日本でもデータセンター市場で健闘していたビットアイルが世界的なデータセンター会社Equinixに買収される。Equinixはますます日本市場における存在感が増してきた。
ビットアイルに米エクイニクスがTOB(2015/09/09 日経産業新聞)
データセンター運営大手の米エクイニクスは8日、日本法人を通じて同業のビットアイルを買収すると発表した。9月9日から10月26日までTOB(株式公開買い付け)を実施し、株式保有比率で3分の2超の取得を目指す。2016年初めまでに全株式を取得する計画で、買収総額は333億円の見込み。ビットアイルの拠点は東京や大阪の中心部に集中している。買収によりエクイニクスは東京9カ所、大阪2カ所で総ラック数1万2000台規模と国内4位のデータセンター事業者になる。
エクイニクス、株式公開買付けによるビットアイル買収を発表(2015/09/08 PR TIMES)
~日本最大級のデータセンター事業者へ~
インターコネクションおよびデータセンターサービスをグローバルに展開する米エクイニクス(Nasdaq:EQIX)が、同社日本法人(エクイニクス・ジャパン)を通じて、株式会社ビットアイル(本社:東京都品川区)に対する株式の公開買付けを実施することを発表します。これにより、国内データセンター事業を拡充します。カリフォルニア州レッドウッド・シティおよび東京- 2015年9月8日 - インターコネクションおよびデータセンターサービスをグローバルに展開する米エクイニクス(Nasdaq:EQIX、本社:アメリカ カリフォルニア州、CEO:スティーブ・スミス、以下 エクイニクス)は本日、同社日本法人(エクイニクス・ジャパン、本社:東京都港区、代表者:古田 敬)を通じて、株式会社ビットアイル(本社:東京都品川区、代表取締役社長:寺田航平、証券コード:3811、東証一部、以下ビットアイル)に対する株式の公開買付けを実施することを発表します。公開買付け価格は1株922円。すべて現金による取引とし、最終的にビットアイルの完全子会社化が完了した場合、買収価格の総額は333億円(US$2.8億相当)となります。この公開買付けは、ビットアイル株式の2/3超の取得を条件としており、エクイニクスは2015年9月9日から2015年10月26日にかけて公開買付けを行ないます。公開買付けが成立した場合、エクイニクスは、公開買付け手続により買い付けることができなかった株式を、日本の会社法に基づくいわゆるスクイーズアウト手続により取得する計画であり、これにより2016年初頭までには全株式の取得が完了する予定です。なおこの公開買付けについては、ビットアイルの取締役会から賛同が得られているほか、同社主要株主である寺田倉庫株式会社、寺田航平氏および寺田保信氏との間において、保有する全株式(合計29.74%)について公開買付けへ応募する旨の合意が得られております。この買収によりエクイニクスは、国内外の顧客をもつ国内最大級のデータセンター事業者となり、日本におけるデータセンターおよびインターコネクション事業が一層強化されることになります。さらに、エクイニクス最大の成長市場であるアジア・パシフィックにおける位置づけをより強固なものにします。
<発表のハイライト>
ビットアイルの買収が完了すると、エクイニクスは国内データセンター事業者の中で第4位[*1]の規模となります。この買収により、エクイニクスは、日本国内の既存International Business Exchange (IBX(R)) データセンターに近接した東京5ヵ所、大阪1ヵ所のデータセンターを新たに取得することになります。これにより最終的にエクイニクスは、東京9ヵ所、大阪2ヵ所、総ラック数12,000台規模のデータセンター事業者となります。またエクイニクスが2016年第1 四半期(1-3月期)に東京都内に開設予定のTY5を含めると、エクイニクスは都内に10ヵ所のデータセンターを保有することになります。両社の顧客が統合されることで、エクイニクスのクラウドとビジネスエコシステムの成長および、クロスセリングが期待されます。ビットアイルは、トップクラスを含む多くの国内企業と取引関係があります。これらの国内企業も、エクイニクスのグローバルクラウドとネットワークサービスプロバイダーに即座に接続できるようになり、Platform Equinix?を活用した世界中の都市への展開が可能となります。日本は、エクイニクスのアジア・パシフィック地域で最も相互接続からの売上比率が高く、ビットアイルのデータセンターが、既存のエクイニクスIBXデータセンターと接続され、1つの大きなキャンパス状に広がるデータセンター群の一部となる事で、エクイニクスのネットワーク集積度の高いインターコネクションプラットフォームが強化される事となります。これにより、ビットアイルのデータセンターをご利用のお客様は、都心部のネットワーク、クラウドサービスそしてエンタープライズを含むエクイニクスの利用企業や、ビジネスエコシステムに参加する企業とシームレスな接続が可能になります。この買収が完了した場合、エクイニクスのAFFO(Adjusted Funds From Operation)が増加することが期待されます。三菱東京UFJ銀行は、この公開買付けとビットアイルの既存債務の弁済及びその他買収関連諸費用に充当するための1年間のブリッジローンの供与を確約しています。
<コメント>
・ 株式会社ビットアイル代表取締役社長 寺田航平氏のコメント:
「当社は日本における独立系No.1データセンター事業者として日本のITインフラ業界において改革を進めて参りました。この度、世界No.1企業であるエクイニクス社と統合することで、ニュートラルなポジションを維持しながら、世界中で最も密度の高いピアリングやクラウドへのアクセス、および世界33都市へのデータセンターサービスを提供できることとなり、日本の企業の国内および世界展開をさらに強力にサポートして参ります。」
・ エクイニクス CEO Steve Smith (スティーブ・スミス)のコメント:
「ビットアイルとの統合により、エクイニクスは、日本のエンタープライズIT市場において強力なポジションを得ることができます。エクイニクスとビットアイルの両社は、クラウドコンピューティングに対し、同じビジョンを持っており、ビットアイルの5つのデータセンターは東京でベストなロケーションにあります。ビットアイルの日本における強力なリーダーシップ、運用実績、そしてネットワーク運用チームが加わることは、エクイニクスによって重要な日本市場の強化につながると確信しています。ビットアイルがエクイニクスファミリーの一員となる日を楽しみにしています。」
<エクイニクスについて>
Equinix, Inc. (Nasdaq:EQIX) は、世界で最もネットワーク密度の高いデータセンターにおいて、顧客企業、ならびにパートナー企業との間で、相互接続できる環境を提供しております。現在、アメリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋における世界15カ国、33都市において、世界の様々な企業にエクイニクス のインターコネクションプラットフォームを活用していただいています。また日本国内には東京都内 4 カ所、大阪市内1 カ所で IBX データセンターを運営し、さらに2016 年には東京に新たなデータ センターTY5を開設する予定です。