迷宮映画館

開店休業状態になっており、誠にすいません。

ザ・ダイバー

2001年05月31日 | さ行 外国映画
1950年代、まだ公民権運動前のアメリカ海軍に、黒人のダイバーになろうと挑戦する若者がいた。差別をはねのけようとか、人権を勝ち取るんだといった、声高な意識ではなく、純粋に海が好き、もぐるのが好き、だからダイバーになりたいんだ。黒人はなれない?いやそんなことはないはずだ、がんばればできるはず、という素直な気持ちと、まれに見る『不撓不屈』の精神、が彼をそうさせている。 とりあえず、船には乗ったが、仕 . . . 本文を読む

JSA

2001年05月30日 | さ行 外国映画
北緯38度線。1本の緯線に過ぎないのだが、朝鮮半島にとっては海よりも深く、山よりも高い。同じ民族でありながら、日本による長い植民地統治の末、独立を果たした後にまた悲劇が待っていた。大国のエゴ、代理戦争による分断。どこまで苦汁を味わえばいいのか思うくらい、悲惨な目にあってきたのが、かの国かもしれない。 例えば、教科書問題や、従軍慰安婦問題などで、日本に謝罪を要求する向きを見て、「一体、いつまで」など . . . 本文を読む

あの頃、ペニー・レインと

2001年05月15日 | あ行 外国映画
1970年代、ロックン・ロールの狂乱がピークを過ぎたあたりかなといったころ。さまざまなバンドが乱立し、トップを極めているもの、そろそろ落ち目、今まさに飛び立とうとしているもの、それらがみな試行錯誤を繰り返していた時代だ。女の子はいくらでも寄ってくる。儲けようと思えば、いくらでもできる。この世の春を謳歌していたようにも思われるのだが、彼らだって、人間だ。そんな、『ほとんど有名』のバンドのツアーに同行 . . . 本文を読む

トラフィック

2001年05月14日 | た行 外国映画
アメリカの麻薬の害はよく知られている通りだが、さまざまな映画にも登場している。それを見る限 りでは、根は深く、解決は不可能であろう。貧乏な人々がたむろする、いかがわしい界隈から、ハイソ サエティの、成績優秀な高校生までどっぷりと浸かっている。その実態をメキシコの製造する側、密輸 入業者、仲買人、常用者、そして取り締まる側、麻薬王もいれば、麻薬取締り王もいる。そのいろいろ な側面を同時に追ったのがこ . . . 本文を読む

タイタンズを忘れない

2001年05月09日 | た行 外国映画
1971年、アメリカ・ヴァージニア州の高校。1964年に認められることになった公民権なのだが、それまでの厳しい歴史を反映して、なかなか黒人に対する人種差別が取り除かれることはなかった。教育委員会の方針で、白人地区と黒人地区の高校が統合されることになったのだが、すんなり行くわけがない。まず、問題になったのが、成績優秀なアメリカン・フットボール部。双方、一緒にやるなんて考えられないことなのだが、そうも . . . 本文を読む

ショコラ

2001年05月07日 | さ行 外国映画
1950年代のフランスのとある村。閉ざされたこの村は、カトリックの古い考え方に取り付かれた貴族の末裔が、代々村長を務めており、中世に迷い込んだかのような錯覚を覚えるような村だった。季節はちょうど、冬。カトリックたちは春の復活祭、イースターの前に厳しい断食の季節を迎えていた。厳粛な気持ちで迎える時期、華やかなことは極力避け、結婚式なども避けるという。そんな時期に、そんな村にやってきた母娘。真っ赤なマ . . . 本文を読む

ヤンヤン、夏の思い出

2001年05月02日 | や行 映画
2000年のカンヌ映画祭監督賞受賞作品。 台湾の映画監督といえば、ホウ・シャォシェンかエドワード・ヤン。どちらも甲乙つけがたいが、ど ちらも骨の髄までグサグサと痛さが伝わってしまう。あまりに痛いのだけど目を背ける事ができない作 品を撮り続けているが、待ちに待った作品だ。 ヤンヤンは8歳の小学生。それにしちゃ幼い風貌と父親譲りの屁理屈のせいか、どこに行っても女の 子にいじめられてしまう。家族は高 . . . 本文を読む