つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

借りてきた本だからいいけどさ

2005-06-03 22:40:24 | 恋愛小説
さて、なんか引かれてる気がしないでもない先日の第185回は、

タイトル:デッドエンドの思い出
著者:よしもとばなな
出版社:文藝春秋

であります。

4月10日の「うたかた/サンクチュアリ」で、サンクチュアリのほうがよかったので次を手に取ってみた。

短編集で、

幽霊の家
「おかあさーん」
あったかくなんかない
ともちゃんの幸せ
デッドエンドの思い出

の5編が収録されている。

読み終わってみてふと、サンクチュアリはたまたま肌に合ったのかもしれない、と思った。

それと「おかあさーん」あたりから私小説の匂いがしだしてきて、うーむ……。
と思っていたらあとがきで「一番私小説的な小説」と書いてあって納得。

的な、と言うところがあるので完全な私小説ではないけれど、私小説が嫌いな私としてはこれでかなり引いてしまった。

また、ともちゃんの幸せでは、ともちゃんの話のあとに、小説書きが現れ、そして神様に書かされたみたいな文章があり、ここでかなーり引いた。

それから全体的に雰囲気にも乏しかった。

サンクチュアリのほうは、全体的に穏やかで優しい、けれどどことなく切ない空気のようなものがこう、しっかりと感じられるけど、強くなく、押しつけがましくない感じで、作品全体を包み込んでいて、とてもよかった。

けれど、この作品にはそれがない。
あとがき曰く「つらく切ないラブストーリー」らしく、まぁ、確かにそういう雰囲気がないわけではないけれど、読んでいてもさほどそうは感じない。

なので、各話をそれぞれ書いていく気にもならないので書かない。

強いて言えば、最初の「幽霊の家」が悪くないかとは思うけど、最後に主人公とフランスからパティシエとして戻ってきた彼とあっさり結婚してしまうところがご都合主義的な感じがする。もちろん、話の流れからは不自然ではないがね。

どうもこれがいまいちだったので、もう1冊借りてきているけれど、なんか期待薄……と言った不安が出てきてしまった。

まぁでも、これも、もう1冊も買ったわけではないので、まだ気は楽だけど(笑)