鑿壁偸光 漢字検定一級抔

since 2006.6.11(漢検1級受験日) by 白魚一寸

辣を肄う

2006年08月31日 | 音符が共通な漢字(参考書等を含む)

18-1に出た1級漢字を帳面に書いています。覦や莅むも、従前の要領で書きました。一つ一つ帳面にどう書くかを記事にしても仕方ないので、どんどん書いて、気付いたことを記事にしていきます。あおむし様も1級漢字を書き出していますので、うかうかしているとすぐ追い越されそうですから。

扨、書き取りは先ず、

対義語 善良―×悪剌  ○悪辣

間違った理由は、

1、 辣と剌は、音が同じで、二つの漢字の意味の区別が出来ていなかった(部首間違い病)。
2、 部首 辛が出てこなかったから(部首忘れ病)です。

1について

「辞典」に拠れば、

【悪辣】やり方があくどいこと。ひどく悪質でたちのわるいこと。

熟語の意味は大体理解していましたが、熟語を構成する個々の漢字の意味をきちんと押さえていませんでした。

【剌】には、勢いよく飛び跳ねるさまという意味があり、溌剌は憶えていましたので、悪が勢いよく飛び跳ねている=悪剌としてしまった訳です。

【辣】には、きびしい、はげしい、むごいという意味がありますから、悪辣は、悪くて厳しい(激しい、酷い)という意味でしょう。

2について

何故、辣の部首が辛なのか全然考えていませんでした。要するに辛いからですね。辣は、辛い辣油とか辣韮に使われます。辛いは、味覚だけではなくて、「採点が辛い」のように行動などが厳しいときにも使いますから、悪くて、辛い(=厳しい) 悪辣ということですね。

尚、辣の音符束は、剌の省文です(「字通」)から剌系列です。剌を音符に持つ漢字の見出し語をみると、辣だけは、辛辣とか辣腕とか見出し語が沢山ありますが、他の漢字の見出し語は一つか二つで、剌も見出し語は、(生気)溌剌一つだけです。

だったら、見出し語の少ない漢字の熟語を憶えて、乱暴ですが、後は全部辣だとしておけばいいのです。だから、辣の熟語としては、悪辣⇔善良とだけ書いて、その他の見出し語は、取り敢えず書きませんでした。見出し語を沢山書くと憶えるのが嫌になってしまいますから。


豈を音符とする漢字

2006年08月30日 | 音符が共通な漢字(参考書等を含む)
帳面に、18-1に出題された漢字等を書いていきます。問題は、遣りっ放しではなく、復習した方がいいと思います。そして、漫然と復習するのではなく、間違った問題から復習します。間違ったところについて、何故間違えたか、今後間違えないようにするにはどうしたらよいか検討することが肝要かと思います。

18-1で間違ったところは、既に書いてきましたが、今度は、読み問題から。

覬覦 ×がいゆ ○きゆ 

覬の音符 豈の読み間違いです。実は、私は、部首間違い病の前は、音符読み間違い病でした。準1級もそうですが、素直に音符を読むと間違うのが結構出ています。音符を共通にする漢字について、音読みを比較対照しておくことは大切だと思います。

「新漢字辞典」の豈部の漢字は、8つ。この内、榿は、配当外ですので、対象漢字は7つ。この内、磑は△(見出し語がなく、当面勉強しない漢字)なので、無視をすると、残りは6つ。

「新漢字辞典」の音読みと、「辞典」の音読みは合致していないので、6つの漢字の「辞典」の音読みと音読み見出し語を列挙してみます。青字は、準1級配当ですので帳面に書きませんが、それ以外は帳面に書きました。漢字の前の○は、見出し語の数です。括弧で括った音は、見出し語のない音です。

 ガイ、(キ)豈弟
皚 ガイ 皚皚
 ガイ、(カイ)、鎧袖一触
 ガイ、(カイ)、凱歌、凱旋、凱風
剴 ガイ 剴切
覬 キ 覬覦

音読みを見ると、豈には、ガイとキの音があり、多くはガイと読むが、覬は、キと読む、その他、カイと読む漢字があると憶えるのが本道ではあるのでしょう。

ただ、一つの漢字で、複数の音読みがある場合、両方を憶えると、読み問題のときに却って迷います。邪道とは思いますが、私は、見出し語のない音訓は原則として憶えないという方針をとりましたので、上記の括弧をした音は憶えないことにしました。括弧をした音は、帳面にも書きません。

