HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

あの娘の好きなチャーリー・ワッツ (後ろから)

2023-04-30 21:57:47 | ROCK

2021年8月24日にチャーリー・ワッツが亡くなって、あと少しで2年になる。
訃報を知った時にはチャーリーワッツ追悼の10曲を選びたいなと思ってはいたのだが・・・・。
その頃の私は今に至るまでブログを休止中で音楽を聴き続けてはいたのだが、あの名曲『君はロックを聴かない』(7インチ買いました)
を地で行くような生活であった。いや、ロックは毎日聴いていたが何となく背徳の日々であった。

で、そんなこんなを振り切って、足りない頭で考えた「私の好きなチャーリー・ワッツ10選」。
思い浮かべては消し、更に思い馳せては消し・・・。やっと完成しました。

 

・MOONLIGHT MILE
「STICKY  FINGERS」の最後を飾る東洋風味を感じさせるこの曲でチャーリーはマレットを使っての演奏を披露。
ポール・バックマスターのストリングスが肝の曲ではあるが、チャーリーはマレットを使うことでシンバルの
響きを幽玄なものにしている。それはタムの奥まった響きも同様。まさに曲に寄り添うドラムである。

・LITTLE RED ROOSTER
英国シングル・チャート1位獲得のブルーズ・ナンバー。ベスト盤の「BIG HITS (HIGH TIDE AND GREEN GRASS)」の
最後に配置されたことで更にポピュラーな存在になったのでは。ブライアン・ジョーンズの弾くスライドが耳を
惹きつけるが、チャーリー者はここでのブラシでのスネア・ワークと絶妙のリム・ショットに着目。ブラシと
リム・ショットの絶妙な組み合わせがブルーズに色気を添える。ハウリン・ウルフも気に入ったのではないでしょうか。

 

・LUXURY
「IT'S ONLY ROCK'N ROLL」のB面頭に配された曲。極めて私的な物言いだが、この曲ほどストーンズ史上で軽視されて
いる曲はないのではなかろうか。オープンGチューニングのギターが気持ちよく鳴る曲で、レゲエ一歩手前のリズムの
ニュアンスの良さだけでなく歌詞が実にいい曲でもある。ここでのチャーリーはバックビートでスネアの代わりに
リムショットを放つ。肝要なのは左手がリムを叩く際に右足が同時にバスドラムを踏んでいることではなかろうか。
通常のリズム・キープで左手と右足が同期(笑)することはほとんど無いので、これは違和感がありつつもリムだけだと
軽くなるところを上手く補っていると思う。

・SHAKE YOUR HIPS
大傑作アルバム「EXILE ON MAIN ST.」のA面3曲目。基本、スリム・ハーポの原曲に忠実だがチャーリーは曲頭から左右の手で
リム・ワークを展開。(原曲は曲前半はバックビートをリムで刻む)このスタジオ録音盤の格好いいところは、わずか4回だけ
叩かれるスネアの存在である。なんというか思いつきで無造作に不規則に4発だけ叩かれるスネア。ここにチャーリーの
センスというか「粋」を感じるのである。スリム・ハーポが存命中に聴いてもらいたかった。

 
・ANGIE
「GOATS HEAD SOUP」A面最後の曲。正直言って個人的には全く取るに足らない曲で、自分がストーンズの40曲入り、
いや80曲入り(笑)ベスト盤を編んでも入れられない。しかし、この曲で何が一番印象に残るかを考えると・・・。
イントロのAmの音だという人がいれば、ミックの感傷的な歌だという人もいるだろう。でもチャーリー者は、キメの
ところではっきりと自己主張するオープン・ハイハットこそ、一番印象に残ると言うのではなかろうか。
『CRAZY MAMA』や『ONE HIT (TO THE BODY』等、オープン・ハイハットが印象的な曲は多々あるが、この曲ほど
その印象が強い曲はない。

・PAINT IT , BLACK
米盤「AFTERMATH」の1曲目、先に挙げた英盤「BIG HITS」の2曲目、或いは米盤「THROUGH THE PAST , DARKLY」の
1曲目と様々な形で愛された曲である。ストーンズにはハイハットの代わりにタムでビートを刻むパターンの曲が幾つか
あるが、その先駆けとなったのが『PAINT IT , BLACK』ではなかろうか。ブライアンの弾く妖しい旋律のシタールを煽るような
ドラムスは圧巻。タムでのリズムの刻みをハイハットに変えたところからスネアも入ってくるのだが、スネアをヒットする時に
ハイハットが少し開いて拍を強調するのが味わい深い。フィル・インでのタム回しも実に格好いい。

というわけで、「あの娘の好きなチャーリー・ワッツ・後ろから前から」の「後ろから」が終了です。
次回「前から」は正統派ロックンロールとして、私が好きな(えっ、「あの娘が好きな」でしょ?)チャーリーの演奏を4曲
選んでみたいと思います。

Cabrán 

 

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする