
鳴り物入りで公開となった本作品。見る前から、いやがおうにも期待は高まっていたのですが、これは絶対に自分の好みの匂いがぷんぷんしておりました。
いつも小難しいことぐだぐだ言って、顰蹙買いそうなことばかり言ってる私ですが、この作品は何も言うことなし!てか、言いたくない。
粋な始まり、タイトルロールから泣かせてくれます。20世紀初めの匂いがまたいい。主人公のヴァレンタインを演じるジャン・デュジャルダンのはったり効いたたたずまいがまたいいです。クラーク・ゲーブルを思わせる笑顔と威厳がある!
サイレント最盛期の大スターが、トーキーが入ってきて、だんだんとオチ目になっていく姿。ここで、すぱっと切り替えて、トーキーに行けばよかったのに。。。。と思ってはいけない。彼はあくまでもスターなのでございます。文字通り、本物の銀幕のスターは、プライドに満ちている。
それがどんなに自分の首を締めようと、誇りを持っておるのです。でも、背に腹は代えられない。きらきらしたスターの座から、階段を転げ落ちるようにその座から滑り落ちて行く。。。それととってかわるようにのぼりつめて行ったのが、ニュースターのペピー。
ヴァレンタインのファンだった彼女は、ひょんなことからプロデューサーの目にとまり、チョイ役からどんどんとスターの座に。ここも、いきなりスターに!!!と言うのではなく、着実に、じっくりと、きちんとスターになって行った様子がタイトに、でも丁寧に表されて行きます。
片や落ちて行くスターは階段の下に・・。そして上を向いて登っていくスター。大衆は常に新しいものを求めて行くのであります。スターとなったペピーを暖かく見守るヴァレンタイン。それをまた見守る人たちがなんとも言えずにいい。ここは寡黙に彼に仕える、運転手のジェームズ・クロムウェルがじわっと素敵です。
彼を様子を表すのは映画の題名。寂しげな彼の頭上に掲げているのは「ロンリー・スター」。。。酔いつぶれて正体の無くなった彼をさりげなく助ける映画は「守護天使」であります。粋って、英語にあるのかしら。いや、フランス語か。
そして、とことん落ちてしまった彼を助けるペピーの本当にやさしさに触れ、彼をずっと小さく応援してきたアギーの声なき声が泣かせてくれます。ワンワンと言いながら、一所懸命言ってる言葉が伝わってくるのですよ。「なににしがみついてんだ。まず生きなきゃダメだろ!誇りも大事だけど、まず生きること。彼女のやさしさを無駄にする気か!ジョージ!!!!」と。
素敵なロマンスでした。今の人たちに足りないのがこのロマンスじゃないでしょうかね。古風に影から見守る・・。いいじゃないっすか。プライドに負けそうな自分、、、それこそスターっす。全編にあふれるロマンスの風情。こういうに浸りたかったです。気持ちよかったに尽きます。映画の本質ってこれじゃないでしょうかね。映画に恋し、映画に癒され、励まされ、幸せになる。素敵でした。ありがとうです。
◎◎◎◎◎
「アーティスト」
監督 ミシェル・アザナヴィシウス
出演 ジャン・デュジャルダン ベレニス・ベジョ ジョン・グッドマン ジェームズ・クロムウェル ペネロープ・アン・ミラー ミッシー・パイル アギー
いつも小難しいことぐだぐだ言って、顰蹙買いそうなことばかり言ってる私ですが、この作品は何も言うことなし!てか、言いたくない。
粋な始まり、タイトルロールから泣かせてくれます。20世紀初めの匂いがまたいい。主人公のヴァレンタインを演じるジャン・デュジャルダンのはったり効いたたたずまいがまたいいです。クラーク・ゲーブルを思わせる笑顔と威厳がある!
