磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原発危機と「東大話法」-傍観者の論理・欺瞞の言語-

2012年03月07日 | 読書日記など
『原発危機と「東大話法」-傍観者の論理・欺瞞の言語-』
   安冨歩・著/明石書店2012年

「幸福の偽装工作」……。下「」引用。

「東京大学が「東大話法」に支配されている限り、我々東大関係者は決して幸福たり得ません。そして我々が幸福の偽装工作を停止し、自らの真の意味での幸福の追及を始めることが、日本を危機に陥らせている暴走を解除する道です。私の願いはつとに、ここにあります。」



帯に書かれてあります。下「」引用。

「現役東大教授による刺激的思考!

立命館大学教授 大島堅一氏
原子力村はなぜ暴走し続けるのか--。専門家や官僚の行動原理、思考原理を見事に解明。「東大話法」の呪縛からいかに離脱するかを真剣に考える時がきた。

京都大学原子炉実験所 小出裕章氏
私のことに触れてくださり、面映ゆい思いでしたが、私の気持ちを正確にお書きくださり、ありがとうございました。東大教授の安冨さんが「東大話法」を書かれる根拠・意義にも賛同します。」

「正しい表現」と原子力村の「公式表現」 下「」引用。

「大阪大学の核物理学者である下田正教授は、以下のような指摘をしておられます。-略-原子力業界で用いられている「公式表現」ですが、それらはすべて言い換えがなされています。下田教授が指摘する下側の「正しい表現」の言い換えなのです。
  〈公式表現〉   〈正しい表現〉
原子炉の高経年化 ← 原子炉の老朽化
原子力安全委員会 ← 原子力危険性審査委員会
 -略-」

【小出裕章vs.御用学者】公開討論=ヤラセ。下「」引用。

「小出さんの思想と闘争とを非常によく表現しているのが、2005年12月25日に行われた公開討論会「玄海原子力発電所3号機プルサーマル計画の『安全性』について」です。-略-
 この討論会で特に異彩を放っているのが東大大学院工学研究科の大橋忠教教授です。ビデオを見て多くの人が感じたと思いますが、人を見下した不遜な態度には、言いようのない嫌悪感を覚えます。
 また、一連の報道によって明らかになりましたが、この討論会はすべてが「ヤラセ」でした。-略-
 全くもってひどい話ですが、原子力というものが欺瞞の上に構築された産業であるため、彼らには、これのどこが悪いのか、認識できなくなっているのです。-略-」




大橋忠教教授の欺瞞性を解説してあった。

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精神科医の香山リカについて書かれてあった。

恨まず、あわれむ小出。下「」引用。

「それに小出さんは、原子力村の人々をも決して恨んでなどおらず、憐れんでいるように私は感じます。ですから、「冷や飯」とか「屈辱的な地位」とか、「原子力ムラから排斥」という表現は、事実と異なっていると思います。より正確に言えば、原子力業界御用学者部門などという屈辱的な地位に甘んじて、うまくもない飯をたらふく食っている原子力業界御用学者部門などという屈辱的な地位に甘んじて、うまくもない飯をたらふく食っている原子力御用学者を、小出さんの方が排斥している、とでもなるでしょうか。」

おとぎ話は現実を表現している。下「」引用。

「香山氏の最大の誤りは、「おとぎ話はおとぎ話であって、現実ではない」という「大人の考え」を持っていることです。そうではなくて、おとぎ話は現実を表現しているのです。そうでなければ、小出さんのような存在は理解できません。そもそも、原発を作って爆発させ、日本中に放射能をばら撒く、などいう仕業は、おとぎ話の悪者集団そのままです。-略-」

香山氏本人の現実……。下「」引用。

「このような考えに彼女が至ったのは、

「会社人間としての振る舞いやお低俗なオヤジギャグに会話を合わせることに耐えられません。薄汚いごますりや打算、好きでもない商品を売ることに対して、強い欺瞞を感じ」、「『食っていくためには、嘘もつかなければいけないときもある』大人が発するそんな言い訳めいた言葉に、かえって罪悪感を強めており」、「自分がやりたくもないことを、社会をまるでわかっていないような頭の悪い人たちと一緒にやりたくない。劣等感と優越感がない交ぜになったような、一面では純粋な理想主義者」

