つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

変身願望は誰にでもある

2005-04-30 11:06:11 | 木曜漫画劇場(紅組)
さて、なぜかマンガだと白泉社が多いの第151回は、

タイトル:ガラスの仮面
著者:美内すずえ
出版社:花とゆめコミックス

であります。

鈴:読むのは少女マンガだけじゃないのよ~と言いたいLINNでーす。

扇:相方よりは青年漫画の比率が高いSENでーす。

鈴:……さて、いつもの木曜劇場はドラマにもなったので名前はおそらく知れ渡っているはずの「ガラスの仮面」であります。(突っ込まれる前に進める(爆))

扇:一応言っとくと、演劇の話。

鈴:演劇……いや、ホントに演劇オンリーと言っていいのは珍しいんじゃないかなぁ。

扇:他に思い浮かばないな。
主人公がアイドル目指すのはあったが、役者目指すというのは珍しい。

鈴:それもあるが、間にテレビドラマの主人公をやる以外はすべて舞台中心だからなぁ、このマンガ。
ただし、ノリがスポ根気味なところがあるけど(笑)

扇:確かに、『エースを狙え』とかに通じるものはあるな。
ライバルや惚れる男も割と似ている。

鈴:瞳に星が舞う時代からのマンガだし、似てしまうところはあるのかもしれないな。
……っと、そろそろキャラ紹介に移っておこう。
主人公の北島マヤ、演技の天才……と言うより、演技以外に何にも出来ないと言うすごいキャラ。もう少し、できることをつけてあげてもよかったのではないか? と思えるくらい。

扇:グズでノロマなカメとは言わないが、かなりのおっちょこちょいだな。
ライバル役の姫川亜弓。大女優姫川歌子の娘。いち早くマヤの才能を見抜くが、じきに恐怖と嫉妬を感じるようになる。影で苦労してるだけあって、割と人間できてる人。

鈴:次にマヤのお師匠さんの月影千草。顔の片方を髪で隠した演技の鬼。
マヤと月影先生のやりとりは常にスポ根。持病持ちのクセに、小屋に閉じ込めたマヤ相手に、何人もの役を朝まで演じて鍛えるところは、「あんた、ほんまに心臓悪いんか!?」と突っ込みたくなる雰囲気満載(笑)
ちなみに、ドラマの野際陽子はかなりはまっていて、マンガと違和感がなかったのがかなり印象的(笑)

扇:岡田真澄……違う、速水真澄。通称マスミ様。いわゆる〈あしながおじさん〉。
公演のたびにマヤに紫のバラを送りつけ、影ながらバックアップする。実際に顔を合わせる時はチビちゃんと馬鹿にしているのだが、最後にゃ惚れてしまうのは王道。
なぜか、和田慎二が描く長髪美形キャラ・神恭一郎と面識がある。(笑)

鈴:あとは桜小路優がメインキャラかな。マヤに惚れている少年で、何くれと優しくしていて、どう見ても周りから見たらバレバレなのに、マヤ本人はまったく振り向いてくれない不幸なひと。

扇:あれは自業自得だ。ま、ああいう奴も一人はおらんとな。
というわけで、キャラ紹介は終わりかな?

鈴:終わりにしておこう。
話の中身に、と言いたいところだけど、これがまた長いのでひとつひとつは無理だなぁ。

扇:うーむ。
大筋を言っちゃうと、月影先生に見いだされたマヤが、伝説の戯曲『紅天女』の主役を目指す話かな。

鈴:概略はそうなんだが、けっこうたくさん演目があるし、どれもけっこう実際の演目を見てみたくなるくらい、うまく描かれているから解説したい気もしないでもないのでな。
……にゃらば、各自好きな演目をってのはどや?

扇:私は、『真夏の夜の夢』だな。マヤ演ずるパックが楽しいし。
劇団つきかげ+いっかくじゅうの合同公演、さらに野外舞台ということで作者としては難しい回だったと思うのだが、実際やってた身で見てもうんうんとうなずける出来だった。

鈴:うーむ、おぬしもか。こちらも『真夏の夜の夢』が一番だなぁ。
次点では『忘れられた荒野』かな。狼少女の役には迫力があった。

扇:こちらの次点は『二人の王女』。マヤよりも亜弓の方が目立っていた。面白い回だな。

鈴:あぁ、そういえばそうだな。けれど、この演目、何のかんの言ってマヤのほうが人気がある、ってのを証明するためのひとつ、って感じがありありとして、ちょいといやらしい感じがしたなぁ。

扇:そう、この漫画やたらと亜弓さんがマヤに衝撃を受けるシーンが多いんだよなぁ。
で、私はあの子に勝てない……みたいな。
そこらへんはお蝶婦人と同じと言えば同じだが、演技を比較される分、可哀相な気はするな。

鈴:ちょっとそこがな。紅天女のところでようやくマヤに基礎がないことで、ちょろっとだけ優位に立てるが、そこだけだからなぁ。
ライバルと言うにはなんか明らかに格下の扱いっぽい。

扇:そう、月影先生が現時点ではまだ亜弓さんの方が上、とかってフォローは入れてるんだけど。
飽くまでそれは、経験年数の差でしかないみたいな感じだったしな。つーか、君も亜弓さん同情派かいっ。

鈴:演目のところはさして気にはしないんだが、どうしてもなぁ。
亜弓に較べて、おっちょこちょいに描かれているが、主眼が演技だから結局他が万能型でも慰めになってないし。
ふつうに見たら、同情的になるぞ。

扇:とまぁ、構造的には王道全開ですが、演劇という題材を扱っているだけあって他にはない楽しさはあります。
少なくとも、舞台やってる人と演劇見に行く人にはオススメ。

鈴:舞台なんてぜんぜん興味がなくても、見に行きたくなるぞ(^^
ホントにまったく興味はないのだが、いっぺんくらいオススメがあったら見に行ってもいいかなぁ、と思ったし。
それくらいだから、興味があるんだけど……なひとでもOK。

扇:終わってないし、いつ終わるのかまったく不明なのがちと難点ではあるけど。(笑)

鈴:それを言うでない。
でも決着をつけてほしくない気持ちはあるから、ふたりの紅天女の舞台を見てそれで先は読まないほうがいいかもしれない。

扇:あとは、往年の少女漫画の御家芸、男女揃ってキラキラ眼! に耐えられるか否か。
なんかだらだらと長くなっちゃいましたが、ここいらで、本日の土曜漫画ワイド劇場は終了でございます。

鈴:ホントに長いな。いままでの最長かも。
ともあれ、このあたりで、さ~よぉ~な~らぁ~♪