5月31日に火星が地球に最接近します。最接近時の火星と地球の間の距離は7,528万キロメートルです。火星は地球のひとつ外側にある惑星で、約780日(約2年2カ月)の周期で地球への接近(会合)を繰り返しています。地球の軌道はかなり円に近い形をしていますが、火星の軌道は少しつぶれた楕円形をしています。また、会合周期がちょうど2年ではなく2年2カ月であるため、火星と地球が接近する位置は毎回ずれ、距離も大きく変わります(最も近い位置での接近と最も遠い位置での接近では、距離が2倍ほど違います)。 今回の最接近距離まで近づくのは、2005年11月20日以来です。2018年には5,759万キロメートルまで大接近します。
火星の接近というと最接近の日ばかりが話題になりますが、最接近前後の数週間は、地球と火星の距離はあまり変わりません。火星の直径は地球の半分程度と小さく、遠い時は表面のようすがよく観察できませんが、地球との最接近を迎えるころは火星が大きく見えるため、観察の好機となります。この機会に、ぜひ火星を望遠鏡で観察してみてください。望遠鏡をお持ちでない方は、天文施設にお出かけになって、大きな望遠鏡で火星をご覧になってみてはいかがでしょう。
双眼鏡でも赤い星として確認出来ます。肉眼でも天気が良ければ、土星と火星、そしてアンタレスか近くで輝くようすを眺められます。
占星術における「火星」とは?
占星術で火星が意味するのは、「情熱や行動力」。また、「性的エネルギー」や「闘争本能」なども意味し、揉めごとや「破壊衝動」「事故」などを暗示するときもあります。とても男性的で攻撃性を象徴する星なのです。
通常、火星は、ひとつの星座を約1カ月半~2カ月ほどで抜けていきますが、2016年1月からは、長いこと蠍座のあたりをウロウロしており、今回の接近時も蠍座エリアに滞在しています。
蠍座の特徴は、「強い情念」や「深い絆」、「秘密」や「裏を見抜く力」。また、蠍座の守護性は冥王星ですが、冥王星が見つかる前の時代は、火星が守護星でした。つまり火星にとって、蠍座エリアは自分の家のようなもの。蠍座火星では、蠍座の特徴に加え、「火星の攻撃性や行動力」が最大限に発揮されるのです。
五感プロデュース研究所、荒木行彦、