そうすると、全ての漢字が、音読み一つで済みます。そして、覬(キ)だけが、唯一別の読みになり、後の漢字は、全部ガイでOKとなります。この方が憶えやすいと思います。

豈の音符で、キと読むのは、覬だけということになります。こういう仲間外れの読み方をする漢字は、漢検で出題される可能性が高いと思いますので、目立たせる意味で、帳面の音読み欄に、onlyと書くことにしました。(onlyは、音訓索引で、訓読み一つのときも使いました。) 目立たせることで、定着性が図れるのではと思うのですが、如何でしょうか。

仲間外れの読み方をする漢字は、試験前に、過去問で出題されていて気付いたものは拾っていたのですが、覬は、過去問に全く出ておらず、勉強していなかったため、拾えませんでした。

国字の見出し語数 等

2006年08月29日 | 三点セット1 漢検漢字辞典

(21.5.6 ×の漢字の数等について末尾に追加)

 国字は、帳面に書いてなかったので、見出し語数えるのを忘れていました。1級国字119字は、全て出題可能性がありますので、見出し語0~1個のものは、見出し語一つとして、計99字。

国字で、

見出し語二つは、15字
見出し語三つは、2字(繧、諚
見出し語四つは、2字(枡、鯱
見出し語五つは、1字(

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1級漢字2631字の分類は、暫定的ですが、以下のとおり。

見出し語のある漢字   2298字
 内 見出し語一つ     712字
 内 見出し語二つ以上 1586字

見出し語のない漢字    333字
 内 ×            146字
 内 △            181字
 内 ▲              6字
     (平成19年1月1日現在)

*その後、 「辞典」「四字熟語」の見出し語に使われている1級漢字を全部チェックし、過去問も全てチェックしましたので、×△の漢字としていたものについて、見出し語があることに気付いたものが結構あります。21.5.4の記事に書いたとおり、×の漢字は124字でした。△や▲の漢字数も違ってきます。

 また、見出し語の内、無視をしても合格可能な語句は、 「狭義の三点セット」から外しましたので、狭義の三点セットに含まれる見出し語の数を数えていった方が良さそうです。従って、----以下は全面的に書き換える必要がありますが、いつのことになりますやら・・。


見出し語一つの漢字をチェックする

2006年08月28日 | 三点セット1 漢検漢字辞典

(19.11.24若干訂正)

 「辞典」の見出し語一つの漢字もチェックしていましたので、序でに数えました。なお、過去問出題語は、原則として、見出し語と同等に扱うという観点から、例えば、瑩の見出し語は、瑩徹(えいてつ一つですが、瑩(あき)らかが18-1に出ていますので、見出し語二つと数えています。

また、見出し語一つの中には、既に述べた澎湃(ほうはいとか、髑髏(どくろとか、瘰癧(るいれきのように、両方見出し語一つの漢字で構成された熟語があります。だから、憶えるべき熟語は、更に少なくていい訳です。見出し語一つなら、勉強しようという気になります。

 尚、見出し語二語の漢字も結構ありそうですから、見出し語一語を帳面に書き終わったら、引き続き書いていきます。

見出し語一つの漢字の数は別記事に移しました。


見出し語の有無をチェックする

2006年08月27日 | 憶えるべきことを少なくする

(21.2.21 ×の漢字について追加)

1, 見出し語の有無のチェック

「辞典」または「四字熟語」に見出し語のない漢字は、原則として、学習しなくてもいいと考えていますので、帳面に親字を書きながら、見出し語の有無をチェックしました。チェックしたのは、主に

