湖の子守唄

琵琶湖・湖北での生活、四季おりおりの
風景の移り変わり、旅先でのふれ逢いなど、
つれづれなるままに、語りたい。

醒ヶ井の早春

2016年03月30日 | 詩歌・歳時記
中仙道・醒ヶ井の宿場町を歩いてみた。平日というのにけっこうな観光客が三々五々歩いている。

何でだろうと、不思議に思う私が一番知っている。この街道の雰囲気、
歴史の重み、そして、湧水の清らかさ、、、、。

この地は母の故郷である。私と父は富山の魚津の生まれである。
そして魚津もまた美しく旨い水の都であることだ。
水の流れる音を聴くことが、ことのほか好きである。眼をつむり聴いていると、それこそ母の胎内に帰っていくような安らぎを感じるのだ。

けれどボクは枯れてしまったのか?
美しい湧水とつぼみの桜と並木道を
歩きながら、「言葉」が湧いてこないのである。5.7.5さえ来てはくれなかった。死ぬ準備をしなくてはいけ
ませんね。俳句をつぶやくことさえ、できなくなったら、生きている意味がございませんのさ。      





最期の本を手に入れた❗

2016年03月18日 | 詩歌・歳時記

近江町の図書館から、予約していた黒川博行の「後妻業」をようやくかり出して、堪能はしたけれど、それを読み終えてしまったなら、あとは、新刊書のなかで一冊しかない。
それは先日、亡くなられた白川道の「病くら葉」シリーズの最終巻「そして奔流へ」である。
去年単行本が上梓されたのであるが、いつまで待っても文庫本がでないんですよ。
でね、DOCOMOのDブックというサイトへ入って、検索してみたところ、あるではございませんか?

600数十円でしょうか? ドコモポイントで購入いたしました。
たちまちのうちに、僕のスマホに一冊の小説がインストールされまして、夢中で読んでおります。

ただ、紙の文庫本と違ってあと、なんページか? という危機感がわからないんですね。
やはり、小説は紙で読まなければ、インクの匂いも紙の指ざわりも、それがもうひとつの楽しみとも言えますけれど、便利になったものではございます。

年上のひと

2016年03月04日 | 詩歌・歳時記
"花のほほえみ  西郷輝彦" を YouTube で見る

22歳だつた。初恋から7年たって、初めて愛という切なさ、
そして自分の命という、限界に思い至ったうたである。

西郷さんの歌のなかで、トップワンは「十七才のこの胸に」
ではあるが、次の歌は圧倒的にB面の曲が多い。
「赤い花」「白いヨットの思い出」「純情の丘」などなどである。
それはつまりは、当時の作家たちの西郷さんへの限りない可能性への挑戦の賜物であったといえそうだ。

その思いが結実したのが、「花の微笑み」であろうか。

見っけ🎵ふきのとう

2016年03月03日 | 詩歌・歳時記
母まねて揚げる天ぷらふきのとう


亡き母は毎年日記を書いており、「今年は蕗の薹が遅いネ。」とか、
去年は何日だったよと、的確に指示してくれたものだ。
   ふきのとう摘むや亡き母寄り   そいぬ

それにしても、フキノトウのうす緑色はまったくの別格である。
野山に見つけるあの蕗の薹の、緑色には「春の」-期待!喜びこそが秘め
られている。

母が存命のころは、山路にかかると、車をゆっくりと走らせて、車窓から母がふきのとうを、見つけるのである。まるで、幼い少女のような声をあげて、いそいそとふきのとうを摘む、母のその姿を私は永遠に忘れないであろう。



早春の香りを運び、蕗の薹が芽生えましたね。辛い冬が終わりを告げ、
いよいよ、春です。
あと幾度桜のはなを愛でることができましょうか?
永遠の謎でしょうか?