路のおさいどは来週21日に行われます。
寺では、今晩寺だけのおさいどです。
16日の小正月の前晩行事として行ってきたものですから一般家庭では15日の夜なのですが、寺ではその前日ということで、14日の夜に行っています。
小さなわらの塔を建て、位牌やお札、戒名を書いた書き物など、お炊き上げ供養の意味もあります。
今年は雪が多いので、その場所をつくるだけでも大変ですが、天気もそれほど悪くないようですから静かに勤められそうです。
雪の中で火を見つめるのは、体が温まるだけでなく心の中にも火が灯るような気がします。
宗教心の火なのか、思い出の火なのか、何とも言えませんが、わびしさも含みながら心に何か残るのは確かなようです。


今週はここまで。また来週お立ち寄りください。

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