① 「辞典」の親字欄にある見出し語
② 「辞典」親字欄に下付き語があり、先頭の親字欄に見出し語のあるもの(例えば白堊

です。 これに対し、

③ 「辞典」の親字欄には、全く記載がないが、「辞典」のどこかに、当該漢字を使用した見出し語がある(例えば、daisaku様が指摘されている壑は、親字欄にも、下付き語を調べても見出し語はありませんが、丘壑巒壑、谿壑、渓壑の欲という見出し語があります)。→全部チェック済み(19.2.3追加)

④ 「辞典」には、見出し語がないが、四字熟語の見出し語には使われている漢字(例えば、鄒は、「辞典」には見出し語がないが、鄒魯遺風という四字熟語があります。)→これも全部チェックしました(20.6.21追加)

というのを探すには、「辞典」や「四字熟語」全部を渉猟しなければならず、これは大変です。謖は、見出し語のない漢字と思っていたのですが、昨日、【泣いて馬謖を斬る】という見出し語を見つけました。こうやって見つかると、勉強する漢字が増えるから、此畜生と思うので、多少、定着性に資するかもわかりません。


2, 見出し語のない漢字の分類

見出し語のない漢字を、次のように分類して、帳面の親字の頭に記号をつけました。また、「辞典」の1級親字欄にも印しています。

× 親字の意味欄に熟語が全くない、しかも、親字の下に訓もない漢字。従って、出題可能性は極めて低い(×の漢字)。 →と書いたのですが、20-3にが出題されましたので、×の漢字の音熟語の学習を初めています。

親字の意味欄に熟語がある、または、親字の下に訓がある漢字(▲を除く)。見出し語のある漢字に比べれば、出題可能性は低く、当面、勉強しない。出題可能性はあるが、出題されても、読み問題で僅かであり、書き取りで出る可能性は極めて低い。見出し語のある漢字を優先的に勉強し、余力があれば勉強する漢字 ( △の漢字)

▲ 親字の意味欄に熟語がある、または、親字の下に訓がある(△と同じ)。そして、実際に過去問で出題された漢字(18-1の例だと撕、莅(▲の漢字)

▲ については、18-1以外は、「辞典」に書き込んだものだけしか今のところわかりません。今後、過去問を、帳面に書き込みながら、調べていきたいと思っています。 ▲ は、例外的に勉強した方がいいと思います。

見出し語のある漢字、無い漢字の数、×△▲の数は、別項に移しました。


やっと、親字を書いた

2006年08月26日 | 帳面作りと学習用具

(18.11.18訂正 艫を脱漏していました。1級配当漢字は、1字増えました。)

帳面を作り出してから、1ヶ月もかかってしまいました。6冊で、少し余りました。見直ししていたら、24字も抜かしていたので、6冊目の末尾に追加しましたが、もしかしたら、まだ脱漏があるかもしれません。9字分だけ、余白があります。この帳面は、1頁7字、1冊60頁なので、

(7×60)×6-9=2511字書きました

1級国字(120字)は、書かなかったので、これを足すと、1級配当漢字は、2631字です。「辞典」で、異体字や旧字体が統合されたので、約三千字から少し減りました。準1級までの2965字(「征服」3頁)と合わせると、5596字です。

勉強していて言うのも何ですが、今回、全部書いてみて熟熟思うのは、1級漢字の物凄い量です。2631字を新たに勉強するなんて大変すぎます。

「征服」(6頁)には、「漢検「一級」に挑戦するのは、自分の漢字力、つまり国語(日本語)の世界を充実することなのであり、より文化的に向上する生活を目指した生涯学習の一階梯である。」とあります。私も全く同意見です。

協会が、真に、如上の意義を自覚されているのであれば、一度に2631字を勉強させるなんて、漢字オタクにしか遣れないような試験にせず、せめて、1000字ずつに階梯を分け、新1級、準初段を新設して、現在の1級を初段にするのがいいように思います。

まあ、愚痴を言っても仕方がありません。1級合格のためには、憶えるべきことを少なくすることが要諦であるとの思いを強くしました。


配当外の漢字は出題されない

2006年08月24日 | 憶えるべきことを少なくする

(21.4.25 表題変更など)

