忘己利他

書道をやっています。大切な仲間に恵まれ、ふれあい、共に楽しむために・・・

魯迅のことば

2023-03-13 14:08:54 | 書展
3月半ばだというのに、4月5月の暖かさ。
桜の開花が目の前に迫っています。



今月6日に終了した
「第63回 現日春季書展」の出品作。

魯迅のことば
「墨で書かれた虚言は、血で書かれた事実を隠すことはできない。」

「墨の黒」と「血の赤」の強烈なコントラストに惹かれ、この言葉を選びました。

この言葉から連想されること。。。

今もなお続くウクライナの侵攻、
争い、殺戮といった現代社会では信じられないことが数多く起こり、
被災者を思うと心が痛みます。

私の身近でも
虚言、偏見、差別、いじめ、ハラスメントなど
負の側面が横行し、それを打破しようと心血を注いでいます。


正義はいずこにあるのか?
神は本当にいるのか?


寒梅

2023-03-09 10:55:29 | 書展
2月に開催された神奈川代表書家展(ゴールデン文具主催)に出品させていただいた作品です。
このところ慌ただしく、今頃の紹介になってしまいました。



寒梅「真理は寒梅のごとし 敢えて風雪を侵して開く」
(真理似寒梅敢侵風雪開)

京都の同志社大学の創始者 新島襄の言葉です。
新島襄は敬虔なクリスチャンで
大学創設当時キリスト教に対して風当たりが強く、
厳しい社会情勢の中、キリスト教の真理を信じ、
志を貫いたという新島の精神を表しています。
同志社大学の礼拝堂の横にこれを刻された石碑があるそうです。


世の中、生きている上において、
自分が逆風の中にあると感じることは多く、
信念を貫くことは本当に難しいと感じます。

しかし、周りに流されることは、後悔が残ります。

この「寒梅」に勇気をもらい、今は戦うことを選びます。

それが良い方向へ向かっていくと信じているから。

清水比庵の展覧会

2022-11-22 20:26:29 | 書展
「今 良寛」と言われた清水比庵の展覧会を拝見してきました。
比庵のお孫さんが横浜市栄区の庄戸に住んでいらっしゃることから、今回近くでの開催ということで、是非にと伺いました。
比庵の作品を伝える「比庵佳境の会」のHPより展覧会のお知らせをコピーします。
明日はお天気が悪いようですが、お時間がありましたら、お出かけください。

◆比庵展のお知らせ
令和4年11月22日と23日の二日間、横浜市栄区庄戸にて比庵佳境の会主催 比庵展を開催いたします。皆様是非お越しください。
日時:令和4年11月
   22日(火)13:00~17:00
   23日(水)10:00~17:00
場所:横浜市栄区庄戸4-14-2
   庄戸会館
●東京、横浜方面より電車でお越しの方は、JR港南台駅より以下のバスをご利用ください。
・港南台駅バス2番乗り場発 [港55]庄戸循環港南台駅行 → バス停「庄戸」にて下車後、会場まで徒歩約2分
●横須賀方面より電車でお越しの方は、京急線 金沢八景駅より以下のバスをご利用ください。
・金沢八景駅バス3A番乗り場発 [金24]上郷ネオポリス行 → バス停「庄戸」にて下車後、会場まで徒歩約2分

本日、展示の中から、私のお気に入りの作品です。













第30回書展 グループ墨花 作品⑦

2022-09-05 07:41:06 | 書展


「現世Ⅱ」


お付き合いいただきました、グループ墨花の作品紹介は、
今回で終了です。

8月の始めに開催した現日書展で出品した「現世」と同様のテーマで、
サイズを変えて書いてみました。
その時に説明をしたのですが、
ご覧いただかなかった方のためにもう一度。

可読性を考えずに般若心経を書きました。
般若心経というのは、
読む人、唱える人の心の在りようによって、
解釈が様々です。
この作品を見ていただく方が、
どんな現世を感じてくださるでしようか?


戦争で傷つく人がいて、感染症に苦しめられ、
地球環境の悪化で災害に遭う人々、
身近でも様々な争いごとが起こり、偏見や差別がある。
心が暗くなる出来事がたくさんある世の中ですが・・・。
暗い中にある所々白いところに眼を向けてください。
そこから明るい希望を感じていただけたら、嬉しいです。

第30回書展 グループ墨花 作品⑥

2022-09-03 12:04:53 | 書展

「伝 橘逸勢筆 三十帖冊子」


第30回書展 グループ墨花の作品紹介に
お付き合いいただき、有難うございます。
今回7点を出品し、本日は6番目の作品です。

グループ墨花は、例年出品作の中に一点臨書を入れるというルールがあります。
私たちが書道を学ぶ上で、最も基盤となっているのが臨書であり、
その礎の上に創作作品があると考えるからです。

今回私の臨書は、「伝 橘逸勢筆 三十帖冊子」です。
もともと三十帖冊子は、空海の作品として知られています。
空海が遣唐使として唐に渡った時、日本へ持ち帰りたいと経文を写していたが、
帰国が間近になると時間的に押し迫り、周りのお坊さんを集めて書写させた経典といわれています。
ですから、膨大な量のため全てを空海が書いたわけではなく、
同じ遣唐使として同行していた橘逸勢も空海を助けてこの一部を書いたのであろうと、
昭和になって比田井天来先生が判断したそうです。

三筆の一人の橘逸勢は、「伊都内親王願文」が有名な代表作ですが、
これも橘逸勢か定かではありません。
書体が違うので一概には言えませんが、
その強い筆力とおおらかさ、躍動感は似ているところがあります。

冒頭は小さめな文字で丁寧に書いていますが、


後半部分になるとだんだん大きくなってスケールの大きい豪快な書風へと変わっていきます。
調子よく楽しんで書いていたのでしょう。


比田井天来先生は「豪放不羈」な書であると評していますが、
果たして私にそれが臨書できたでしようか?