
さて、鳴り物入りで飛び込んできた李安監督の新作は、驚きの3Dを駆使したサバイバル物語!!最初から、予告でインパクトある映像から焼き付けられたもんで、この信じがたい話は、きっと現実の物語なんだろうなあ~と思っていた。と思ったら、世界的なベストセラーの本が原作だったとは。とんと知りませんでした。不勉強ですいません。
物語は、少年の生い立ちから始まる。とっても長い名前をもっていた少年は、その名前のせいでバカにされることが多く、自ら改名することを決意。それがパイ。円周率のあのパイと同じ。ここのくだりがとってもおもしろかった。何かを変えようと思った時、自らの並々ならぬ意思ってのがとっても大事だということ。
で、パイと名乗ることになった少年は、もちろんインド人なんでヒンドゥー教徒であり、インドに根付いている多くの神を信仰している。そこで見つけた神がたった一人のキリスト教。神父がパイの疑問や悩みにまっすぐと答えてくれる姿にえらく感銘したパイは、キリスト教に惹かれていく。
さらにパイはもう一つの信仰を見つける。戒律を守り、ミナレットから流れてくる音にあわせて一斉に祈りをささげるムスリムの人々。どの宗教にも熱心に関心を寄せ、3つを信仰することもいとわないパイ。
このことは、インドの人々や、ヨーロッパ、中東の人々には考えらえないことだろうと思う。このことを奇異に思わず、なんとなくわかるなあと理解できるのは、世界広しといえども、日本人以外にいないのでは!と思った。ある程度の文化水準に達しておりながら、信仰心が極めて少ない。神や宗教の概念を理解しつつ、信仰はしないという人たちは、日本人以外にいないようだ。
日本に古来からある神道は、インドのヒンドゥー教と似ているといわれる。それとは関係ないとしても、パイのような姿勢を節操がないというか、柔軟というか???日本人は、たぶん柔軟ととらえるだろうなあ。そして容易に理解できると思う。しかし、日本人は神を信じるか?といわれれば、どうだろう。もし、そこに神を見たら!神の存在を感じることができたら!それは固有の宗教などではなく、純粋に、自分の信じる神だ。それでいい。
パイは、海に投げ出された。たった一人で。一緒に道行きするのは、獰猛なトラ。広い広い大洋の上で、頼れるものは何もない。命を長らえるためには、どんなことでもしなければならない。同行するトラと、魂が通うはずもない。いかにして生き抜くか。トラにひれ伏するのか?トラを従えるのか?
一瞬でも気を抜けば、トラにやられてしまう。人間なんてよわっちい生き物だ。自分の食べ物を調達するのも一苦労しているのに、まずトラの食料をとらなければ、自分が餌になってしまう。なんとか魚をとってはトラに与える。共存というより、自分が生き抜くためにトラを生かさなければならない。自分が生き抜くことができたのは、圧倒的な強さを誇る、トラがいたからかもしれない。
トラ・・・リチャード・パーカーこそが、パイを生かしたもの。神??
