『フクシマからはじめる日本の未来』
大友良英、金子勝、児玉龍彦、坂本龍一・著/
アスペクト2012年
大友の感情は理解できるけど、短期間で、核のことがそんなに簡単にはわからないと思ってほしい。
味方だと思っている人が、本当は敵だったりする。
ずっと本気で反原発や平和を訴えられてきた野坂さんのアドバイス。下「」引用。
「「-略-映像はすべて編集されている。崩壊の様子を写し出し、目に入るそれは、判りやすいが現実とは違う。漂う匂いも伝わらず、残酷な光景には「配慮」というハサミが入る。つまり映像を通して伝わる時、現実は薄まってしまうのだ。
そこに写っていないものを見せるもの、補うことが出来るのは言葉である。しかし震災後、その言葉も薄っぺらなものが飛び交うばかりだった。お上に至っては大本営発表そのもの。戦争中軍は、自らの失敗を取り繕うため嘘を並べて立てた。-略-
世間ではあれこれスローガンが持てはやされた。「頑張ろう日本」「一つになろう」言葉がないよりマシかもしれない。だが、スローガンをもとに、それぞれがそれぞれの言葉を持ち集めるべきところ、単純な言葉で完結してしまう。上滑りする言葉に絡め取られ、編集された被災地の映像を拾い眺め、判った気になって、やがて安易な感情論に走る。これだけメディアが発達した世の中で、本当の姿は見えてこない。そんな状態のまま、復興とやらを進める。見えないものは闇に置き去りにされるのだ。戦後復興の陰にも置き去りにされてきた闇が横たわる。原発関連もそのひとつ。この度の震災でその闇が少し露となった。しかしまたうやむやになりつつある。-略-
これからの日本が復興とどう向き合うのか。若い世代の皆さんには、立ち止まって考える力を持ってもらいたい。調子のいい言葉に巻き込まちゃいけない、あらゆるものをまず否定し、生き延びてほしい。」『週刊文春 2012年3月8日号』より を忘れないでほしい。
大友は小3のとき、父の転勤で福島へ。
「原発事故も反原発デモも報道できないマスメディア」
米軍に伝わっていたSPEEDI情報。下「」引用。
「つい最近になってわかったのは、SPEEDI(緊急時迅速放射線影響予測ネットワーク)【*2】の情報がアメリカ軍にはちゃんと伝わっていて、それを見たアメリカは「80キロ圏内避難」って言ったわけでしょ。日本の政府は、国民よりもアメリカを優先していたわけで、メディアは本来の役目である政府の暴走をチェックできなかった。」
口コミだけで1万以上……。下「」引用。
「メディアが全然機能していない、そう実感したのは、4月10日の東京での反原発デモ【*5】のときです。もちろんその前からそう思ってました。でも確信したのはあの日です。
この日、東京・高円寺での1万数千人の人々がTwitter【*6】の口コミだけで集まってきました。原発事故後最初にあった大規模な反原発デモです。でも、これは日本でほとんど報道されませんでした。黙殺と言ってもいい状態です。報道関係の人に聞いても「あれは素人がやっていることだから」って言われちゃう。「いやいや、ちょっと待って下さいよ。デモは素人がやるものだから!」って言いましたよ。もちろん。ところが「プレリリースがあがってこけりゃ報道なんてしませんよ」っていう答えです。でもプレスリリースがなければ報道しないっていうのは、根本的に間違ってるでしょ。広告雑誌じゃないんだから、記者が出来事を自分で取材して記事にするのが基本じゃないですか。そんな当たり前なことも、この国ではやってないんだって思いました。」
石原都知事の当選。下「」引用。
「一方で、この日は都知事選の投票日でもあったんです。ネット上ではとても石原都市地が当選するとは思えない論調が広がっていました。でも結果は、開票とほぼ同時に「石原さん当選確実」。メディアが機能していないばかりでなく、僕らが情報を得てきたネットも、現状をは悪できる道具として不完全だ、そう感じました。だから、さあ大変だぞって思ったのがこの日なんです。」
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木村真三博士のことも書かれてありました 。
「「海外にどう伝えていくのか」はこれからの大きなテーマ」 下「」引用。
「英語のサイトを作ることも後手後手にまわってしまいました。日本語というドメスティックな言語世界にいる僕らが、日本語以外の人たちとどうつながっていくのか、ということを切実に考えさせられましたね。
もしこの本を読んでいる方で、この方面で手伝ってくださる方がいたらぜひ連絡ください。」
