さて、今日はシンプルにの第137回は、
タイトル:あなたが欲しい
著者:唯川恵
出版社:新潮文庫
であります。
主人公の理沙子と恋人の亮、その友人の桐、侑子、幹也の5人が織りなす人間模様を描いた小説。
誰もが誰かと何らかの関係があり、傷つき、立ち直っていく話ではあり、ある意味、どこにでもあるような話で、目新しさも奇抜さも何もない。
ほぼ必ず話題にする、文章や流れと言った部分については申し分ない割に、まったく話に入っていけない。
吉本ばななの「サンクチュアリ」のように、雰囲気にも乏しい感じがして、作品世界の中に入っていけない。
さらに、途中、理沙子と亮の婚約祝いに開かれた席での、桐の暴露話のところで登場する瀬山というキャラ。
ラストにも登場して、理沙子と亮のふたりを取り戻すところのきっかけを作るわけだけど、どうもご都合主義的な感じがして、しかもただ単に、与えられた役をこなすためだけに出てきた印象があって、ストーリーの中でひとり、浮いている。
また、暴露話のあとでつづられる理沙子の心理描写も、どちらかと言うと落ち着いた感じで、葛藤とか、それなりに描かれてはいるけれど、解説にあるように、人間の暗部を……と言うにはあっさりしているし、当然出てくるはずのあらゆる「感情」というものに乏しい印象を受けた。
読めないわけではない。
だいたい、読めなかったら最後までホントに読めないし、前半で挫折するに決まっているから、これはもう好みの問題としか言いようがないと思う。
ただ、合わない、と言う他ないだろうなぁ。
タイトル:あなたが欲しい
著者:唯川恵
出版社:新潮文庫
であります。
主人公の理沙子と恋人の亮、その友人の桐、侑子、幹也の5人が織りなす人間模様を描いた小説。
誰もが誰かと何らかの関係があり、傷つき、立ち直っていく話ではあり、ある意味、どこにでもあるような話で、目新しさも奇抜さも何もない。
ほぼ必ず話題にする、文章や流れと言った部分については申し分ない割に、まったく話に入っていけない。
吉本ばななの「サンクチュアリ」のように、雰囲気にも乏しい感じがして、作品世界の中に入っていけない。
さらに、途中、理沙子と亮の婚約祝いに開かれた席での、桐の暴露話のところで登場する瀬山というキャラ。
ラストにも登場して、理沙子と亮のふたりを取り戻すところのきっかけを作るわけだけど、どうもご都合主義的な感じがして、しかもただ単に、与えられた役をこなすためだけに出てきた印象があって、ストーリーの中でひとり、浮いている。
また、暴露話のあとでつづられる理沙子の心理描写も、どちらかと言うと落ち着いた感じで、葛藤とか、それなりに描かれてはいるけれど、解説にあるように、人間の暗部を……と言うにはあっさりしているし、当然出てくるはずのあらゆる「感情」というものに乏しい印象を受けた。
読めないわけではない。
だいたい、読めなかったら最後までホントに読めないし、前半で挫折するに決まっているから、これはもう好みの問題としか言いようがないと思う。
ただ、合わない、と言う他ないだろうなぁ。