つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

そりゃそーよねー

2005-10-09 10:27:28 | その他
さて、最近書いているので資料のレビューがまた登場の第313回は、

タイトル:図説 日本呪術全書
著者:豊島泰国
出版社:原書房

であります。

いま書いてる話の関係上、陰陽道関係の資料が欲しいと思って手に取った本。
3200円+消費税。
……いくら社会人と言ってもけっこうな値段。
とは言え、資料なんてこんなものと思って、ちと財布に痛いなぁと思いつつ購入。

そりゃ、日蓮宗とか、浄土宗とかでも、いわゆる呪術ってあるよね。

呪術というと、いわゆる呪いとか、マイナス面のイメージがあったり、日本だと真言宗、天台宗に代表される密教の真言を用いた術、役小角に代表される修験道、阿部晴明に代表される陰陽道がポピュラー。

もちろん、そういったポピュラーな存在の呪術は十二分に紹介されている。

いちばん多いのがやはり密教。
5ページから136ページまでかけて解説されている。
次に修験道、137~190ページ。
修験道はたいぶ密教と被るところがあるので、仕方がない。
陰陽道は意外に少なく191~222ページ。
実は、この部分がいちばん欲しかったのに、これだけだったのでちょっと……いや、かなり残念(^^;)
この他、日蓮宗系、神道・古神道系、浄土宗系、禅宗系、そして教派神道系と、都合8つの宗教が持つ呪術が紹介されている。

図説と言うだけあって、図が多く掲載されている。
密教系ではもちろん如来、菩薩、明王の図絵がたくさん用いられているし、紙に描いて様々な呪術の効用を得る呪符などの図絵もそこかしこに描かれている。

メインは、いわゆる儀式と言える様々な手順を経て行われる呪術。
これらの他、コラムみたいな感じの配置で、様々な呪術が紹介されている。

値段の高さを除けば、確かに日本における「呪術」というものの代表的なものを網羅的に紹介しているものだと思う。
密教とかのポピュラーなものだけではなく、ふつうの感覚では「呪術」とは思えない日蓮宗とかのものも紹介している。
資料としても、読み物としても興味のあるひとには、手に取って読んでみるとおもしろいと思う。

ただ、個人的に資料として使うのであれば、密教系のものを指向するならよかったんだけど、陰陽道となると、ほとんど役立たずだった。
だって、あとからさんざん資料になりそうなの、探したし(笑)