「オーケストラFUKUSHIMA!」全員がボランティア! 下「」引用。
「一般の人から坂本龍一さんまで260人もの人たちが参加して、PAを使わずに人力だけで即興のオーケストラをやりました。そしてあとは会場にある3つのステージで、七尾旅人+原田郁子、スターリン、灰野啓二、グリープ魂、高橋まことデラックス、遠藤賢司、渋さ知らずオーケストラとか、ほかにも本当にたくさんの人たちがノーギャラで来てくれた。交通費もみな自腹で。飯坂温泉の旅館の息子がメンバーだったりしたんで、宿泊だけはそこに泊まれるようにして、実際、フェスを運営するのにいくらかかるかすらわからずに素人だけで始めたことですが、みんなの義援金や支援金もあって、ステージを作ったりトイレを持って来たりという地元業者に払う経費以外はまったくお金もかけずに、エンジニアから何から全員手弁当で集まってもらって、大きな赤字を出すこともなくフェスをやることができました。」
「失敗を誰も総括しない、誰も責任を盗らないこの国は壊れかけている」
民主主義国家!? 下「」引用。
「まさか自分の住んでいる「民主主義国家」と言われている日本でほとんど同じようなことが起こっていて、誰も責任を盗らないまま安易な安全宣言をする、というのを見ていて、「一体、なんという国に住んでいるんだろう」って思いましたね。」
ヒロシマ・ナガサキでも、公害問題でも、よく似たもんだったんですよ。まったく理解されていなかったのには、驚きです。
それに、いつものことも忘れてほしくありません。
「原発問題は「今後、この国が悪くなるのか良くなるのか」の試金石」
罪?「福島に住むのが罪」って誰がいったの? これ、「除染神話」の人たちが、ガセを流したんではないのかな? 反原発の人たちが、どうしてそんなことをいうの? 罪は原発を推進したり、そのことで大儲けしている人たちでしょう? また人質とるようなことをいうけど、疎開や移住を望んでいる人は多いのでは、もちろん生活できてこそのことだろうけど……。これも東大(児玉龍彦)話法?
反原発のなかにも、スパイくらい送るのが、原子力ムラの手でもありますけど……。
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もくじ
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大友良英、金子勝、児玉龍彦、坂本龍一・著/
アスペクト2012年
大友の感情は理解できるけど、短期間で、核のことがそんなに簡単にはわからないと思ってほしい。
味方だと思っている人が、本当は敵だったりする。
ずっと本気で反原発や平和を訴えられてきた野坂さんのアドバイス。下「」引用。
「「-略-映像はすべて編集されている。崩壊の様子を写し出し、目に入るそれは、判りやすいが現実とは違う。漂う匂いも伝わらず、残酷な光景には「配慮」というハサミが入る。つまり映像を通して伝わる時、現実は薄まってしまうのだ。
そこに写っていないものを見せるもの、補うことが出来るのは言葉である。しかし震災後、その言葉も薄っぺらなものが飛び交うばかりだった。お上に至っては大本営発表そのもの。戦争中軍は、自らの失敗を取り繕うため嘘を並べて立てた。-略-
世間ではあれこれスローガンが持てはやされた。「頑張ろう日本」「一つになろう」言葉がないよりマシかもしれない。だが、スローガンをもとに、それぞれがそれぞれの言葉を持ち集めるべきところ、単純な言葉で完結してしまう。上滑りする言葉に絡め取られ、編集された被災地の映像を拾い眺め、判った気になって、やがて安易な感情論に走る。これだけメディアが発達した世の中で、本当の姿は見えてこない。そんな状態のまま、復興とやらを進める。見えないものは闇に置き去りにされるのだ。戦後復興の陰にも置き去りにされてきた闇が横たわる。原発関連もそのひとつ。この度の震災でその闇が少し露となった。しかしまたうやむやになりつつある。-略-
これからの日本が復興とどう向き合うのか。若い世代の皆さんには、立ち止まって考える力を持ってもらいたい。調子のいい言葉に巻き込まちゃいけない、あらゆるものをまず否定し、生き延びてほしい。」『週刊文春 2012年3月8日号』より を忘れないでほしい。
大友は小3のとき、父の転勤で福島へ。
「原発事故も反原発デモも報道できないマスメディア」
米軍に伝わっていたSPEEDI情報。下「」引用。
