つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

奥様は山賊!

2005-04-27 14:17:15 | マンガ(少女漫画)
さて、表紙の顔が微妙に崩れている気がする第148回は、

タイトル:妖怪妖恋譚
著者:青樹ソウ(か……漢字が出ん)
出版社:ニュータイプ100%コミックス

であります。

ラーイア王朝初期、ようやく国土が統一されたものの、天災と反乱が国を脅かす時代。
戦災孤児を集めて盗賊の頭をやっている少女セリティカは今日も仕事に精を出していた。
貧相な男達から奪い取った輿の中にいたのは長髪美形のうらなり男。
どうも雨乞いのために湖に沈められる予定になっている生贄らしいが、一目惚れしてしまったセリティカは聞く耳持たず、その場で男を亭主にする。(早っ!)

セリティカによって封印を解かれた男は名をジャヤナと言った。
ジャヤナは自分が妖怪であることを明かし、日照り続きの土地に雨を降らした。
妻は山賊、夫は妖怪。
二人の奇妙だが幸せな新婚生活が始まる。

てなわけで、一時期流行った中国風ファンタジーです。
ここではカタカナ表記してますが、登場人物の名前はすべて漢字。
服装や背景もなんとなく中華、まぁ、途中で出てきた人魚は和風だったけど。

それはさておき、このカップル、色んな意味で無敵です。
見た目もそうなら実年齢も凄まじく離れているし、なんせ種族も違う。
(ちなみにセリティカの年齢は多く見積もっても15ぐらい)
だーがしかし、そんなこたぁさしたる障害ではないのです。

なんせセリティカがジャヤナを選んだ時に語る結婚観からして凄まじい。
前々から亭主は六人持とうと思っていた。顔の良い奴、優しい奴、経済力のある奴、力があって強い奴、働き者の奴、アレの上手い奴。顔の綺麗な旦那はジャヤナに決めた!

光源氏ですか貴方は……。

ジャヤナはジャヤナでイイ男である。
最初の出会いの時に、戒めを解いてくれ、なーんてことを言わないのだ。
セリティカと結婚したのも取引ではなく、対等な立場で求婚に応えている。
律儀に残りの亭主五人分を一人で受け持つと約束するところが可愛らしい。

アンバランスだがイーブンな二人の関係は非常に微笑ましいです。
あとは……絵の好みが合うか、かな。



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