 1級の出題範囲は、漢検HPによると、「常用漢字を含めて、約6000字の漢字 (JIS第二水準を目安とする)」とあるだけです。

 採点基準には、「1級・準1級の解答は、『漢字必携一級』(財団法人日本漢字能力検定協会発行)に示す「標準字体」「許容字体」および「旧字体一覧表」による。」とあります。

 「必携」には、資料一乃至三として、出題の対象となるとして、常用・準一級・一級の音訓表が載っています。従って、この音訓表に載っている漢字が出題範囲です。過去問でも、この出題範囲は厳格に守られ、音訓表以外の漢字は出ていないと思います。「征服」も殆どが過去問ですから、同様でしょう。

 ところが、それ以外の問題集には、配当外の漢字が散見されます。「合格ノート」に結構あることは、ささきしげき様がご指摘の通りです。

 むろん、漢字は、6000字だけではないのですから、それ以上の漢字を勉強することは有意義なことです。でも、配当漢字を憶えるまでは、配当外の漢字は無視しないとやってられません。私は、配当外の漢字を見つける度に、1外 と書いて無視することにしました。

 「辞典」の見出し語にも、寸をげて尺を信ぶ、鐃の下線部、は、1外です。見出し語の上に×をしました。

 魴の見出し語は、 =竹麦魚しかないので、魴も出題可能性は低いでしょう。

 また、親字の下付き語を探していますと、咿唔(唔も勉強しない漢字にする)、兕觥、耒耜、、蚍蝣の先頭の漢字は、1外です。屹度、探せば未だあるでしょう。

 重箱の隅の話になってしまいましたが、私は、1級の学習は、1級配当漢字とお友達になることだと思っています。未だ、読み書きは十全には出来ませんが、お友達か否か(配当漢字か否か)は、なんとなく分かるようになってきました。


別表記を調べるー訓読みの場合

2006年08月20日 | 帳面作りと学習用具
 ささきしげき様が、準1級に関してですが、同じ読みの漢字をまとめて覚えることを提唱されています。そのため、私は、準1級のときから、同訓異字を、「必携」の欄外に、纏めて書き出していました。

1級でも、「必携」に載っている訓全てについて、書き出しましたが、訓によっては大変な数になります。例えば、「おおきい」は、「辞典」の索引では、7個(旧字体を除く)ですが、「必携」の訓を全部書き出すと、39個になります。だから、「必携」の訓全ては到底憶えられない、「辞典」の見出し語に絞ろうと考えました。 帳面には、同訓異字について、次のように書いていきます。

まず、別表記として、熟字訓の記載があるものについては、見出し語や簡単な表記のもの、例えば、鯊 はぜ=沙魚・蝦虎魚と帳面に書きます。セットにした方が、憶え易いと思うからです。

そして、訓読みについては、別表記の有無に拘わらず、「辞典」の音訓索引を参照します。

1, 索引で、訓読み一つの場合

訓のところにonlyと書きます。腓のところで述べたように、訓読み一つの漢字は、出題の可能性が高いと思いますので、それを目立たせるためです。音訓索引の、例えば、こむらも□で囲んで、チェックしたことが分かるようにします。

2, 索引で、訓読み二つの場合 見出し語の意味を調べて、

(1) 同義語の場合 鰊 にしん=鯡と書きます。同訓異字が2字以上の場合は、音訓索引の、にしんは、楕円で囲みます。

(2) 異義語の場合 鯊 はぜ≠櫨と書きます。

(3) 類義語(大体同じ意味のようだが、少し違う)場合
例えば、さえずるは、囀と哢があり、「辞典」には、

【囀る】 ①小鳥がさかんに鳴き続ける。 ②やかましくしゃべる。
【哢る】 鳥が、玉をころがすように美しく鳴く。

とあり、少し意味が違うような気がしますので、哢 さえずる≒囀と書きます。

ただ、勧学院の雀は蒙求をサエズは、「辞典」では、囀になっていますが、10-3の標準解答では、囀でも哢でも正解です。漢検は、微妙な意味の違いを問うことはないでしょうから、大体同じ意味であれば、同義語と見做していいのでしょう。