サイレント最盛期の大スターが、トーキーが入ってきて、だんだんとオチ目になっていく姿。ここで、すぱっと切り替えて、トーキーに行けばよかったのに。。。。と思ってはいけない。彼はあくまでもスターなのでございます。文字通り、本物の銀幕のスターは、プライドに満ちている。
それがどんなに自分の首を締めようと、誇りを持っておるのです。でも、背に腹は代えられない。きらきらしたスターの座から、階段を転げ落ちるようにその座から滑り落ちて行く。。。それととってかわるようにのぼりつめて行ったのが、ニュースターのペピー。
ヴァレンタインのファンだった彼女は、ひょんなことからプロデューサーの目にとまり、チョイ役からどんどんとスターの座に。ここも、いきなりスターに!!!と言うのではなく、着実に、じっくりと、きちんとスターになって行った様子がタイトに、でも丁寧に表されて行きます。
片や落ちて行くスターは階段の下に・・。そして上を向いて登っていくスター。大衆は常に新しいものを求めて行くのであります。スターとなったペピーを暖かく見守るヴァレンタイン。それをまた見守る人たちがなんとも言えずにいい。ここは寡黙に彼に仕える、運転手のジェームズ・クロムウェルがじわっと素敵です。
彼を様子を表すのは映画の題名。寂しげな彼の頭上に掲げているのは「ロンリー・スター」。。。酔いつぶれて正体の無くなった彼をさりげなく助ける映画は「守護天使」であります。粋って、英語にあるのかしら。いや、フランス語か。
そして、とことん落ちてしまった彼を助けるペピーの本当にやさしさに触れ、彼をずっと小さく応援してきたアギーの声なき声が泣かせてくれます。ワンワンと言いながら、一所懸命言ってる言葉が伝わってくるのですよ。「なににしがみついてんだ。まず生きなきゃダメだろ!誇りも大事だけど、まず生きること。彼女のやさしさを無駄にする気か!ジョージ!!!!」と。
素敵なロマンスでした。今の人たちに足りないのがこのロマンスじゃないでしょうかね。古風に影から見守る・・。いいじゃないっすか。プライドに負けそうな自分、、、それこそスターっす。全編にあふれるロマンスの風情。こういうに浸りたかったです。気持ちよかったに尽きます。映画の本質ってこれじゃないでしょうかね。映画に恋し、映画に癒され、励まされ、幸せになる。素敵でした。ありがとうです。
◎◎◎◎◎
「アーティスト」
監督 ミシェル・アザナヴィシウス
出演 ジャン・デュジャルダン ベレニス・ベジョ ジョン・グッドマン ジェームズ・クロムウェル ペネロープ・アン・ミラー ミッシー・パイル アギー
私もこれは大好き。あとあとまでじわっじわっときます。何よりジョージ=ジャン・デュジャルダン(舌噛む!)がいい。
クラーク・ゲーブルの威厳、ダグラス・フェアバンクスの華やかさ、他たくさんの往年のスターを総動員したような存在感。
彼に全てを委ねてどっぷりと浸れました。
そしてペピー=ベレニス・ベジョ(舌噛む!)の健全な美しさもいい。
もちろんアギーのけなげさも~~~~。
クロムウェルさんのシーンには泣きたくなりました。
スターとは、アートとは、誇りとは、人の温かさとは。そういうものを丁寧に優しく楽しく描いていて、、気持ちよかった・・。
こういう映画をフランス人が作ったというのがまたいい!
オスカー受賞初のフランス映画、心からおめでとう。
余談ですが、主演ジャンさんの奥さんは、「リッキー」のお母さん役の女優さんなんですね。
なんだかいい夫婦だなあ^^。
映画を観る楽しさを存分に味わえた幸せな104分でした。
監督は現代に感じる映画を作りたかったといいますが、
びしっと伝わりましたよ。
東根のフォーラムには、5月中旬上陸なのですが、こんなコメント読んだら、待てないかも
でも、東根のフォーラムで観られるものはなるべくこっちで観ようと思ってます
なるほど。
今現在の姿は、当然今風のおっちゃんですが、あの映画の姿は、昭和って言うか、大正っていうか、昔よくいた正統派のハンサム男優で、ホントによかったです。
脇のおじいちゃんたちもそれぞれよかったし、ワンちゃんにも泣かせられました。
いやいや、いいもん見ました。
全部の映画にこうしろ!とは当然言えませんが、姿勢は大事ですよね。
自分達が作ったものに、自信と愛情がたくさん詰まってると言うのが分かりました。
本当にいいものは時代は関係ないですわ。
なんとも難しいとこですが、どっちでもいいから見てねえ。
てか、二回見る!という方法もありますよ。
アタシは、もっかいは行きそうですわ。
ものすごく王道のようで、今の時代にこれだけ排除して物を作るのは、斬新です。
そして、グレーの色の美しさに目を奪われました。
言うことなし
こんだけあおられると、ちょっと眉つばで臨んでしまいそうですが、そんな杞憂も見事に吹っ飛んで、思いっきり浸れました。
いくらでも材料があって、何でもできる今の時代に、あえて勇気を持って作った!
拍手です!!!
こういうのを見れて幸せでした。
で、幸せを感じれた自分が嬉しい。