海のさまざまな奇跡を目の当たりにし、パイは生還する。トラと一緒に。228日間、生死をともにしたトラは、自分の役目を終えたかのように姿を消す・・・・。
神とは一体何なのか?宗教で信じるものが神なのか?いろいろな宗教に目を向け、疑問を抱いたパイに対し、自然の摂理が教えたことが、自ら見つけたものが神なんだよ、みたいなことかなあと感じた物語でした。前半の宗教の翻弄されるあたりが自分にとっては、とっても興味深く、一体どうなるんだろう?と思って見ておりました。
一転、海に投げ出されたところから、どうにもアンビリバボー過ぎて、どうにも斜めに見始めてしまいました。いくら人間が強かろうが、知力を尽くそうが、トラのひと噛みであっけなくやられると思うのですよ。いや、それを乗り越える何かがあった!としても、荒唐無稽なファンタジー過ぎて、無理がありすぎ。これはファンタジーなんだから、それでいいのかも知れませんが、なんだか釈然としないのです。
これは原作物語に対する不満となりますが、そのファンタジーを映像にしてしまうと、映像は真実を映すはずのもの。この物語に合うのは泥臭い、手創りの絵で、超超最先端の技術を駆使した絵とは合わないような。その違和感が最後まで離れなかったというのが、率直な感想でした。
◎◎◎●
「ライフ・オブ・パイ」
監督 アン・リー
出演 スラージ・シャルマ イルファン・カーン アディル・フセイン タブー
物語は、少年の生い立ちから始まる。とっても長い名前をもっていた少年は、その名前のせいでバカにされることが多く、自ら改名することを決意。それがパイ。円周率のあのパイと同じ。ここのくだりがとってもおもしろかった。何かを変えようと思った時、自らの並々ならぬ意思ってのがとっても大事だということ。
で、パイと名乗ることになった少年は、もちろんインド人なんでヒンドゥー教徒であり、インドに根付いている多くの神を信仰している。そこで見つけた神がたった一人のキリスト教。神父がパイの疑問や悩みにまっすぐと答えてくれる姿にえらく感銘したパイは、キリスト教に惹かれていく。
さらにパイはもう一つの信仰を見つける。戒律を守り、ミナレットから流れてくる音にあわせて一斉に祈りをささげるムスリムの人々。どの宗教にも熱心に関心を寄せ、3つを信仰することもいとわないパイ。
このことは、インドの人々や、ヨーロッパ、中東の人々には考えらえないことだろうと思う。このことを奇異に思わず、なんとなくわかるなあと理解できるのは、世界広しといえども、日本人以外にいないのでは!と思った。ある程度の文化水準に達しておりながら、信仰心が極めて少ない。神や宗教の概念を理解しつつ、信仰はしないという人たちは、日本人以外にいないようだ。
日本に古来からある神道は、インドのヒンドゥー教と似ているといわれる。それとは関係ないとしても、パイのような姿勢を節操がないというか、柔軟というか???日本人は、たぶん柔軟ととらえるだろうなあ。そして容易に理解できると思う。しかし、日本人は神を信じるか?といわれれば、どうだろう。もし、そこに神を見たら!神の存在を感じることができたら!それは固有の宗教などではなく、純粋に、自分の信じる神だ。それでいい。
パイは、海に投げ出された。たった一人で。一緒に道行きするのは、獰猛なトラ。広い広い大洋の上で、頼れるものは何もない。命を長らえるためには、どんなことでもしなければならない。同行するトラと、魂が通うはずもない。いかにして生き抜くか。トラにひれ伏するのか?トラを従えるのか?
一瞬でも気を抜けば、トラにやられてしまう。人間なんてよわっちい生き物だ。自分の食べ物を調達するのも一苦労しているのに、まずトラの食料をとらなければ、自分が餌になってしまう。なんとか魚をとってはトラに与える。共存というより、自分が生き抜くためにトラを生かさなければならない。自分が生き抜くことができたのは、圧倒的な強さを誇る、トラがいたからかもしれない。
トラ・・・リチャード・パーカーこそが、パイを生かしたもの。神??
