鑿壁偸光 漢字検定一級抔

since 2006.6.11(漢検1級受験日) by 白魚一寸

読み抔で間違ったところ

2008年04月17日 | 19-3(第45回)

20.6.21肄業が「本試験型」に載っていたので追加

Ⅰ 音読み

(七)肄業 ×しぎょう ○いぎょう

 「辞典」に、熟語は載っていますが、音読み見出し語はないので、肄の音読みは無視していました。でも、習肄は、同訓で構成される熟語ですから、高得点狙いのためには、例外的に憶えておいたほうがいいのでしょう。

 尚、肄業は、「本試験型」第10回の(一)20番に載っています。以前、 「本試験型」の問題について、見出し語のない音読みは無視をすると書きました。併し、「辞典」に載っている音訓については、見出し語のないものでも「本試験型」から時々出題されるため、高得点狙いの場合は、無視をするのは得策ではないのでしょう。

Ⅱ訓読み

(一) 分与して纔かにった  ×のこ ○あま

 問題文からはどちらでも良さそうで、こういうのをよく間違えます。見出し語にはありませんが、「辞典」には、贏余・余贏という、同訓で構成される熟語が載っていますので、これを憶えておこうと思います。

 今回、読みはなんとかなりました。問題はあまり解かなかったけど、「辞典」と「四字熟語」は、毎日のように読んでいましたのでそれが良かったのかな。尤も、偶々読める漢字が多く出ただけかもしれません。

Ⅲ熟字訓

(五) 白地 ×さら ○あからさま

 白は10級、地は9級です。こういう簡単な漢字で構成される熟字訓は要注意のような気がします。昔、小火(ぼや10-1K 15-3Yが出題されたことがあります。

 甘蕉 ×さとうきび ○バナナ

 さとうきび(甘蔗)か、さつまいも(甘藷)かで迷っていましたから何ともなりません。「問題と解説」23頁に載っていますが、まだ解いていませんでした。なお、甘から始まる熟字訓は、他にもいくつかありますね。

 熟字訓は限がありません。最近、更新急な、daisaku様の熟字訓のブログ(現在は、植物)を時々拝見しております。写真は綺麗なのですが、読みは一向に浮かんできません。

Ⅳ 四字熟語の意味

故郷を懐かしく思う情け。 ×ろうちょう(籠鳥)檻猿 ○蓴羹ろかい(鱸膾)

 漢字の意味だけからではわからないようなものがよく出ます。大体なんとかなるのですが、時々ふっと訳がわからなくなります。籠鳥檻猿は、自由を奪われ自分の思い通りに生きることが出来ない境遇という意味です。しかし、自由を束縛されたからといって、故郷を懐うとは限りませんね。異性とか佳肴とか、想うものは色々でしょうね。


書き取りで間違った問題

2008年04月12日 | 19-3(第45回)

(20.9.15  20-1のこと追加)

2ヶ月以上も空いてしまいました。徐に再開します。

 19-3は、今店頭に並んでいる20年度過去問集に載っている問題ですので、これから解かれる方はネタバレご注意。

19-2と同様に分類します。

1, 部首間違い病  3問 6点

(二)演奏家をしょうへいする。 ×招騁  ○招聘

 招聘は、9-3K 14-2Kでも出題されていますが、私は、何度も間違います。因みに、騁は、馳騁(ちてい)10-3Y 16-1Yが出題されており、ヘイとは読みません。

(四)長い間治らない病気 しゅくあ ×宿'何 ○宿痾

 阜偏をどうして人偏にしてしまったのだろう。

(八) 狡猾≒ろうかい ×老膾 ○老獪

 老獪も、14-3K、17-1Kで出題されており、正答率は高かったように思います。老いた膾(なます)では、ずる賢くはない。

2,チェックはしてあったが、定着していない 7問 14点

(二) 大根にが入っている。 ×松/須 ○

 鬆は、8-3Yで読みが出題され、書き取り問題に転化したもの。 また、すの訓読みはいくつかありますが、鬆は意味がonlyな1級漢字。両方の意味で出題の可能性があったものです。

