いよいよ「追憶のブートレグ」も最終幕を迎えることとなった。
最終幕に相応しいのはやはり、ブートレグにのめり込むきっかけとなった
1枚をとりあげるべきだろう。
私が最初に買ったブートレグは以前も書いたがレッド・ツェッペリンの
日本公演を収録した1枚物のLP。音が最悪の代物で、高校の時に友人が
修学旅行で買ったレインボウのブートレグの音の酷さの記憶と相俟って
「ブートレグなんてのは買うものか」とそれ以来思っていた。
大学を卒業する年、ミック・ジャガーが来日を果たす。
「ああ、これで学生生活も終わりか。これから社会に出て働き続けるんだな。
そんな時にミックが来るなんて、いいけじめになるな。見に行こう。」
単純にストーンズは来れないなら、ミックだけでも絶対に見たいという
思いが優先したはずだが、先に書いたような気分があったのも確かだ。
しかし、先立つ物が無い。(笑)
引越ししなければいけないし、電話の権利を買わなければいけないしとか
思っていても金が無いのには変わりない。そこでレコードを売って金を
つくることにした。そうと決めたからには売るレコードを選ばなければ
ならないわけで、まずここでそれまで持っていたジャズのLPはチャーリー・
パーカーを残して全て売ることにした。大した枚数を所持していたわけでは
ないが、「所詮、俺はロック者。ジャズよさらば。」とか思ったはずだ。(笑)
あとは適当にみつくろったのだが、売った先が大学横にあったレコ屋で
店長とは懇意にしていたこともあって、思いのほか高く買ってくれた。
それで店頭にあったビートルズのホワイト・アルバムとロキシー&フェリーさんの
ベスト盤、ザ・スミスの1STのCDを買ってしまう。
初めてCDを買ったわけだが、CDプレイヤーを持って無いし金が入用だと
いうのに何やってんだか。(笑)
チケット代と引越し代を差し引いてまだ金が少し余ったので(この時点で
電話の権利代を忘れている。バカ。)、「レコードでも買うか」と街に
繰り出してしまう。全く阿呆である。
京都市役所横のその名も「HOT LINE」で見つけたのが掲載写真の2枚組LP。
「なんだ、この格好いいジャケットは。音が悪くても構わん、これは買う。」
というわけで4800円払って入手。
さて、聴いてみると・・・。ピッチの狂いが少し残念だったがそんな
ことを吹き飛ばす熱い演奏、おまけに音がいい。A面1曲目の「BROWN
SUGAR」での大きすぎる音で収録されたミック・テイラーのミス・トーンは
おろか、「HAPPY」でのキース・リチャーズさんの出鱈目な歌詞に至るまで
全てが格好良かった。FMで聴いた73年のライブとはまた違う、荒々しい
演奏にすっかりハマってしまい、未だに私がストーンズの全ツアーの中で
72年北米ツアー最強説を採るのはこのブートレグの衝撃故といっても
いいくらいだ。
あれから今にいたるまで何度も「決定版」を謳ってCDが出されてきた。
最初にCDになったのは確かTSPのもので、ジャケットを一新しての
リリースだった。しかしながらあまりに音が小さくまとまっていて
アナログで聴いた迫力にはほど遠く、人生で初めてCDを窓から文字通り
円盤のように投げてしまった。我に返ってあとから田んぼに突き刺さった
それを拾いに行きキズを気にしながら売り払ったのは言うまでも無い。(笑)
その後、またCDでも買ったが初めてこのブートレグLPを手にした時の
感動はそこには無い。
所詮はブートレグ。こんなもの何枚持っていても何の自慢にもなりはしない。
以前のように何でもかんでも買い漁ることはなくなった。
それでも、初めて掲載写真のLPを手にした時の興奮が今でも私を
ブートレグに向かわせる。
「年に数枚でいいから、お気に入りのブツに出会えたらいいな。」
