磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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ニッポン日記

2008年06月17日 | 読書日記など
『ニッポン日記 上』
   マーク・ゲイン(著)/井本威夫(訳)/筑摩書房1951年

この本は終戦後からのことが書かれてあります。下「」引用。

「これは、米国の占領下の日本と朝鮮の実情の目撃報告書である。しかし、些かほかのものも意図された。かの卓越した人物、マックアーサー元帥と、彼の周囲の人々に関する話、地球の一角に対する米国の対外工作に関する物語、戦時中天皇の玉座のかげて行なわれつづけた陰謀や、それに対抗する陰謀のくわしい話、終戦後連合国の目的を阻害しようとするたくらみや、更に東洋の二つの国の民衆についての物語でもある。」

財閥の力……。下「」引用。

「最も富裕な四つの家族集団--三井、三菱、住友、安田--のみを意味するように用いられている。
 この四つの家族だけで、日本のあらゆる企業の合同投資の四分の三を握っている。」

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この本には書かれていないが、ヨーコ・オノの母は安田財閥の令嬢だったという……。

目 次

そして、皇室の財産も莫大なもののようです。下「」引用。

「皇室は、三井住友を含む財閥の銀行への一大投資家だった。また永年に亙って郵船会社の最大の株主で、同社を支配する三菱よりも多くの株数を一まとめにして所有していた。が、見事な公平さをもってNYKの随一の競争相手、大阪商船株式会社、三井炭鉱、製紙会社、台湾製糖および同海運、北海道拓殖銀行、勧銀、などへの投資家で、またいまはアメリカの『高級将校(ブラス)』の宿舎になっている帝国ホテルにまで投資していた。
 皇室は日本銀行の発行株数の六十パーセントを所有する最大の株主で、残りは当然財閥が所有していた。財閥と同様に皇室も征服の儲けの分け前にあずかっている。開戦の前夜皇室は横浜正金銀行の株の二十二パーセントをもっていたが、同銀行の主たる関心は日本の占領地域至は狙いをつけた地域の搾取にあった。そしてその政策は財閥と共に皇室はまた、南満州鉄道株式会社の大株主だった。これは往年の英国の東印度会社の日本版として悪名高いものだった。朝鮮銀行や台湾銀行のような植民地搾取機関にも皇室の円がたくさん投下されていた。」

だからといって、昭和天皇が財テクしていたとは限らないと思う……。

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『ニッポン日記 下』
    マーク・ゲイン(著)/井本威夫(訳)/筑摩書房1951年

読売新聞は最初、厄介だったという。下「」引用。

「読売はたしかに総司令部にとっては眼の中のゴミ同様に厄介の種だった。他の新聞はみんな一斉に右へなれえをしているのに、読売だは依然として戦闘的だった。」

読売新聞の組合は敗北した……。下「」引用。

「日本最大の日刊紙読売は再びわが労働政策の試験台となった。数週間もの折衝の結果、七百五十名の従業員は今日正午ストライキに入った。-略-組合側の敗北によって読売のストライキは終った。」

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日本の官僚の優秀さ? 下「」引用。

「日本政府が農地改革法を立案するように命令されてから二カ月だったが、その二カ月間猥雑きわまる値下げ交渉が行われつづけている。日本側の執拗さと巧妙さは、財閥問題の時に見られたのに劣らぬものがある。保守勢力はサボタージュの天才ぶりを発揮し、アメリカの担当将校を驚嘆にあえがしめている。」


さらに、今も得意とする抜け道……。下「」引用。

「そころがその草案には抜道だらけのことが判明する。そこで天然資源局はそれを書直すよう日本側に投げ返してやる。日本側は要求された個所の修正をしてくるが、またどこかほかの場所に巧妙な抜道をつくってくる。こうしてマックアーサー元帥のめがねにかなった草案が出来上がってくるのは、ようやく八月も半ばすぎた頃だった。」

外交では、それゆえ信用されていないという。
--常任理事国にはなれるわけがない……。

国益奪還

特高あがりの知事もいたという。下「」引用。

「現在二人の知事が特高出身ものです。戦争中朝鮮で勤務していた二三名の特高関係者は帰国して現在内務省の枢要な地位に居ります。地方にいた下級のものも大ぜい東京によびもどされ下の方の仕事をしています。」

国民のことなど関係なしに、いつものことを守るには必死だったようです。






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