海のさまざまな奇跡を目の当たりにし、パイは生還する。トラと一緒に。228日間、生死をともにしたトラは、自分の役目を終えたかのように姿を消す・・・・。
神とは一体何なのか?宗教で信じるものが神なのか?いろいろな宗教に目を向け、疑問を抱いたパイに対し、自然の摂理が教えたことが、自ら見つけたものが神なんだよ、みたいなことかなあと感じた物語でした。前半の宗教の翻弄されるあたりが自分にとっては、とっても興味深く、一体どうなるんだろう?と思って見ておりました。
一転、海に投げ出されたところから、どうにもアンビリバボー過ぎて、どうにも斜めに見始めてしまいました。いくら人間が強かろうが、知力を尽くそうが、トラのひと噛みであっけなくやられると思うのですよ。いや、それを乗り越える何かがあった!としても、荒唐無稽なファンタジー過ぎて、無理がありすぎ。これはファンタジーなんだから、それでいいのかも知れませんが、なんだか釈然としないのです。
これは原作物語に対する不満となりますが、そのファンタジーを映像にしてしまうと、映像は真実を映すはずのもの。この物語に合うのは泥臭い、手創りの絵で、超超最先端の技術を駆使した絵とは合わないような。その違和感が最後まで離れなかったというのが、率直な感想でした。
◎◎◎●
「ライフ・オブ・パイ」
監督 アン・リー
出演 スラージ・シャルマ イルファン・カーン アディル・フセイン タブー
私は前半の宗教や改名のエピソードがとっつきにくく、中盤の何としても生き抜こう、
トラと共存しようというくだりにグングン惹かれていきました。
その日はものすごく体調が悪かったのですが、パイとリチャード・パーカーが
トビウオにバシバシやられるシーンあたりでなぜか復活。
あの映像に助けられた気がします。
が、トラは何の象徴だったのかしら。
ライターに話した最後の部分でいささか混乱してしまい、
そこのところを自分の中で結論が出れば、なお良かったのですが。いまだ謎です。
吹き替えのパイは、モックンがやっていたのですね。
違和感なくて感心しました。
じゃないですかこの映画は。
でも、そら恐ろしいぐらいの映像で語られたおかげで、
もうひとつの物語の方は無視してくれと
アン・リーは声高に主張しているような気がします。
その証拠が、現実的な日本人による結論として
報告書に書き付けられていたと……
3Dが効果的に使われていましたが、2Dでご覧になったのですか?
トラが飛び掛ったとたんにハイエナの姿が消えてしまったり、腐臭を放っているはずの死骸がなくなっていたりと、とてもきれいな映画でした。
小説なら違和感なかったのかもしれません。
僕も2Dで観たのですが、あのベンガルドラの迫力や、
神秘的な映像は3Dの方が楽しめたようです!
信仰より、窮地に置かれた人間の姿が映し出されて、
もしも自分が・・・なんて痴漢して、もとい置換して観てました(笑)
パイを演じた彼は、生れて海を見たことがなくて、
かつ、泳げもしなかったようですね^^
結局よくわかんないままだわ。もう一回見に行こうかと画策中。
映像は確かにインパクトありました。実際、漂流してからは、引き込まれてみてましたもん。
だとすると、何を見せたかったのか。映像だったのか、お話だったのか、うーん、またわけわかんなくなってきます。
やっぱ再見だな。
なんだか煙にまかれたみたいで、収まりが悪いままです。それが狙いなのかと思ってきてます。
リアリストの象徴なんでしょうかね、我々は。
というより、宗教色がない人たちという印象です。
3D撲滅委員会委員長としては、2Dで見れるもんは、2Dで見る!と。
人によって、3Dが素晴らしい!!という意見と、両方見て、大した変わりなかったという意見と、いろいろでこれまた面白いです。
やぱ物は試しで、再見は3Dにするか。
きれいすぎましたね。
そのきれいさを見せるファンタジーだと考えるべきなんでしょうか。
2Dでも十分迫力あって、きれいであったことは間違いないです。
信仰が、その後の漂流でどのような影響を与えたか、彼ア見出したもんがなんだったのか・・・みたいにいろいろと考え込んでます。
あの少年は、お見事でしたね。目がいい。インドの人は、目が印象的です。
sakuraiさん的にはそこまでノレなかったのかな?
3D嫌いですが今回はやっぱり臨場感に溢れてて
良かったですよ、
アバターと比較されるのも納得の世界が広がってました。
あのトビウオやミーアーキャット、クラゲやクジラ。
面白かったです☆
宗教観について意味するところは深いものがあるようですけど
そこまで考えなくても楽しめました。
あの結末は納得出来ないかもしれません。
僕はこの映画、最新CGを駆使したファンタジーとして観ました。
単純に「きれいだな~」「すごい映像だな~」と。
そういう意味では評価の分かれる作品ですね。