『SDI(スターウオーズ)とは何か-戦略的、経済的意味-』
E・P・トンプソン(編)/小川明雄(訳)/朝日新聞社1986年
いつものことのアメリカ版という感じのことが書かれてありました。
--軍事的というより、金儲けをするためのシステム……。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/43/188538a8d7bdf8391ff1757893bcc0c2.jpg)
レーガンが発表した。下「」引用。
「スターウォーズ計画、つまり戦略防衛構想(SDI=Strategic Defense Initiative)は、背後から人類に忍び寄ってきた。この計画はレーガン米大統領が一九八三年三月二十三日に初めて発表したが、米国以外ではほとんど注意を引かなかった。」
そして、その研究をするのは、水爆の父と呼ばれているテラー博士のローレンス・リバモア研究所。
--テラー博士はマッドドクターともいわれている……。
「脆弱性の窓」で危機を煽るが、それも……。下「」引用。
「米国のレーガン政権は、ソ連の核戦力が強大になったため、その先制第一撃で米国の大陸弾道ミサイル(ICBM)がほぼ全滅し、報復能力が失われると強調した。その可能性を表現した言葉。国防予算とくに核兵器予算の獲得の口実に利用された面もあった。その後、レーガン大統領自身が任命した諮問委員会が、たとえばICBMを失っても、ミサイル原潜や戦略爆撃機の一部は残るので、報復力も残ると指摘した。このため、レーガン政権は、この言葉をほとんど使わなくなった。」
弾道弾迎撃ミサイル……。下「」引用。
「弾道弾迎撃ミサイル(ABM)システムは便宜のために四世代に分けられ、世代が新しくなるごとに能力が向上してきた。現在では、米ソ両国とも、一様ではないが、成熟段階に入っている。
米国は実際問題としては第一、第二世代を放棄し、現在は第三世代を完成させつつあり、第四段階でも多少の進展を見せている。
一方、ソ連はまだ第一世代からに第二世代への転換期にあり、直ちに、さに前進するには極めて重大な障害に直面しているる」
フランスは欧州の覇権を確立しようとして警戒されているという。下「」引用。
「ユーレカ計画はフランスが設計し、特許を取ったものだ。一九八四年二月に、ミッテラン仏大統領は早くもハーグでの演説で、宇宙への挑戦に欧州もこたえるべきだと述べ、欧州の宇宙研究の知識を集め、欧州の宇宙ステーションを建設するように呼びかけた。これらの提案を、一九八五年一月三十日-三十一日にローマで開かれた会議で、仏代表が再び持ち出した。今回は、欧州の先端技術の競争力を確保する必要性がさらに強調された。西独と英国は、米国という保護者を怒らせることを恐れ、また欧州でフランスの覇権を確立しようとするドゴール的野心を警戒して、しり込みした。」
「軍事産業とSDI」という小タイトルがあった。下「」引用。
「こう見てくると、軍事的利害は、スターウオーズ計画では第二義的になる。それはSDIの原動力だったのではなく、SDIの旗の下に詰めかけ、以前からある戦略兵器あるいは各軍の無数の計画を遂行するために、SDIを担いで前進しているのだ。軍の研究機関は、スターウオーズ計画の真の原動力である第二の部分、つまり「産・軍・学界」複合体の強欲とがっちり手を結んでいる。」
「巨大軍事企業」について。下「」引用。
「ある投資アナリストはSDIを、「天からのカネ」と形容するニュースレターを発行し、別の評論家は、高度技術企業の興奮を「魚にエサをばらまいたような熱狂」にたとえた。すでに兵器研究所にいる科学者たちは、産・軍・学界複合体を拡大するために協力を求められた。いくつかの大学は、簡単に応じた。アラバマ、アリゾナ、南フロリダ各大学は、早々と契約を結んだ。ピッツバーグのカーネギー・メロン大学は(競争は激しかったが)、空軍のソフトウエア技術研究所の本拠地にある大学として一億ドルの契約を獲得した。バッファローのニューヨーク州立大学は、ゼネラル・エレクトリック社および海軍研究所とSDI研究の企業連合をつくった。連合体の予算は三年で二百五十万ドルである。」
さらに、巨費が使われている……。下「」引用。
「カネが物を言っているのは、あまり評判のよくない大学だ。ジョージア工科大学は一九七六年以来、受け取る国防総省予算が九倍になった。これは恐らく、「外国の学生はほとんど入学させず」、そして学生たちに、「組合の身分証明と変わらない」として身辺調査を受けさせているからだろう。
このように、ボーイング、北米宇宙防空司令部、ジョージア工科大学、そしてローレンス・リバモア研究所を結ぶ共同体は、SDIの強力な推進力の一つとなっている。二千三百人の国防総省の職員が、兵器企業にそのまま「天下って」ている)。そして、主要な議会の委員会にはセールスマンとして従順な代表を送り込んでいる。スターウオーズ計画の材料ばかりでなく、その一部のイデオロギーまで提供している。」
これも血税からであり、福祉などに使われるべきものを、何の役にも立たない、後ろ向きのことをやっている人たちに、巨費が吸われている……。
そして、日本にも、ヨーロッパでも血税を吸い取ろうとしている……。
