迷宮映画館

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スマイル 聖夜の奇跡

2007年12月11日 | さ行 日本映画
タップダンサーを夢見ていた修平、膝をやっちゃって、彼女のいる北海道にやってきた。頑固な親父を説き伏せて、結婚しようと思っていたのだが、条件として、弱小アイスホッケーチーム【スマイラーズ】を勝たせること。それは無謀そのもの。

それぞれ高い技術を持ってはいるものの、うまく使いきれていなかった。必要なのはチームワークと、お互いのことを考える戦術。アイスホッケーは知らなくても、熱いパッションは知っている修平。彼らをどんどん高みに連れていく。

【スマイラーズ】のクールなフォワード、マサヤ。同じスケートリンクで滑るフィギュア・スケートの玲奈が気になる。両親を事故で亡くして、笑顔を忘れてしまったマサヤだったが、これはほんのり芽生えた恋心。でも、玲奈は難病に侵されてしまっていた。

玲奈のために戦う。自分たちの勝利は、きっと玲奈の力になる。がんばれ、玲奈・・・。

ということで、期せずして2週連続、少年少女の難病もの。それも時代もちょっと下った20世紀。必ず登場の松重さんは、今回もちゃんと出てます。

うーん、話的にはよくある弱小チームの成長物語。アイスホッケーも、「マイティ・ダック」という名チームがあったので、そうそう目新しいものではないのだが、なんつっても熱いコーチの森山未來!なんでタップ?と思うのだが、ずーっとやってきたというタップは本物。その確かなバックがあっての演技と、彼の自分の肉体だけは足りないくらいにはちきれそうに湧き上がってくるパッションが、うざいくらいに心地いい。

こういう役が見事にぴったり。と、少年たちがいい。見なれたいまどきのうますぎる子役さんたちと違って、どこか素人っぽいんだけど、わざとらしくないちょうどいい下手うまさ。その辺の按配がこそばよい。

陣内孝則の映画は二本目だが、手練手管のテクニックで撮るのではなく、気持ちがじわっと伝わる力強い映画だ。まっすぐ気持ちが伝わってくる。いろんなものを盛り込みたい、という気持ちが強すぎて、どしんと来る映画になったが、きちんと見せたアイスホッケーがいい。

いわゆるスポ根もので、肝心な試合や、技術が向上していくところがすぽんと抜けて、いつの間にやら、ものすごいうまいチームになっていた!というのではなく、きちんと見せるところも監督らしくていい。ところどころに登場する特別出演の役者さんたちがいい味出してます。森クミの歌もいいし、寺島さ~ん、いいとことっちゃいましたね。

「Little DJ」といいライバルになりそう。どっちもお勧めです。

◎◎◎◎

『スマイル ~聖夜の奇跡~』

監督 陣内孝則
出演 森山未來 加藤ローサ 田中好子 谷啓 坂口憲二 岡本杏理 綿貫智基


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
今年最初の映画 (圭一朗)
2008-01-02 02:05:57
 明けましておめでとうございます。

 今年は、「スマイル」から始まりました。
こういう映画は大好きで、これぞ映画・・・、現実的でないというかも知れませんが、それが映画の楽しさ面白さなのです。

 “ほかの誰かのために、熱いこころで 自分を犠牲にして頑張る姿・・・ それが奇跡を生む。”

これ、僕の今年のテーマにしました。

正月早々 子供たちから元気をもらって・・・
今年もよろしくお願いします。

あけましておめでとうございます (sakurai)
2008-01-05 20:15:32
>圭一朗様
今年もよろしくお願いいたします。
ことし一発目は、元気の出る映画で始まったようですね。
いまどきのこじゃれた子役たちでない、すれた感じのなさにとっても共感しました。
陣内監督、次にも期待です。素直に頑張れる映画のスタンスが好きです。
コメントおーきに (YOSHIYU機)
2008-11-19 19:08:59
ちょっと、盛り込み過ぎのように感じました。
足すばかりではなく、引く事を覚えれば
陣内監督は、良い監督になりそうな気がします。
>YOSHIYU機さま (sakurai)
2008-11-19 22:27:20
無用な熱いテンションが持ち味のような気もしますので、もっと焦点しぼって、スマートに。でも熱く!という映画を期待しますわ。

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