妻のリクエストで10年ぶりの汽車旅行に出たものの、
トムは退屈でしょうがない。
汽車の中で大あくびをした後で、向かいに座っている紳士に話しかけた。
「退屈ですな。いかがですか、タバコでも」
トムがタバコを差し出すと、紳士は手を振って、
「いえ。私はタバコはやりません。せっかくですが、
肺ガンがこわいので・・・」
それでは、とトムがウィスキーの小ビンを取り出し、
「では、これを1杯・・・」
「いえ。私はアルコールをやりません。せっかくですが、
心臓病がこわいので・・・・」
ちょうどその時、隣席で眠っていたトムの夫人エマが目をさました。
「そうそう、紹介が遅れましたが、家内でございます。」
紳士はまたも手を振って、
「いえ。私はそれもやりません。せっかくですが、
性病がこわいので・・・・」