と描写されるパーソナリティが、まさしく香山リカ氏本人のそれだからなのだと思います。
 彼女がこの文章を書いてしまったのは、この「お詫びと補足」の中で、自らの隠された真実を露呈するためだったのでしょう。人間の無意識というものは、本当に強力であって、本人の意識などお構いなしに、的確に作動するという精神医学の主張の正しさが、改めて示されたことになります。-略-」

三拍子「不誠実・バランス感覚・高速事務処理能力」

「不誠実」 下「」引用。

「-略-どんなひどいことをやっているとしても、平気の平左で、涼しい顔をしています。より正確に言えば、「良心の呵責」は全く無いわけではないのかもしれませんが、病気になったり体を壊したりするほどではありません。もし本人ではないのかもしれませんが、病気になったり体を壊したりするほどではありません。もし本人に聞けば、自分は良心の呵責に苦しんでいるのだ、と言うかもしれませんが、こんなやり方を何十年もやっていて、なおかつ健康体でいられるということは、大したことはないのです。なぜなら、彼のようなことをやっていれば、通常の人であれば、体を壊してしまうからです。-略-」

「バランス感覚」 下「」引用。

「Q教授は、自分の周囲の人々の心理状態や損得の状態をよく観察していて、自分の悪事が誰かの感情を大きく損ねたり、あるいは多大な損失を負わせたりしないように、いつも注意しており、何か問題が起きそうになったら、的確に手を打つのです。
 たとえば誰かが「こいつ、じつはひどいことをしてるんじゃないのか?」と薄々、気づき始めたとしましょう。するとQ教授は直ちにそのことを察知し、個別に話をして、非常に丁寧な態度をとって誠実さを演出します。あるいは、なんらかの経費を使わせてあげたり、大きな学会で講演の機会を与えたりなどして、飴玉を舐めさせるのです。」

「高速事務処理能力」 下「」引用。

「-略-、研究費をとってくるための膨大で無意味な申請書を巧みに書くなどする能力です。あるいは、それを実現するための、無意味で体裁だけよい論文をサッサと書いてしまう能力です。さらには、彼が研究と称するところの、複数の他人のアイディアを適当に切り貼りして、それっぽいお話をでっちあげる能力です。」

【心理を巧みに悪用する】例 : 直ちに被害……。下「」引用。

「人間というのは、他人をまずは信じよう、という心を持っています。Q教授はこの心理を巧みに利用することによって、「善人」のフリを維持します。そしてバレないギリギリの水準、バレないギリギリの水準、バレないギリギリの頻度で、広く薄く悪事を働くのです。それは「健康に直ちに被害のある水準ではありません」という言葉を思い起こさせます。彼の悪事はまさしく、他人が直ちに被害に気づきはしない、ギリギリの水準で行われるのです。」

「東大話法」暫定。日本中に蔓延してもいる。下「」引用。

「1. 自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
2. 自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
3. 都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事をする。
4. 都合のよいことがない場合には、関係のない話をしてお茶を濁す。
5. どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも自信満々に話す。
6. 自分の問題を隠すために、同種の問題を持つ人を、力いっぱい批判する。
7. その場で自分が立派な人だと思われることを言う。」

東大「原子力国際専攻」=無責任。下「」引用。

「世界は……原子力発電の利用拡大を進め始めていました」と書いていますが、原子力発電の利用拡大を進めていたのは、もちろん「世界」ではありません。「世界」にそんなことはできません。一部の国の、愚かで強欲な、政治家・官僚・電力会社と、それを支える原子力関係の御用学者・技術者が推進してきたのです。
「世界は」と言うことによって、そういう責任関係を曖昧にし、つまりは自分自身を免責しているのです。福島第一原子力発電所の事故は、「起きた」のではなく、そういう無責任な人々によって起こされたのです。」

池田信夫(東大卒)」を例にとり、「東大話法」について解説する。

専門外も断言する池田。下「」引用。

「それどころか、専門家ですら本当のところがわからないでいる問題です。このような問題について、なぜ池田氏が「安全」という方向に断言できるのか、私には理解できません。-略-
 これに対して池田氏は、倫理の問題を振りかざすことは、経済に不要な負担を生み出すと考えています。それによって生み出される経済的損失が、むしろ長期的に人々の健康や生活に悪影響を与え、逆に「非倫理的」な帰結をもたらす、としています。
 私はこの点に、経済学の本質的な欺瞞があり、そのような誤った学問を受け入れていることが、池田氏の議論を歪めていると考えています。そのために東大話法の駆使が必要になるように思うのです。原発に関する池田氏の論考には、それが集中的に現れています。」