「つい最近になってわかったのは、SPEEDI(緊急時迅速放射線影響予測ネットワーク)【*2】の情報がアメリカ軍にはちゃんと伝わっていて、それを見たアメリカは「80キロ圏内避難」って言ったわけでしょ。日本の政府は、国民よりもアメリカを優先していたわけで、メディアは本来の役目である政府の暴走をチェックできなかった。」
口コミだけで1万以上……。下「」引用。
「メディアが全然機能していない、そう実感したのは、4月10日の東京での反原発デモ【*5】のときです。もちろんその前からそう思ってました。でも確信したのはあの日です。
この日、東京・高円寺での1万数千人の人々がTwitter【*6】の口コミだけで集まってきました。原発事故後最初にあった大規模な反原発デモです。でも、これは日本でほとんど報道されませんでした。黙殺と言ってもいい状態です。報道関係の人に聞いても「あれは素人がやっていることだから」って言われちゃう。「いやいや、ちょっと待って下さいよ。デモは素人がやるものだから!」って言いましたよ。もちろん。ところが「プレリリースがあがってこけりゃ報道なんてしませんよ」っていう答えです。でもプレスリリースがなければ報道しないっていうのは、根本的に間違ってるでしょ。広告雑誌じゃないんだから、記者が出来事を自分で取材して記事にするのが基本じゃないですか。そんな当たり前なことも、この国ではやってないんだって思いました。」
石原都知事の当選。下「」引用。
「一方で、この日は都知事選の投票日でもあったんです。ネット上ではとても石原都市地が当選するとは思えない論調が広がっていました。でも結果は、開票とほぼ同時に「石原さん当選確実」。メディアが機能していないばかりでなく、僕らが情報を得てきたネットも、現状をは悪できる道具として不完全だ、そう感じました。だから、さあ大変だぞって思ったのがこの日なんです。」
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木村真三博士のことも書かれてありました 。
「「海外にどう伝えていくのか」はこれからの大きなテーマ」 下「」引用。
「英語のサイトを作ることも後手後手にまわってしまいました。日本語というドメスティックな言語世界にいる僕らが、日本語以外の人たちとどうつながっていくのか、ということを切実に考えさせられましたね。
もしこの本を読んでいる方で、この方面で手伝ってくださる方がいたらぜひ連絡ください。」
「オーケストラFUKUSHIMA!」全員がボランティア! 下「」引用。
「一般の人から坂本龍一さんまで260人もの人たちが参加して、PAを使わずに人力だけで即興のオーケストラをやりました。そしてあとは会場にある3つのステージで、七尾旅人+原田郁子、スターリン、灰野啓二、グリープ魂、高橋まことデラックス、遠藤賢司、渋さ知らずオーケストラとか、ほかにも本当にたくさんの人たちがノーギャラで来てくれた。交通費もみな自腹で。飯坂温泉の旅館の息子がメンバーだったりしたんで、宿泊だけはそこに泊まれるようにして、実際、フェスを運営するのにいくらかかるかすらわからずに素人だけで始めたことですが、みんなの義援金や支援金もあって、ステージを作ったりトイレを持って来たりという地元業者に払う経費以外はまったくお金もかけずに、エンジニアから何から全員手弁当で集まってもらって、大きな赤字を出すこともなくフェスをやることができました。」
「失敗を誰も総括しない、誰も責任を盗らないこの国は壊れかけている」
民主主義国家!? 下「」引用。
「まさか自分の住んでいる「民主主義国家」と言われている日本でほとんど同じようなことが起こっていて、誰も責任を盗らないまま安易な安全宣言をする、というのを見ていて、「一体、なんという国に住んでいるんだろう」って思いましたね。」
ヒロシマ・ナガサキでも、公害問題でも、よく似たもんだったんですよ。まったく理解されていなかったのには、驚きです。
それに、いつものことも忘れてほしくありません。
「原発問題は「今後、この国が悪くなるのか良くなるのか」の試金石」
罪?「福島に住むのが罪」って誰がいったの? これ、「除染神話」の人たちが、ガセを流したんではないのかな? 反原発の人たちが、どうしてそんなことをいうの? 罪は原発を推進したり、そのことで大儲けしている人たちでしょう? また人質とるようなことをいうけど、疎開や移住を望んでいる人は多いのでは、もちろん生活できてこそのことだろうけど……。これも東大(児玉龍彦)話法?
反原発のなかにも、スパイくらい送るのが、原子力ムラの手でもありますけど……。
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