つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

事典と言うには微妙なところも

2005-06-12 15:25:04 | 事典/図典
さて、ぶっといので時間がかかったの第194回は、

タイトル:世界神話事典
著者:大林太良、伊藤清司、吉田敦彦、松村一男
出版社:角川選書

であります。

事典と言うことで、世界のあらゆる地域の神話が網羅されている。
誰でも知っているギリシャ神話から日本神話などは当然、東南アジアやメラネシア、アフリカ、南北アメリカ、オーストラリアなどなど、ほんとうにいろんな神話が収められている。

構成は、

総説
共通テーマに見る神話
地域別に見る神話

の3つに大別されている。

総説と共通テーマに見る神話、と言うことで、ただ単に神話を集めて事典にしただけのものではない。
学問としての神話……神話学の本でもある。

と言うわけで、神話が目当てのひとはかなりきついと思う。

ちなみに私もいろんな地域の神話がありそうなので買ってみたものの、はっきり言って総説はうざかった。
別に何とか型の神話だとか、どういう影響を受けたとか、そんなのはぜんぜんいらなかったので、これには閉口した。

しかも、そのぶん、神話そのものがほとんど概要ばかりだし、いろんなのが散らばっていて、地域別に見る神話までけっこう読むのがめんどくさかった。

地域別に見る神話でも、神話そのものは概要版でそれぞれ特徴的なものや有名なものが主体。

とは言うものの、ここに来てようやく目当てのネタになってくるのでおもしろかった。
特に、アメリカとかアフリカ、メラネシア、ポリネシアなど、いままでまったく聞いたことがないような神話は興味深い。

もっとも、物書き的には読み物以外にも、こういうのは資料として使えるから、決して損をしたような感じはないけどね。

読み物として2200円はちと高いけど(^^;