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E・P・トンプソン(編)/小川明雄(訳)/朝日新聞社1986年
いつものことのアメリカ版という感じのことが書かれてありました。
--軍事的というより、金儲けをするためのシステム……。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/43/188538a8d7bdf8391ff1757893bcc0c2.jpg)
レーガンが発表した。下「」引用。
「スターウォーズ計画、つまり戦略防衛構想(SDI=Strategic Defense Initiative)は、背後から人類に忍び寄ってきた。この計画はレーガン米大統領が一九八三年三月二十三日に初めて発表したが、米国以外ではほとんど注意を引かなかった。」
そして、その研究をするのは、水爆の父と呼ばれているテラー博士のローレンス・リバモア研究所。
--テラー博士はマッドドクターともいわれている……。
「脆弱性の窓」で危機を煽るが、それも……。下「」引用。
「米国のレーガン政権は、ソ連の核戦力が強大になったため、その先制第一撃で米国の大陸弾道ミサイル(ICBM)がほぼ全滅し、報復能力が失われると強調した。その可能性を表現した言葉。国防予算とくに核兵器予算の獲得の口実に利用された面もあった。その後、レーガン大統領自身が任命した諮問委員会が、たとえばICBMを失っても、ミサイル原潜や戦略爆撃機の一部は残るので、報復力も残ると指摘した。このため、レーガン政権は、この言葉をほとんど使わなくなった。」
弾道弾迎撃ミサイル……。下「」引用。
「弾道弾迎撃ミサイル(ABM)システムは便宜のために四世代に分けられ、世代が新しくなるごとに能力が向上してきた。現在では、米ソ両国とも、一様ではないが、成熟段階に入っている。
米国は実際問題としては第一、第二世代を放棄し、現在は第三世代を完成させつつあり、第四段階でも多少の進展を見せている。
一方、ソ連はまだ第一世代からに第二世代への転換期にあり、直ちに、さに前進するには極めて重大な障害に直面しているる」
フランスは欧州の覇権を確立しようとして警戒されているという。下「」引用。
「ユーレカ計画はフランスが設計し、特許を取ったものだ。一九八四年二月に、ミッテラン仏大統領は早くもハーグでの演説で、宇宙への挑戦に欧州もこたえるべきだと述べ、欧州の宇宙研究の知識を集め、欧州の宇宙ステーションを建設するように呼びかけた。これらの提案を、一九八五年一月三十日-三十一日にローマで開かれた会議で、仏代表が再び持ち出した。今回は、欧州の先端技術の競争力を確保する必要性がさらに強調された。西独と英国は、米国という保護者を怒らせることを恐れ、また欧州でフランスの覇権を確立しようとするドゴール的野心を警戒して、しり込みした。」
「軍事産業とSDI」という小タイトルがあった。下「」引用。
「こう見てくると、軍事的利害は、スターウオーズ計画では第二義的になる。それはSDIの原動力だったのではなく、SDIの旗の下に詰めかけ、以前からある戦略兵器あるいは各軍の無数の計画を遂行するために、SDIを担いで前進しているのだ。軍の研究機関は、スターウオーズ計画の真の原動力である第二の部分、つまり「産・軍・学界」複合体の強欲とがっちり手を結んでいる。」
「巨大軍事企業」について。下「」引用。
「ある投資アナリストはSDIを、「天からのカネ」と形容するニュースレターを発行し、別の評論家は、高度技術企業の興奮を「魚にエサをばらまいたような熱狂」にたとえた。すでに兵器研究所にいる科学者たちは、産・軍・学界複合体を拡大するために協力を求められた。いくつかの大学は、簡単に応じた。アラバマ、アリゾナ、南フロリダ各大学は、早々と契約を結んだ。ピッツバーグのカーネギー・メロン大学は(競争は激しかったが)、空軍のソフトウエア技術研究所の本拠地にある大学として一億ドルの契約を獲得した。バッファローのニューヨーク州立大学は、ゼネラル・エレクトリック社および海軍研究所とSDI研究の企業連合をつくった。連合体の予算は三年で二百五十万ドルである。」
さらに、巨費が使われている……。下「」引用。
「カネが物を言っているのは、あまり評判のよくない大学だ。ジョージア工科大学は一九七六年以来、受け取る国防総省予算が九倍になった。これは恐らく、「外国の学生はほとんど入学させず」、そして学生たちに、「組合の身分証明と変わらない」として身辺調査を受けさせているからだろう。
このように、ボーイング、北米宇宙防空司令部、ジョージア工科大学、そしてローレンス・リバモア研究所を結ぶ共同体は、SDIの強力な推進力の一つとなっている。二千三百人の国防総省の職員が、兵器企業にそのまま「天下って」ている)。そして、主要な議会の委員会にはセールスマンとして従順な代表を送り込んでいる。スターウオーズ計画の材料ばかりでなく、その一部のイデオロギーまで提供している。」
これも血税からであり、福祉などに使われるべきものを、何の役にも立たない、後ろ向きのことをやっている人たちに、巨費が吸われている……。
そして、日本にも、ヨーロッパでも血税を吸い取ろうとしている……。
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