センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

大脳の働き!

2007-03-20 08:25:43 | 感覚
大脳は大きく分けて、「前頭葉」「頭頂葉」「側頭葉」「後頭葉」に分かれています。
大脳皮質には運動野、体性感覚野、視覚野、聴覚野、嗅覚野、味覚野、言語野など、機能の諸中枢が特定の部分に分布しています。 
前頭葉の働きは、ヒトが人として活動や行動するための重要な脳部である。
他の生き物とヒトの脳の違いは、この前頭葉の発達や大きさにも関係している。
前頭葉は、五感からの情報の統合判断、意思、思考、創造性、決定など、また、言語中枢は(ブローカ)と呼ばれる脳部があり、我慢中枢や脳の疲れなどもコントロールしているのである。
ヒトが人として重要な脳部である。
私のお袋のようにクモ膜出血の後遺症から前頭葉が萎縮し、働かない状態になると、私や孫の顔も理解できない。言葉も話せない、勿論、人が話していることすら理解も出来ないのである。
頭頂葉は、体性感覚野という、人の触覚に関わっている。また、手足の運動性に関わっている。
よく体で覚えるという運動性記憶は「小脳」が関わっている。だから、自転車に子供の頃に乗れて、何十年ぶりかに自転車に乗ってもすぐに乗れるのはこの小脳の運動性記憶のお陰である。
また、無意識の運動なども関係している。家の鍵を掛けるなどがそうである。
私が以前からスポーツスタックスが頭頂葉と小脳を刺激し、身体能力を向上させると提言しているのは、頭頂葉の体性感覚野を鍛錬、刺激する効果がある提唱している。
子供達では、反射神経、手先の器用さ、俊敏さ、冷静さなどを養うことが可能であり、高齢者の方々には、認知症予防、手足の麻痺のリハビリにも効果が有ることが、アメリカなどの研究施設で解明されている。
側頭葉の働きは、聴覚、嗅覚、味覚、言語中枢などが関わっている。
運動性言語中枢(ウエルニッケ)が関わっている。
前頭葉の言語中枢は(ブローカ)と呼ばれている。
これらの脳部の一部でも壊死すると言葉の流暢性の欠如や言語障害などに疾患することになるのです。
また、聴覚や嗅覚、味覚などに関わっており、前頭葉との連携によって、外的情報(五感)を認識し、理解出来るのである。
後頭葉は、主に視覚認知に関わっている。人の視覚(眼)はレンズ的な役割があり、映し出された像は逆さまに写って居るのだが、その像を後頭葉で修正し、前頭葉でその像の色、形、素材までも理解出来るのである。
だから、私達人は眼でモノを見ているのでなく、脳が見ているのである。
人の視覚情報は、先ほどのように眼はレンズですから像が逆さまに写るのですが、その像が脳に送られるのはバラバラ情報であり、視神経の束によって電気刺激を後頭葉に送り、また、右目の情報は後頭葉の左側で認知します。逆に左目の情報は後頭葉の右側で認知します。丁度目の奥の当たりに「視交叉」という場所で視神経の束がクロスしているのです。
スライドの図参照。
また、人の視覚は顔のところに二つ並んでおり、鳥のように顔の左右に離れていない。これは、モノの場所までの距離を立体視し、距離を測っているのである。
野鳥などの多くは後ろからの外敵から身を守るために視野を広げる必要性から適応したのである。
野鳥の視野は首を回さず280度以上を見渡す事が出来るが、モノまでの距離や立体視の能力には欠けている。
人の視覚視野は首を回さず、眼だけ動かすと170度ですが、高齢者になると120度程度まで低下するのです。
聴覚も耳が遠くなったと言われるのも脳細胞の死滅に関係していますが、聴覚は、特に高い周波数の音が聞きずらく成るのです。
年代別、聴覚範囲は10代では20Hz~20.000Hz、40代では20Hz~14.000Hz、
60代では20Hz~10.000Hzと10代の半分の聴覚範囲と狭くなり、高周波の音に対して反応が鈍くなって行くのです。
このように大脳が大きく発達した我々人間は、進化の過程で脳の巨大化を得ることが出来たのです。
人が猿から枝分かれした人類は、二本脚で歩き、遠くを見渡すことが必要であり、同時に二本脚で歩くことで、二本の手が自由に使えることが可能に成ったのです。
これらの進化の過程で脳も巨大化し、前頭葉などの発達に繋がったのです。
また、男性と女性では脳の働きや脳細胞などにも差が生じている。
これらは進化の過程の中で、広い草原を獲物を求め歩かなければならないので、男性は視覚に優れ、自分の居場所が理解出来ないと塒に帰る事が出来ない、そのため「空間認知」に優れている。
女性は子供を産み育てる役割から家庭を守るという重要な役割があった。隣同士の家族とのコミュニケーションをしなければならない。そのことで言語能力が発達し、コミュニケーション能力にも優れているのである。
また、男性が狩ってきた獲物を料理しなければ成らないので、獲物が腐ったりして食べられないなどを確認するため、嗅覚が男性より、優れているのである。
これらは脳の進化の過程でもあり、同時に人の進化の課程でもある。
このように大脳の発達は人類にとって重要な課題でもあった。
現在、脳の鍛錬や訓練が大切で重要だと脳トレなるゲーム機まで開発されている。決して大脳が活性化され、脳全体の働きが良くなるとは思えないのである。
やらないよりはやった方が良い程度だと私は考えている。
それよりも、五感からの情報をバランス良く脳に送り、大脳を刺激、活性化させることで脳の衰えを緩やかにすることが出来るのです。
人の脳の特徴に20歳を過ぎた頃から毎日10万という数のニューロン(脳細胞)が死滅して行くが、人の脳は五感からの刺激を脳に送り続けていれば、死滅した脳細胞を代替えさせる働きが有るのです。この働きこそ「可塑性」という働きをさせることが衰えた脳を詠みが得させるのである。現に、高齢者になっても記憶力は低下しないことが最近の脳研究で解明されている。
高齢者になると特に人の脳内では「概念」という思考が働き、面倒だ、難しい、私には出来ないなどと否定的な思考になる。また、人との関わりやコミュニケーションの低下も実は脳の低下を加速させるのである。
中年以降になったら、積極的に人との関わりやコミュニケーションを持ち、好奇心を持ち、難しい本でも良いし、好きな事柄など夢中になる物を探し、積極的に色々な活動や手伝いでも良いし、快感や達成感などの心地よい感覚を得る事で、人の脳はニューロネットワークを広げて行くのです。
死滅した脳細胞を代替えするのがつまり、五感からの刺激情報をバランス良く、視覚優位から他の感覚を総動員して感じる感覚こそ、脳の刺激に繋がるのです。
これらの良い刺激が大脳を活性化、活発化させることで「何時までも若々しい脳を維持出来る」のです。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、




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