湖の子守唄

琵琶湖・湖北での生活、四季おりおりの
風景の移り変わり、旅先でのふれ逢いなど、
つれづれなるままに、語りたい。

青き狼よ、今いずこ!

2016年10月27日 | 詩歌・歳時記
今はむかしのことながら、20歳になったばかりのこと。勇躍上京し、ある短歌結社の歌会にでた時のこと。数日たって女流歌人の敬愛する先生からこう言われた。
  
「あんたのことを若い女性たちが、“怖い”と言っていたわよ!」と。
その時にはまったく意味が解らなかったけれども、それから4、5年を経てすべてがよく理解できるようになったものだ。
  君おもひ
  渚にひろふ貝ひとつ
  逢へるあてなき秋のかたみぞ
女の子たちはほんの趣味の範囲で、たしなみとしての短歌会のお勉強であったのだ。それに引き換え、当時のボクは命ギリギリの場所で、野心に燃えたぎり、作詞家の修行・歌人としての鍛練に目をぎらつかせ、飢えた狼のごとく、発言する人の言葉を、魂全体で吸収するべく肩を怒らせて捉えようとしていたのである。
ちょいと可愛い、貧しい青年ではあったのだ。
  
  秋ふかむ湖のほとりに
  独りいて
  つぶやくごとく歌は生まるる
けれども、かっての青い狼も今は老いて・・・黄ばんだ牙と目やにのたまった瞳のままに、秋の野をうろうろとさ迷うばかりである。

さて! 最期の素敵な遠吠えを、いかに叫ぼうか? その野心はいまだ健在である。
  

優雅になったもんだぜ、日本人🐬

2016年10月18日 | 詩歌・歳時記
秋がおかしい。スカッと抜けたような青空を見ることもない。寒くなったり……妙に暑かったり、この世の終わりの象徴としては、まだまだ緩すぎる現象ではあるけれども、北のワカメちゃん頭の饅頭デブの狂ったおつむに、いつミサイル発射の指先が押されるか? わかったものじゃぁござんせん! そんな今年の秋の深まりではございます。

けれども東京では今、豊洲への市場の移転問題でてんわやんわではあるが、ナニッ♪基準値以上の有害物質が計られたってか? そんなことは東京のどんな土地でもアタリマエのことなのだ。
わずか70年前ほどに焼け野原になった東京なのである。いまだに何千何万の不発の焼夷弾が、どこかに埋まっているのだ♪それは誰にも解らぬ首都・東京なのである。

そんな荒野から、ボクらの先輩たちは立ち上がり、苦難・苦闘の末に今の世の繁栄をもたらしてくださったのである。
水銀がナンだ! 汚染水がナンだ!
そんなものは東京はおろか、この日本の国土じゅうに蔓延しているのである。団塊の世代といわれたボクたちは、少年時代「衛生」なんて概念はこれっぽちもなく、生きてきたのである。 
野原の遊びで転んで怪我をしたら、血のにじむ足に土をぬりこんだものである。それで破傷風で死ぬならやむを得ぬ、という覚悟が当時の大人たちにはあった時代であった。

「盛り土」がなくったって、地下に空間があったって、どうでもよいことさ。所詮の話がさぁー、市場に送られてくる魚自体が、そもそも汚染されている訳けなんだよね。

電車のつり革をハンカチで包んで握る、バカ女がいるとか? 世も末えですたい。
「猿の惑星」のラストシーンの、あの崩れた自由の女神が、目の当たりに見える、昨今のこの国ではある。



柳行李の想い出🌹

2016年10月17日 | 詩歌・歳時記
夜風が家のどこかを不気味に鳴らす。眠れずにふと起き上がると、古新聞がずいぶんとたまっているのに気がついた。
  母のいぬこの世甲斐なし秋の星
エイヤッ🎵っとベッドから立ち上がり、古新聞、折り込みチラシをそれぞれ麻紐で括りながら、ふっと🌿はるかな昔のいち情景が、流れゆくうろこ雲の隙間からもれくる淡いひかりの如くに、ボクの胸によみがえったのだ。

  ひと言も発せぬ骨や曼珠沙華
ボクは小学校を5回変わっている。つまり、子供の頃はしょっちゅう引っ越しをしていたのである。
そのたびに両親が荷を納めた「柳行李」にロープを掛けていた場面を、懐かしくも切なくも思い出したのである。いつだったかNHKの「ガッテン」の番組だったか? 古紙を紐で括る秘訣を特集していたが……。

むかしの人は鼻っから「ガッテン承知のすけ」だったことである。
でもねぇー! お若いおひとには柳行李なんて見たこともなけりゃぁー、想像もつきますまい。
  母恋ひの秋の句ひとつ午前二時
「古い奴だとお思いでしょうが……」
何よりもボクが、鶴田浩二先輩よ、解っているのでございます。

涙の至芸🍒由利徹

2016年10月04日 | 詩歌・歳時記
プロ野球の公式戦が終わり、わがホークスは2位という屈辱のなかで今期を終えた。ファイナル・ステージとか可笑しなシステムなんぞ、なんの関心もない寂しい秋である。

もはやテレビではニュースか、鬼平しか観るべきものはないのである。で、秘蔵のビデオテープを再見した夜である。ボクは今現在は関西に住まいしてはいるが、感覚、味覚、その他🌿完璧に関東人である。
けれど、漫才の「やすし・きよし」の大ファンであるのが、自分でも不可思議でもある。

何巻かのやすきよのビデオテープの中に、5分にも満たない「由利徹」のこれぞ!芸だというシーンが残されている。
テレビ画面を観ながらも、ついつい右側を見てしまう。4年前には由利の至芸に笑いころげた、今は亡き母が座っていた場所でありまする。

母は長年にわたって裁縫の内職でボクたちを育ててくださったのである。針に糸を通す仕草、髪の毛の油ぶんを針に含める仕草、すべての所作が若き日々の母の姿に重なるのである。今夜は笑うどころではなかった。1年分の涙を流したことである。永遠に母を恋するボクである。

今夜は母の愛した「高峰」さんを聴きながら眠りましょう。あと何年分の涙を流すことでしょうか?

 秋雨や耳をすまして母恋し

「ダービー・インパクト」後日談

2016年10月02日 | 詩歌・歳時記
毎日1度はオンにする。実に良くできたゲームであり、まことに競馬ファンのスケベ心を嫌というほど、
くすぐってくれちゃうスグレものだな? だけれどもこの世界もお金次第なんだね。

結局は「血統」イコール「課金」次第であることだ。SS級なんていう種牡馬と繁殖牝馬をわが牧場に迎え入れるのに、何千円かはたまた何万円かの課金が必要なのである。

そんなバカをボクはしないで、楽しんでいる。だけど、たまにはプレゼントがあって、AA級なんていう牝馬を極小牧場にもらえた時には、種牡馬の選定に心をくだき、新馬戦、2戦目と勝ち上がる馬を持てることもあるのである。が、悲しいかな、「疲労が大きい」などというコメントが無情にもアップしてね、ハチミツを食わせろだの、ニンジンをやれだの、それには「課金」がかかるって訳さ。

でも🐴ユウスイで「秋華賞」、🐴ゲキリュウで「宝塚記念」🐴サスライで「有馬記念」とG1を3勝できましたのさ。まぁー、無料で遊んでいる分にはヤッターってなもんでしょうね。「ダービー」を、制覇するためには何十万円かかるのか?
みなさま、ほどほどにね!