さて、200がそろそろ見えてきた第189回は、
タイトル:ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ
著者:滝本竜彦
文庫名:角川文庫
であります。
チェーンソーはマジで怖い
何年前か忘れたのですが、中島らも作『こどもの一生』の舞台に行った時、実際回転するチェーンソーを間近で見たのです。いや、あれは冗談抜きで怖いです。近くにいた子供泣き出すし……つーか、ホラー劇に子供連れてくるのはいかがなものかと。
すいません、本題に戻ります。
冬のある日、山本陽介は一人の少女に声をかけた。
氷点下の中、セーラー服姿で体育座りしているのが気になったのだ。
彼女は鬱陶しそうに陽介を睨むと言った――敵を待っていると。
雪崎絵理は夜な夜なチェーンソーを持った謎の男と戦っている。
なぜか? そうしなければならないからだ。
ナイフを手に、彼女は今日も敵を待つ――不死身の男を。
夜、チェーンソーを持った男と戦うということを除けば二人の生活は平凡だ。
高校に行き、教師に小言を言われ、夜までの時間を過ごし、出かける。
二人は何度となく共に戦うが、致命傷を与える前に敵は退散してしまう。
異常な筈の戦いが日常の中に組み込まれていくが……その状態が永遠に続くわけもなく、決着の時はそろりそろりと忍び寄って来る。
第一印象は、なんじゃこりゃ? でした。
私の苦手な一人称で主人公の陽介がしゃべりまくる。
しかもその感覚が物凄く鬱陶しくて好きになれない。
こいつ、嫌いだ――出発点はそこ。
陽介と絵理の会話も噛み合いません。
下心をちらつかせつつ妄想を膨らませる陽介。
邪険にしているようでいて構って欲しそうな絵理。
なんだかな~こいつら、と思いつつ先を読んでいきます。
で、しばらくすると何となく陽介がどんな奴かが解ってきました。
そして、なぜ絵理と一緒にチェーンソー男と戦うかも。
間違いなく嫌いなタイプなんだけど、何となくそう思うのも解るかなぁ、とか。
で、最終決戦。
陽介の引っかかりと、絵理の引っかかりが明確に明かされます。
チェーンソー男ともキッチリ決着つけます、上手い形で。
主観的読み方をする人の場合、陽介の感覚にうんうんと頷いてしまうか、そういえばそんなことを考えたこともあったなぁと感じるかがポイントだと思います。かな~り人を選ぶと思われるのでオススメは付けません。
しかし、主人公がこれだけ嫌いなのに最後まで読んでしまうとは不思議。
もしかして、ひょっとして、まさか……同族嫌悪、なのか?
タイトル:ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ
著者:滝本竜彦
文庫名:角川文庫
であります。
チェーンソーはマジで怖い
何年前か忘れたのですが、中島らも作『こどもの一生』の舞台に行った時、実際回転するチェーンソーを間近で見たのです。いや、あれは冗談抜きで怖いです。近くにいた子供泣き出すし……つーか、ホラー劇に子供連れてくるのはいかがなものかと。
すいません、本題に戻ります。
冬のある日、山本陽介は一人の少女に声をかけた。
氷点下の中、セーラー服姿で体育座りしているのが気になったのだ。
彼女は鬱陶しそうに陽介を睨むと言った――敵を待っていると。
雪崎絵理は夜な夜なチェーンソーを持った謎の男と戦っている。
なぜか? そうしなければならないからだ。
ナイフを手に、彼女は今日も敵を待つ――不死身の男を。
夜、チェーンソーを持った男と戦うということを除けば二人の生活は平凡だ。
高校に行き、教師に小言を言われ、夜までの時間を過ごし、出かける。
二人は何度となく共に戦うが、致命傷を与える前に敵は退散してしまう。
異常な筈の戦いが日常の中に組み込まれていくが……その状態が永遠に続くわけもなく、決着の時はそろりそろりと忍び寄って来る。
第一印象は、なんじゃこりゃ? でした。
私の苦手な一人称で主人公の陽介がしゃべりまくる。
しかもその感覚が物凄く鬱陶しくて好きになれない。
こいつ、嫌いだ――出発点はそこ。
陽介と絵理の会話も噛み合いません。
下心をちらつかせつつ妄想を膨らませる陽介。
邪険にしているようでいて構って欲しそうな絵理。
なんだかな~こいつら、と思いつつ先を読んでいきます。
で、しばらくすると何となく陽介がどんな奴かが解ってきました。
そして、なぜ絵理と一緒にチェーンソー男と戦うかも。
間違いなく嫌いなタイプなんだけど、何となくそう思うのも解るかなぁ、とか。
で、最終決戦。
陽介の引っかかりと、絵理の引っかかりが明確に明かされます。
チェーンソー男ともキッチリ決着つけます、上手い形で。
主観的読み方をする人の場合、陽介の感覚にうんうんと頷いてしまうか、そういえばそんなことを考えたこともあったなぁと感じるかがポイントだと思います。かな~り人を選ぶと思われるのでオススメは付けません。
しかし、主人公がこれだけ嫌いなのに最後まで読んでしまうとは不思議。
もしかして、ひょっとして、まさか……同族嫌悪、なのか?