【得意技】「おさらい」池田信夫。下「」引用。

「けさの「朝まで生テレビ」は原発論争に終始しましたが、また昔の無限ループに引きずり込まれそうな感じがしたので、今までの原発論争をおさらいしておきます。

「おさらい」というのは、東大の学問の得意技です。彼らはさまざの論文やらなにやらをたくさん集め、かたっぱしから読んで「おさらい」することにかけては、誰にも負けません。それが、東大で「研究」と言われるものの中心を占めています。しかしそれは、必ず自分に都合のよいように歪曲されます。」

論敵をしぼる=池田信夫。下「」引用。

「しかし、原発は危険で不経済だと言っている人は、たとえば小出裕章さんなど、専門家もたくさんいます。当然、数字も詳細に挙げられています。こういった人々を相手にしたのでは、素人の池田氏は不利なので、「自称ジャーナリスト」にターゲットを限定するのでしょうか。
 こうやって論敵を絞っておいて、徹底的に軽蔑するのは、

 東大話法規則6. 自分の問題を隠すために、同種の問題を持つ人を、力いっぱい批判する。

です。こうすることで、池田氏は「自称ジャーナリスト」のような、不正確な数字をプロパガンダを繰り返すような人物ではない、という印象を創り上げることができます。ということは、池田氏もまた、自分自身が不正確な数字でプロパガンダを繰り返す人物だ、と自覚していることを示唆しています。」

東大話法規則10. を活用する池田。下「」引用。

「東大話法規則10. スケープゴートを侮辱することで、読者・聞き手を恫喝し、迎合的な態度を取らせる。」

卑怯者の多いエリートと池田……。下「」引用。

「池田氏のプログが絶大な人気をエリートの間で誇っているのは、ここのところがポイントなのだと私は感じます。卑怯かどうかは、一切問題にせず、そういうことを言う人間は鼻先で笑い、すべてをコスト計算で踏み越えていく。それが卑怯者の多いエリートやその追随者には痛快なのでしょう。」

夏目漱石と「立場主義」。下「」引用。

「しかし同時に漱石は、「立場」に拘束されることに嫌悪感を覚えながらも、それを守らねばならぬという義務感を覚え、いつまでも果てることのない悩みの中で胃潰瘍になる、という側面があったように思います。もしそうだとすれば、それは現代日本人のあり方の、典型であり先駆であるように見えます。彼の作品はこれほど広く長く読まれ続けている理由は、あるいはこのあたりにあるのかもしれません。」

山下俊一のことも取り上げてあります。
--ゴフマンと山下俊一。下「」引用。

「彼(*山下)にとっては「世界では類を見ない」疫学調査によって、巨大な被曝データベースを作ることが重要なのであって、そう考えると、彼の言動は一貫しています。
 これに対して私は、ジョン・W・ゴフマン博士が『人間と放射線』(新装版、明石書店、2011年)の日本語版への序文に書かれた次の言葉を引用したいと思います。

 広島・長崎の被爆者は、人類に対して比類のない重要なデーターベースを提供してきた。彼らはこのデータベースを、彼ら自身と彼の愛する人びとの高価な犠牲を基に提供したのである。人類が二度と再びこのようなデータベースを持つことのないように祈りたい。(7頁)

 ゴフマンさんはもともと、マンハッタン計画の一部を担っていたカリフォルニア大学バークレー校でプルトニウムの分離の研究をしており、後に医学に転じて心臓医学の正教授となりました。1960年代にアメリカの原子力委員会からの依頼でリバモア研究所の副所長に就任し、生物医学研究部門を設立しました。膨大な人員と巨額の予算を同委員会から与えられて、放射線が人間や生物に与える影響の研究を行ないました。1969年にゴフマンさんは、低線量放射線の影響が少なくとも20倍は過小評価されている、という原子力委員会の期待に真っ向から背く結論を出しました。-略-」

どちらが被爆二世か、わかりませんね……。

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後半を別の本として出版するという。

↓ 東大話法規則一覧、増えている。

【goo wikipedia】東大話法












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