3, 索引で、訓読み3つ以上の場合

 これを、一つ一つ、見出し語の有無や意味を調べていると、日が暮れますし、そんなことをやっていても定着しないと思いますので、取り敢えず、個数だけ書きます。例えば、18-1で間違った莅の訓 のぞむは、索引に漢字が5個ありますので、索5 とだけ書いておきます。 そして、のぞむという訓の漢字を勉強した時に、なるべく音訓索引を見るようにします。

その後、気が向いた時にチェックして、歛は、見出し語がないから、勉強しない漢字として、索引欄に△を付けて、索4と訂正します。莅は、見出し語にないが過去問に出ているので、▲を付け、見出し語があるのと同等扱いにします。のぞむは、「辞典」の同訓異義に載っていますので、これもいずれ見ることにします。

面倒くさいことを書いてしまいましたが、訓読みは、同訓異字を何度も確認するようにしないと、なかなか憶えられないのが実感です。

別表記も書く-音読み熟語の場合

2006年08月15日 | 帳面作りと学習用具
 見出し語一つの音読み熟語の別表記も、熟字訓と同じく、帳面に書きます。

それは、先ず、熟字訓と同じく、他に簡単な表記があれば、難しい漢字は書けなくてもいいと思うからです。例えば、臙脂=燕脂ですので、燕脂が書ければ、臙脂は書けなくてもいい。臙の見出し語は、臙脂一つですから、臙は、書けなくてもいい漢字だと思います。

また、音読み熟語については、昭和31年の国語審議会報告「同音の漢字による書き換え」が、【書き換え】として明記されています。この書き換えは、準1級では、得点源でしたが、18-1から出題されなくなりました。つまらない国語政策をしたものですが、1級のためには、災い転じて福となります。書き換えは1級においては、出題はされませんが、書き換え語の常用漢字で書けばいいのですから、書き換え前の1級漢字は書けなくてもいいからです。例えば、伎倆→技量ですから、倆は書けなくてもいい漢字です。

それと、別表記と関連づけることで、複数の音読みがある漢字の読みに有効な場合があります。例えば、澎も湃も、見出し語は澎湃だけであり、澎湃=滂湃(ホウハイ)です。一方、滂には、ホウ、ボウ二つの読みがあり、滂沱は、ボウダと読みます。滂湃=澎湃と関連づけておくことで、読み誤りを防ぐことができると思います。

なお、滂のような見出し語二つの漢字も結構ありそうですので、見出し語一つを書き終わったら、次は、見出し語二つを書こうと考えています。

別表記を書くと混乱する例

2006年08月13日 | 帳面作りと学習用具
 別表記も書くのが原則ですが、以下はその例外です。

蜒の見出し語は、蜻蜒一つです。「辞典」の蜒の【意味】欄に「蜻蜒 セイテイ(とんぼ)」とあります。親字蜻のところには、【蜻蛉蜻蜒とんぼとありますが、【参考】欄に、蜻蛉は、セイレイ・かげろうとも読み、蜻蜒は、セイテイ・やんまとも読むとあり、それぞれ、別の見出し語があります。また、【蜻蛉かげろう蜉蝣とあります。蜉蝣は、音読みでフユウとも読みます。

ややこしいので漢字表記で纏めますと、

蜻蜒 セイテイ とんぼ やんま
蜻蛉 セイレイ とんぼ かげろう
蜉蝣 フユウ かげろう

となります。読みの方で纏めると、

とんぼ 蜻蜒蜻蛉
かげろう 蜻蛉蜉蝣蜉蝣
やんま 蜻蜒

また、熟語の意味欄を引用すると、

蜻蛉かげろう ①カゲロウ目の昆虫の総称=蜉蝣 ②トンボの古名
蜻蛉蜻蜒とんぼ トンボ目の昆虫の総称
蜻蜒やんま ①大型のトンボの総称 ②トンボの別称

とあります。要するに、かげろうやんまには二義があり、かげろうとんぼやんまとも言える訳です。

しかし、これはややこしいですし、かげろうとんぼやんまは、普通別物のイメージです。かげろうは、確か北杜夫の文章に、薄馬鹿下郎という表記で出てきたように思うのですが、弱々しいイメージです。

