昨日までのうららかな天候とは
うって変って、今日は春の嵐に。
東京は明日31日あたりが桜満開
なんだって。
ここ鎌倉はやや辺境地のせいか、
まだ2~3部咲き。
あまり早い季節の巡りについて
いけないこちとらは、
桜よ、あまり急ぐじゃないよと
云いたいところである。
花よりだんご。
お花見弁当はやや高級感の傾向
とあったが、これじゃお弁当屋
さんも大いに当てがはずれたこ
とであろう。
閑話休題。
ヘルマン・ヘッセの小説に
『春の嵐』というのがあった。
(高橋健二訳 新潮文庫)
ヘルマン・ヘッセの過激なまでの
感受性と、情熱的で静かな情愛が
ちらりちらりと主人公クーンを
通して見え隠れする切ない小説
である。
実際は暴走した橇とともに、少年
時代の淡い恋と健康な左足とを
失ったとき、クーンは音楽に向か
うというストーリーなのだが。
とかく、春の季節はそのまま
すんなりとは行ってくれないもの
らしい。
こんな句を見つけた。
あと何を喪う 春の嵐かな
(武藤嘉子)
春嵐にバイオリズムの狂いけり
(次井義春)