今はそんな気分である。これからもずっとそうなのだろう。
最終幕に相応しいのはやはり、ブートレグにのめり込むきっかけとなった
1枚をとりあげるべきだろう。
私が最初に買ったブートレグは以前も書いたがレッド・ツェッペリンの
日本公演を収録した1枚物のLP。音が最悪の代物で、高校の時に友人が
修学旅行で買ったレインボウのブートレグの音の酷さの記憶と相俟って
「ブートレグなんてのは買うものか」とそれ以来思っていた。
大学を卒業する年、ミック・ジャガーが来日を果たす。
「ああ、これで学生生活も終わりか。これから社会に出て働き続けるんだな。
そんな時にミックが来るなんて、いいけじめになるな。見に行こう。」
単純にストーンズは来れないなら、ミックだけでも絶対に見たいという
思いが優先したはずだが、先に書いたような気分があったのも確かだ。
しかし、先立つ物が無い。(笑)
引越ししなければいけないし、電話の権利を買わなければいけないしとか
思っていても金が無いのには変わりない。そこでレコードを売って金を
つくることにした。そうと決めたからには売るレコードを選ばなければ
ならないわけで、まずここでそれまで持っていたジャズのLPはチャーリー・
パーカーを残して全て売ることにした。大した枚数を所持していたわけでは
ないが、「所詮、俺はロック者。ジャズよさらば。」とか思ったはずだ。(笑)
あとは適当にみつくろったのだが、売った先が大学横にあったレコ屋で
店長とは懇意にしていたこともあって、思いのほか高く買ってくれた。
それで店頭にあったビートルズのホワイト・アルバムとロキシー&フェリーさんの
ベスト盤、ザ・スミスの1STのCDを買ってしまう。
初めてCDを買ったわけだが、CDプレイヤーを持って無いし金が入用だと
いうのに何やってんだか。(笑)
チケット代と引越し代を差し引いてまだ金が少し余ったので(この時点で
電話の権利代を忘れている。バカ。)、「レコードでも買うか」と街に
繰り出してしまう。全く阿呆である。
京都市役所横のその名も「HOT LINE」で見つけたのが掲載写真の2枚組LP。
「なんだ、この格好いいジャケットは。音が悪くても構わん、これは買う。」
というわけで4800円払って入手。
さて、聴いてみると・・・。ピッチの狂いが少し残念だったがそんな
ことを吹き飛ばす熱い演奏、おまけに音がいい。A面1曲目の「BROWN
SUGAR」での大きすぎる音で収録されたミック・テイラーのミス・トーンは
おろか、「HAPPY」でのキース・リチャーズさんの出鱈目な歌詞に至るまで
全てが格好良かった。FMで聴いた73年のライブとはまた違う、荒々しい
演奏にすっかりハマってしまい、未だに私がストーンズの全ツアーの中で
72年北米ツアー最強説を採るのはこのブートレグの衝撃故といっても
いいくらいだ。
あれから今にいたるまで何度も「決定版」を謳ってCDが出されてきた。
最初にCDになったのは確かTSPのもので、ジャケットを一新しての
リリースだった。しかしながらあまりに音が小さくまとまっていて
アナログで聴いた迫力にはほど遠く、人生で初めてCDを窓から文字通り
円盤のように投げてしまった。我に返ってあとから田んぼに突き刺さった
それを拾いに行きキズを気にしながら売り払ったのは言うまでも無い。(笑)
その後、またCDでも買ったが初めてこのブートレグLPを手にした時の
感動はそこには無い。
所詮はブートレグ。こんなもの何枚持っていても何の自慢にもなりはしない。
以前のように何でもかんでも買い漁ることはなくなった。
それでも、初めて掲載写真のLPを手にした時の興奮が今でも私を
ブートレグに向かわせる。
「年に数枚でいいから、お気に入りのブツに出会えたらいいな。」
今はそんな気分である。これからもずっとそうなのだろう。