(四) 官職などをとりあげること ちだつ ×虒奪 ○褫奪

 褫奪13-1Y 17-1Yも読み問題から書き取りに転化しました。こんな難しい殆ど使わないような熟語は、書き取りでは出ないだろうと高を括っていましたが、甘かったです。音符だけきちんと書けたから良しとしましょうか。衣服を褫(うば)うから、衣偏なのですね。

(五) さんし渉河 ×山豕 ○三豕

 よく出題される、文字の誤りという意味の四字熟語。以前、記事にしたのですが、故事を理解していないと書けませんね。三匹の豕(いのこ)と憶えておきましょう。

(五)金声ぎょくしん ×玉簪  ○玉振

 19-1の断章取義(5級)、19-2の斗折蛇行(2級) に引き続き、常用漢字だけで構成される四字熟語です。今回は4級です。すると、20-1は、7-3を最後に出題されていない3級配当でしょうか。と書きましたが、20-1は、全て1級からの出題でした。

(九)五寸の鍵かいこうを制す  ×開閘 ○開闔

出典 「淮南子 主術訓」21

  開闔は、「辞典」の見出し語にありますが、この故事は全く知りませんでしたので、想到できませんでした。開闔は、開けると闔(と)じるという、対義の漢字で構成される熟語ですから、訓読みを憶えるにも便利な熟語で、「辞典」の見出し語の上には、⇔を付けています。鍵から、カイが開であることまではわかりましたが、コウから闔は浮かびませんでした。

 (追加)「本試験型」第5回の読み問題に略同じ故事諺が載っています。過去問の読み問題を書き取り問題として解くことは、人口に膾炙された学習法ですが、 「本試験型」の読み問題も書き取り問題として解くことも必要なのかもしれません。

 また、「四字熟語」に天門開闔がありました。四字熟語を、上下に分けて二文字熟語を書けるようにすることも必要なのでしょう。どちらも結構大変ですね。

(九) しもく大なれど視ること鼠に若かず  ×眥目 ○鴟目

出典 「淮南子 氾論訓」23 

 「四字熟語」の見出し語に鴟目虎吻があり、SIMO様のブログの問題にもあります。 解いたのですが、思い出せませんでした。鼠と比較されるのが鴟(ふくろう)の目とはとても思いつきません。

(十) 次第に木曽のすいびに近づけるは・・ ×翠美 ○翠微

(出典 田山花袋「秋の岐蘇路」(「艸枕・旅すがた」所収 近代デジタルライブラリーにあります)

 これは、ぱっと翠微と書きました。 「辞典」の準1級の親字欄は途中までしか読んでいませんが、翠までは目を通していました。翠微は見出し語にありますので微かに憶えていたようです。でも、倩考えると、何故、微なのだろう、木曽は翠深いところだから、微かは変だなあ、美の方が相応しいと思って書き直しました。直感は過たない、過つのは判断ですね。

3、 学習していない  1問 2点

(二) 敵方にかんを通じていた嫌疑がある。 ×奸  ○

 これは全くわかりませんでした。「辞典」の見出し語に通款があります。19-2で、不堪が出題されましたので、常用漢字の親字欄の音読み見出し語に目を通していますが、通までは辿り着いていませんでした。

 後日 がくぶんの過去問集第1巻を見ていたら、第2回の誤字訂正問題に

政界の大立者と関を通じている 正解は、×関→○款

というのがありました。でも、「辞典」の款の親字欄に、こういう使い方は載っていなかったので無視していました。

なお、この3月に解いたのですが、第4回にも、

敵とかん(款)を通じている。

という書き取り問題が出題されています。がくぶんの過去問から、漢検にも出題されそうですので、ぼつぼつ問題集を解いています。