これに対してやんまは強い。とんぼも、豆娘などは、手で取れますが、鬼やんまや銀やんまは、高いところを飛んで、しかも敏捷で、捕虫網でもなかなかとれない。私は、運動音痴だったから、自分はなかなかとれなくて、友達がやんま捕ったのを、羨ましがった記憶があります。確か、噛まれるとめっちゃ痛かったんじゃなかったかなあ。

とんぼは、上記意味の通り、かげろうとは、別の目で、やんまも含む総称というのが一般的でしょう。

そうすると、三つは別物と捉えた方が分かりやすいですから、これは、別表記を書かずに、一対一対応で、

かげろう 蜉蝣
とんぼ    蜻蛉
やんま    蜻蜒

と憶えるのがいいと思います。読みの問題でも、万一書き取りで出ても、答えは一つでいいのですから。

別表記も少しなら書くー熟字訓の場合

2006年08月12日 | 帳面作りと学習用具

帳面は、6冊目、裲まで来ました。途中から、見出し語一つかどうかをチェックして、その見出し語等を書き込んでいますので、ペースは益々落ちました。

「辞典」の見出し熟語欄には、【表記】欄等に別表記があります。これをまた調べて、見出し語であれば、帳面に書くことにしました。読みに関しても、書き取りに関しても有益だと思うからです。先ず、熟字訓について、先般の記事に貼った帳面の例で説明しますと、

鼴鼠=もぐら というのは私は憶えにくい。これに対して、土竜=もぐら は以前から知っていたからだと思うけど、憶え易い。そうすると、鼴鼠=土竜=もぐら と憶えた方が、憶え易いと思う訳です。

それと、もぐらは、書き取りでは多分出ないとは思いますが、万一出ても、土竜が書ければ、鼴鼠は書けなくて構いません。つまり、鼴は、唯一の見出し語である鼴鼠が読めればよく、書ける必要はない漢字ということになります。簡単な別表記を憶えておくことで、憶えるべきことを少なくすることが出来ます。なお、書けなくてもいい漢字の印として、漢字の上に、K(書き取りの意)を×しています。

なお、別表記も難しい場合は、上記の説明は該当しませんが、知識を広げるという点では、有益でしょう。ただ、過去問に出ていない熟字訓は無視してもいいかもしれません。

また、ほととぎすのように、別表記が一杯あるものは、帳面のスペースがなくなりますので書きません。「辞典」巻末の熟字訓・当て字索引を参照するのがいいのではと思います。私は、熟字訓でも、同訓異字でも、3つ以上あるものは、「必携」や「辞典」の欄外に書き出していましたので、それを参照しようと思っています。

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1箇月ぶりに問題を解いて見ました。手を付けてなかったH6-1の過去問。旧字体と国名の当て字はパスして、正答率88,6%。あおむし様が目標としている95%には届きませんでした。それと、熟字訓が8割を割ってしまいました。やっぱり、熟字訓はなかなか憶えられません。角鴟(みみずく)、虎耳草(ゆきのした)、山梔子(くちなし)、牽牛花(あさがおを間違えました。


音符を押さえる

2006年08月10日 | 音符が共通な漢字(参考書等を含む)

(20.5.25「漢字音符辞典」のことを追加)

 帳面に、漢字の音符も書きます。これは、以前から、「必携」に書き込んでいましたので、転記します。

 私は、1級で一番大変なのは、音符が同じで、部首が違う漢字が沢山あることだと思います。そして、音符が同じなのに、音が違ったりします。また、書き取りでは、音符は分かっても部首を間違えてしまう(部首間違い病)ことは、今まで何度も書いてきたとおりです。だから、これを間違えないようにすることは、勉強法の基本かと思います。

 そのため、勉強の手始めに、音符毎に漢字を纏めた帳面を作りました。同じ音符字が纏めてある「大字典」(旧版を古本屋で2千円で買いました)と、「辞典」「必携」を対照して、音符毎に常用・準1級・1級の漢字を並べました。帳面約3冊、182頁。当時は、「必携」の音訓を全部書いて、憶えようという意気込みでした。でも、これを作っただけでは、点数は上がらないことは既に述べた通りです。音符毎に漢字を纏めることは大切なことだと思いますが、自分で遣るのは労多くして益少なしでした。

