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ワニと読むミステリ(幻の森)

読むと、曾祖父はそんなに昔じゃない。

(レジナルド・ヒル著)
 現在と第一次世界大戦と話が次々に語られていくので、ワニあたまには切り替えがつらかったです。
 長いし。ポケミスで472ページ(訳者あとがき含む)。
 ダルジール警視と主任警部のパスコーが、今回はコンビでなく、別々に事件を追っていきますが、恐ろしい因縁から二人の事件は徐々につながりを見せてきます。
 ダルジール警視は、動物実験反対のグループ「アニマ」が製薬会社に押し込みを図ろうとしたところで製薬会社の敷地内で発見された白骨について調べることになります。ダルジールは、白骨が事件として成立するより以前のものであることを期待しますが、残念ながらぎりぎり捜査の対象となってしまい、ダルジールはご機嫌ななめ。
 パスコーは、休みをとって祖母のお葬式に列席していましたが、祖母の遺言で遺灰を昔の戦場跡に散骨しなければならなくて、その場所に行ってみたところがそこはスーパーマーケット。やむなく「西ヨークシャー連隊記念博物館」なるところを訪ね、散骨しようと試みます。
 パスコーの曾祖父は第一次世界大戦で軍曹でしたが、その死は謎で祖母は軍隊を嫌悪していました。パスコーは、この博物館を訪れたことから曾祖父の死の真相にだんだんと迫っていくことになるのですが、調べるほどにダルジールの事件現場に引き寄せられていきます。
 パスコーを欠いたダルジール警視は、相変わらず嫌味なやつながらも、事件に対する鋭い嗅覚で思いもよらない推理を展開していきます。途中職務上あるまじき行為に走ったりもしますが。
 ダルジールの事件とパスコーの曾祖父の死の真相と、どのように関連しているのでしょうか。
 とても長いお話で時代も飛ぶので、しっかりと捉えていないと訳がわからなくなりますから、ご注意を。
 でも、訳がわからなくなってもとてもおもしろくて、パスコーとダルジールと二人の気持ちに交互に入り込んでしまいます。
 ワニは一気に読んでしまいました。
 やめられなくなります。

■警視
 その他の警視が主人公のミステリというと、
ピーター・ラヴゼイのピーター・ダイヤモンド警視シリーズ
   デボラ・クロンビーのダンカン・キンケイド警視シリーズ
でしょうか。
 ピーター・ダイヤモンド警視は、ダルジールと似たように憎たらしいですが、ダンカン・キンケイド警視はずっと紳士的です。

主人公: アンドルー・ダルジール(警視)  
場所:  イギリス
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 小


幻の森―ダルジール警視シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
レジナルド ヒル
早川書房

ダルジールのファンへ
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