死の灰詩集

『死の灰詩集』
　　　現代詩人会議・編/宝文舘1954年2刷

「序」に書かれてあります。下「」引用。
「私たち現代詩人会員は、他ならぬ人類の先駆者的使命を痛感し、黙しがたい国民の衷心を詩精神に傾けて死の灰に抗議し、叡知のブレーキを忘却した科学の暴挙とそれによる戦争が、やがては地球と人類の破壊滅亡をもたらす事実を、広く世界の良識に訴えることを熱望し、詩に関連ある緒方面にも同調と協力を求めましたところ、全国から力作が寄せられ、およそ千篇に達する反響に接ししまして、編集関係者一同感激いたしました。」



自由なら何でもいいとは思えない……。下「」引用。
「日日の抗議の中の一章
　　　　　　浅井　十三郎
－略－
原水爆の
みるも無残な暴虐の後を。
踏みしだかれてゆく全世界の人間存在のそのことを。
ヤメテクダサイ。殺人ノ自由ヲ。
－略－」

今も格差社会という差別社会……。
－－立場のいい人たちは身勝手な論理を展開する……。
その立場が正当なものでしょうか？
そうではない人たちほど、格差を肯定あるいは讃美されているようにボクには思えてなりません。
－－間接的な殺人もされているとボクには思えます。
平気でウソをつける人たち……。


京都にも放射能の雨は降っていた。下「」引用。
「雨
　　　花崎　皐平
雨が静かに屋根をたたいている
東京では七千カウント
京都では八千カウント
－略－」

水は大切ですね……。下「」引用。
「水爆と農民たち
　　　　丹野　敬
百姓達は田畑を愛している
死の雨の笠をつけ
死の雨のみを着ても
百姓達は何も知らずに
心をこめて土をいじる
－略－」

水道だって……。下「」引用。
「ビキニの放射能
　　　　山崎　央
－略－
『キャンデーは水道の水でこしらえるから大丈夫ですよ。』
『水道だつてもとは雨の水だよ、おかあさん。』
－略－」

「あとがき」に全人類の問題であると書かれてあります。下「」引用。
「現代詩人会が『死の灰詩集』の刊行を決定したのは、五月上旬でひらいた一九五四年度総会の席上においてであつた。会は詩を愛するもののひろい集りであるから、これまで特定の意味をもつ発言をしたことはほとんどないが、原水爆の問題は、単に直接災禍をこうむつた人たちの問題ばかりでなく、全人類的な問題である。－略－」









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