 その後、「辞典」に載っていない音訓は憶えないことにし、括弧で括りました。

 また、音符別帳面を作った後で、ネットに、便利な「新漢字辞典」があることを知りました。漢検の配当漢字と完全には一致していませんが、かなり使えるんじゃないかなあと思います。 BOOKMARKしてあります。また、書籍では、 「漢字音符辞典」が「辞典」完全準拠で極めて有益です。

 燕の音符字は、燕、臙、嚥、讌の4つです。いずれも音は、エンですからこれは楽です。讌は、「過去問情報」に依れば出題歴はありません。見出し語は見つけていないので、今のところ、憶えなくてもいい漢字です。臙脂は臙、嚥下は嚥と憶えれば、間違えないように思うんだけど、でも、すぐ忘れてしまうんですよね。


見出し語一つもチェックする

2006年08月07日 | 三点セット1 漢検漢字辞典

(19.11.24 修正 なお、本記事は、憶えるべきことを少なくして、合格点に達するとの観点からは現在も有効です。ただ、19-2では、見出し語以外の読み書きが結構出題されており、高得点を狙うためには、見出し語以外の学習も必要です。)

 「辞典」を捲って、見出し語の有無をチェックしていますと、見出し語一つの漢字が結構あります18-1で間違えた臙脂の臙などです。見出し語一つの漢字は、音、訓、熟字訓のいずれか一つだけで使用されるということです。

見出し語(過去問出題語も含む)一つの漢字は、その見出し語だけを憶えればいいと考えています。また、漢字だけを憶えるよりも、熟語で憶えた方が定着します。例えば、臙は、臙脂の臙、臙脂でしか使わないと憶える訳です。

それと、18-1では、書き取りは見出し語からしか出ていません。従って、例えば臙は、臙脂以外の書き取りでは出ないということです。こうやって憶えておくと、臙脂以外の、えんを含む熟語の書き取りが出題されても、臙ではないと判断できます。部首間違い病克服のためには、きちんと漢字を憶えることが一番ですが、迷ったときに、迷う漢字の数を少なくした方が正解に達する可能性が高いでしょう。

 見出し語のないものには、親字の上に、△や×を付けていますが、見出し語一つのものには、①を付けることにしました。そして、見出し語一つであれば、書くのも楽ですから、帳面に書いていこうと思います。また、その見出し語が、音か訓を使用しているのであれば、それも書いていこうと思います。

 見出し語一つが音読み熟語の場合は、臙のように訓の記載がない場合もありますし、記載があっても訓を憶える必要はないと考えています(但し、熟語の意味を理解した方がいいとは思うので、訓義を理解することは必要です)。同様に、見出し語一つが訓読みの場合は、音を憶える必要はないでしょう。

更に、見出し語一つが、熟字訓の場合は、音も、訓も、敢えて憶える必要はないと思います。ただ、熟字訓の場合、例えば蛞蝓は、カツユとも憶えたほうが、読みでも書き取りでも、正解に達しやすいような気がしています。


やはり過去問は侮れない

2006年08月06日 | 18-1(第40回)

(21.3.4 若干訂正)

 18-1について、「辞典」「四字熟語」の見出し語だけでは太刀打出来ない問題は、読みでは、

提撕、巉巌、莅む、瑩らか、踏鞴

書き取りでは

緋、闃

の計7問(9点)です。この内、提撕・踏鞴は、15-1Y、莅むは、12-3Y、闃は17-1Kにも出題されており(5点)、再度の出題です。

私は、今まで、

1, 最近の問題は、「辞典」の見出し語から殆ど出ている。
2, 見出し語だけを全部マスターすれば、高得点が取れる。

3, 全部はともかく、ある程度見出し語をすれば、合格点が取れる。
4, 従って、過去問のうち、見出し語にないものは出来なくてもいい。

と考えてきました。 確かに上記2の域にまで達すれば、上記4のとおりなのですが、実際問題として、見出し語全部をマスターすることは極めて困難です。従って、上記3の方法が実際的です。

