電車の座席で、前に立っている方の携えたあじさいの束の花びらがとても肉厚だったので「造花ですか、生ですか」とお聞きしたら「オカメアジサイといい、生花です。訪ねた方の庭に咲いたのを頂きました」と言って一本くださいました。お連れの方はクレイクラフト(粘土工芸)をなさり、花びらも本物のようにできるとのこと。車内で話がはずみ、美しい花を得たのも、梅雨の恵みでしょう。
おとといの授業「房総の文化」は金丸和子先生の講義。
私は能「百万」の詞章
「毘首羯磨が作りし、赤栴檀の尊容、
やがて神力を現じて、天竺震旦わが朝、
三国に渡り、ありがたくも、この寺に現じ給へり」
で清涼寺の釈迦像の伝説を知りました。八千代市の正覚院の釈迦像は清涼寺の像をモデルにしたものです。久しぶりにスライドで見て、美しさにため息をつきました。写真は本宮啓光さん作のジオラマ「正覚院」
10日の授業「房総の文化」は小林先生の講義で、更級日記の冒頭、上総から武蔵の国に入るまで、つまり千葉の旅でした。
浜、川、風、雨の印象が強く、穏やかな自然に囲まれた旅ではなく、厳しい自然の中を進んで行った様子が浮かびました。
今回の授業「房総の文化」は小林先生の講義「平安貴族にとっての東国」-東国のイメージのお話で、古今和歌集の東歌や源氏物語などを引いての、魅力あふれる講義でした。
写真は伊勢物語における東の果て、隅田川です。