HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

牛心隊長の咆哮

2012-07-29 19:07:49 | ROCK

先日の「THE DO NOT NEVER EVER BUY LIST」の記事の最後に
キャプテン・ビーフハートの事を書いた。あれは、映画「ハイフィデリティ」の中に
登場するシカゴのレコード屋「チャンピオンシップ・ヴァイナル」での出来事で
ジャック・ブラックがビーフハートのアルバム「SAFE AS MILK」を所望する客の
音楽知識の貧相さを理由に販売を拒否し、別の客に40ドルで売るシーンを
想起したものだ。

音楽知識はあるに越したことはないが、無くても感性というか嗅覚で
センスの良い音楽を見分ける能力というのはあるだろう。またまたこんな
事を書くと「センスの良い音楽」とは何ぞや?という事態になってくるのだが、
ここでいう「センスの良い音楽」とは、つまり私が好きな音楽に他ならない。(笑)

相方は音楽知識とかは無い(笑)方だと思うのだが、それでも私にタジ・マハールや
ダグ・ザーム、エイモス・ギャレットといったところを勧めてくれたのは相方だし、
そういうところのセンスは尊重しなけりゃと思っている。レゲエやブルーズに対する反応も
そこらの頭でっかちのアンちゃんより鋭いところもあるかも。もう少し日本のロックや
歌謡曲に寛容になってくれればいいのに、とは思うが。(笑)

掲載写真はキャプテン・ビーフハート&マジック・バンドが「BEAT CLUB」に残した
72年の演奏を収録したDVD「THE LOST BROADCAST」。本放送では『I'M
GONNA BOOGLARIZE YOU BABY』1曲が放送されたが、本DVDでは同曲の
テイク違いを含む全8曲30分という尺で見ることができる。

冒頭の『MASCARA SNAKE』はロケット・モートンのベース・ソロ。収録のいきなりが
コレであるのだから一筋縄ではいかない。しかも、このバンドにはロイ・エストラーダが
ベーシストとしているのに、何故モートンのソロなのか、或いは「マスカラ・スネイク」という
ネーミングはアルバム「TROUT MASK REPLICA」に参加した隊長の従兄弟の
名前だったことを思い起こすと、それだけで頭の中はぐちゃぐちゃになってしまう。(笑)

バンドはモートン、エストラーダの他に、ズート・ホーン・ロロ、アート・トリップそして
エリオット・イングバーという個人的に最も興味のある編成。不思議なリズムを刻む
ドラムスにスライド込みの3本のギターというのは、迫力満点。
隊長もアルバム「THE SPOTLIGHT KID」のアルバム・ジャケットで披露した
ジャケットを着込んでの登場。収録内容は全編これ見所で、よくぞ全てを残しておいて
くれたと思わずにいられない。特に『CLICK CLACH』の演奏には息を飲む。

実に濃いDVDである。
しかし、真夏を乗り切るなら、これくらいの濃さは必要なのだ。


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