 しかし、上記3の点について、どこまで見出し語をやれば合格水準に達するのか今のところはっきりしません。今後帳面を作りながら考えて行こうと思ってはいます。

 私もそうでしたが、多くの受験生は、問題集や過去問をしながら、「辞典」の見出し語を勉強しているのだと思います。問題集や過去問を一切せずに、「辞典」だけを勉強する人はあまりいないと思いますし、問題を解いて、正誤を確認しないと記憶は定着しないでしょうから、「辞典」だけで勉強してもあまり意味があるとは思えません。

 しかも過去問に一旦出たものは、見出し語ではなくても、再度出題される可能性があることは、18-1からも明らかです。従って、見出し語が全部マスター出来ておらず、知識量が合格水準に達しているかどうか不明の段階で、見出し語以外の過去問を無視するのは、得策でもなく勿体ないことです。

 そうすると、過去問に出た熟語(但し、他の見出し語から読みが推知できるものは除く)・訓読みは、見出し語でなくても、見出し語と同等に扱って勉強をしていく方がいいと思います。

 但し、14-2まで出題されていた「辞典」の訓に記載のない訓読み(例えば、以前に書いた 韞める など)については、14-3以降は出題されていないので、無視をしていいでしょう。

「憶えるべきことを少なくする」とは、反対のことを書いてしまいましたが、合格水準の知識量に達するまでは、憶えることを増やすしかありません。

 帳面は5冊目、飆まで来ました。相変わらず見出し語の有無をチェックしています。「辞典」のところどころに、過去問で出たことも記載してありますので、過去問に出たものは、見出し語がないものでも、特別にチェックすることにしました。全部書き終わったら、見出し語のある漢字、見出し語のない漢字、見出し語はないが過去問に出た漢字を数えてみようと思っています。ただ、過去問チェックはあまりしていませんので、いい加減なものではあります。


中国の国名・地名等は故事諺・四字熟語に使用されているものだけ学習する

2006年08月05日 | 憶えるべきことを少なくする

(21.4.9 20-3までチェックして修正) 

 14-3から、外国の国名・地名の当て字は出題されなくなりましたので、「見出し語」にあっても無視をしています。では、当て字ではありませんが、漢字の本家本元、中国の国名・地名等は、出題されているでしょうか?

 14-2以前は少し出題されていたようですが、問題傾向が変わった14-3から20-3までの出題例は、故事・諺と四字熟語の書き取りで、

かしょ(華胥の国に遊ぶ 15-1 16-3
いんかん(殷鑑遠からず 14-3
とくろう(得隴)望蜀 18-2

の3例だけだと思います。従って、故事・諺、四字熟語に使われている中国の国名・地名以外は出ないのではないかと思います。「征服」122頁5の邯鄲の夢は、故事・諺ですから、今後も出る可能性があるでしょう。尤も、邯鄲は、中国の地名ではありますが、有名な能の演目ですから、日本文化そのものでしょう。

外国の国名・地名を出題しないにも拘わらず、中国の国名・地名だけ出題することは、国際的なバランスを欠きますので、あり得ないような気がします。漢字は、中国文化そのものですから、中国だけを特別扱いにしても一向に差し支えないと思いますが、文部科学省の後援を受けていた団体は、こういうことも配慮するのではないでしょうか。

また、何年間かの過去問をやってみての感想ですが、漢検は、ある特定の専門分野の者があまりに有利にならないような出題をしているような気がします。1級の出典には、中国の古典が多く使われますから、中文・東洋史専攻の方が有利なのは否めないところです。ただ、中国の国名である趙、民族名の韃靼、人名の妲己などが出題されると、益々、中文・東洋史系が有利になりますから、こういうのは出ないと考えています。

1級漢字を書きながら、見出し語の有無をチェックしていますが、上記のような中国関係の固有名詞は、見出し語があっても無視をして、単なる熟語が載っているのと同じ扱いにしようと思います。