高尚すぎる世界、お茶。
そう思っていましたが、私の中で最近何かがどんどん崩れ始めていて。
お茶の世界に私も足を踏み入れさせてもらおうと思うに至りました。
そして、お茶屋さんではじめてキットみたいな、とりあえずお抹茶を点てるためのキットがお手頃な価格で売っていたので購入してきました。
さて、いざ点ててみようと、半分身構えながら、おそるおそる準備していると
「わあー、おおー!やってみたい!」
おおい、娘よ、そういう「ちょっと人参切ってみたい」みたいな軽い感じではないというか。。。
何となく娘の雰囲気にも押され、おそるおそるみたいな感情も感覚も失われました。
お茶の世界がくれるあの凛としたような雰囲気は、娘の言動で全て吹き飛びまして、
「お!じゃあ私がまず点ててみるね、こんな風にやるんだってー」
「あれ?なんかうまくいかないねえ」
などと、穏やかなれど、呑気で適当な世界が繰り広げられました。
主人も一緒にいましたので、娘も主人もやれ自分も点ててみるとか、味見だ味見だと、わいわい。
お茶の世界はいったい全体。
どこへ行ったのか。
ですがね、お茶をいただく時だけは3人でとても静かで落ち着いた空気感となり、お茶の底力を感じた次第です。
お茶のような高尚な大人な世界を、こんな無邪気な形の興味本位を持つ娘に、短絡的に味わわせるのはどうなんだろう、と思ったのですが。
自らの点てたお茶を
「苦い、おいしくない」
と評価し、がっかりしていました。また頑張って行いたいと言い、それからきちんと触れ合っています。
私としては思いがけない結果に、何事もとりあえずで良いから、取り組んでみることも大事なんだなと思うに至っています。
人生無駄なことはない、と言います。
お茶を点てるにあたって、手首をうまく使う必要があります。
昔、少しかじったことのある弦楽器の弓使いが少し活きてきました。
私の生活も彩りが出るといいなと思いながら、毎朝、家族でお茶を楽しんでいます。