鑿壁偸光 漢字検定一級抔

since 2006.6.11(漢検1級受験日) by 白魚一寸

漢検漢和辞典の瑕瑾(3)

2006年07月31日 | 三点セット1 漢検漢字辞典

(20.11.8 若干修正)

 1級の勉強には直接は関係ないと思いますが、他の漢和辞典と比較して、「辞典」には次のような問題点もあると思っています。

5,微妙な同訓異義語の説明が不十分

和語としては同じ言葉だけど、微妙な意味の違いがあり、それを漢字で使い分けるというのは、素晴らしい文化だと感じています。「辞典」は、同訓異義語について裏表紙に索引があって、ところどころに纏められています。しかし、一部の漢字の説明しかなく、また区別がよく分からない説明が多いと思います。同訓意義については、「新字源」の巻末の説明の方が優れているのではないでしょうか(例えば、たすけるを比較してみて下さい、)。

ただ、例えば、たすけるは、助けるが常用漢字の訓として広く用いられるのですから、他のたすけるは、読める必要はあるが、書き取り問題では出ないと思っていますので、1級には関係ないことです。漢検1級は、精妙な日本文化の知識や教養を問う試験では決してありません。

6 熟語の用例が不十分

熟語は、具体的な文脈の中で使用されるものであり、熟語の意味や使われ方を正確に理解するには、本当は、古今の文学作品などでどのように使われたかを知る必要があると思っています。普通の漢和辞典には、出典が明示してある場合が結構あります。しかし、「辞典」の用例には、出典の記載は殆どありません。例えば、18-1の白皙についても、「長身白皙」とあるだけです。これでは、白皙がどのような文脈で使われるか全くわかりません。でも、こんなことも1級には関係のないことです。

7 採録基準がよくわからない。

抑も、1級配当漢字の採字基準もよくわかりませんが、それは措くとしても、「辞典」の親字には今まで見つけたところでは、1級配当でない漢字が三つ(袁、崗、)含まれています。何故、この三つだけが親字に含まれているのか全くわかりません。ただ、どの漢和辞典でも採録基準なんてよくわかりませんので、瑕瑾という程のことではありませんね。

最後は、どうでもいいことまで書いてしまいました。今後も「辞典」中心の勉強法を考えていこうと思っていますが、「辞典」は決して完璧な辞書ではありません。1級合格のためには、「辞典」は有益ですが、漢字の豊かな世界を知るには、寧ろ他の辞書の方が良いと思っています。



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