五月である。麗しき薫風が吹き抜くてゆく。朝、朝刊を抱えて車に乗り込み、小さなストーブで湯を沸かし簡易ドリップ式のコーヒーを入れて、ゆっくりと味わう。
家は南側に寝室、座敷があるけれど、茶の間には太陽の恩恵がほとんどないのである。で、休みともなると車でのマイライフが始まるわけである。
助手席を倒しフルフラットにしてある。
肘置き場にしているコールマンのシュラフを取り出せば、たちまちに眠ることも
スタンバイであることだ。
今日のお供は池波さんの「ル・パスタン」文春文庫だ。
そして足元には、図書館で借りてきた二度めの黒川博行の゛疫病神゛シリーズの
二作目「けら」が待っている。
……虫編に棲、虫編に古書く「けら」が
このスマホでは変換できませんでした。
いまだ淡い夕空である。米原と長浜の中間の神田パーキングで仕入れた、故郷の「白えびのポテトチップス」もそろそろ終わりである。だが、家へ還るのはもう少し延ばそうかな。テレビなんぞ見る気にもならぬ。
スマホの実況中継で、刻々一喜一憂した
ホークスの大勝に、今しばらくは、その余韻に浸っていたいのである。