磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原爆・水爆とビキニ死の灰まで

2008年09月08日 | 読書日記など
『原爆・水爆とビキニ死の灰まで』
   福田信之・著/ラジオ科学社1954年

いろいろなことが書かれてあります。
--科学的な基礎から、ビキニ水爆の被災など……。



朝永振一郎が「序にかえて」を書いています。下「」引用。

「 物理学、特に原子物理学はなかなかむつかしい学問なので、とかく敬遠されがちである。われわれ二十年以上それで飯を食っている人間でも、ときにはむつかしくて投げだしたくなる。しかし、われわれ物理学のくろうとにとって、原子物理学そのもの以上にむつかしいのは、これを一般のかたがたによくのみこんでいただくように、しかも正しく解説することである。-略-現代物理学の一大パノラマを読者の前にくりひろげ、しかもあまりかたくるしくなく、なかなか面白い得などを入れて、読者に楽しみながら現代物理学の本質を理解していただくという、野心的な著者の意図はよく成功していると思う。
 序文を書いてくれと、福田君にたのまれたが、どうやら書評のようになった。妄言多謝である。
  昭和二十九年六月 朝永生」

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著者の「はしがき」 下「」引用。

「 著者がこの本を書き終る間に、三つの重大な出来事が起った。ソヴェトとアメリカにおける水素爆弾の完成、ビキニにおける水爆実験の被害、ならびにソヴェトの原子力発電(五千キロワット)の成功である。これらのことが近い将来起るであろうことは、予想されていたところであるが、こんなに早く、かつ大規模におこなわれるとは、専門家もほとんど予想しなかった。世界は今や、原子力時代という、有史いらいもっとも画期的な時代に大きく突入したという感が深くする。こういう時期に、本書が世に出ることは著者として深く喜びにたえない。」

中曽根康弘に対する批難! 下「」引用。

「核研究所の予算は、大はばにけずりながら、学者の望みもしない「原子力予算」が一代議士の発案で衆議院の発案で衆議院で数時間にして通過したのだから、あきれてものがいえない。学術会議の意志を無視していたのでは、わが国に正しい原子力工業が育つはずのないこしとを、このさいとくに注意しておきたい。現状では、原子力の研究が、純粋科学の研究を圧迫しないかとか、原子兵器に早替りするのではないかという不安が、たえず科学者の頭に去来し、どうしてもしりごみしたくなる。」

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人道なき社会……。下「」引用。

「人道主義は地におちようとしている。しかし科学は、人類の滅亡のためにではなく、その限りない幸福のために奉仕しなけければならない。滅亡か発展かの岐路に立って、科学者ばかりでなく、すべての人々にが、どういう見解わもち、どう行動しなければならないかということは、おのずから明らかであろう。」

第五福竜丸事件……。下「」引用。

「調査のため来日したアメリカのパストール上院議員の「日本側の発表は大げさすぎる」という声明にたいし、二二日東大の都築博士は「二三人の漁夫のうち一○%は死亡するかもしれない」と重大発言をして、衆議院厚生委員会の空気は、異様な緊張につつまれました。-略-
 同じく二四日、アメリカの大使館を通じて発表された放射能の影響に関する研究では、海流は五○マイルで無害と、楽観的な見方をしています。後でわかることですが、五月十五日から五十一日間ビキニ海域へ科学調査におもむいた俊鶻丸によって明らかにされたように、この点についても医学同様アメリカ側は、データを持っていなかったのかと思わしめるものがあります。」

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リチウム爆弾と推察。下「」引用。

「一九五四年四月一二日号のタイム誌は、いままで極秘にされていたリチウム爆弾について、かなりくわしい記事を発表しました。五三年八月二日、ソビエトではリチウム爆弾に成功しておりますが、それにおくれること半年、今回の水爆は、アメリカ第一号のリチウム爆弾ではないかととりざたされています。」









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