HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 72

2016-08-12 22:22:35 | 日本のロック・ポップス

例えば仮に、私と同世代かそれより少し年上の人に「よく聴いていたのは、
中島みゆきと山崎ハコと森田童子です。」なんて言えば、「こいつ・・・」という
感じで見られるかもしれない。三者三様の違いがあるにも関わらず、更には今も
現役バリバリの中島みゆきの音を聴いていないにも関わらず「暗いヤツ」と思われる
かもしれない。ま、それは私も以前当ブログで書いたが「好きなのはストーンズと
フーとキンクスです。」なんていうと「ああ、あの手のヤツね。」と軽く
あしらわれるのと同じといえば同じなのかも。(笑)

少し前に森田童子の盤が久しぶりに市場に並んだ。私はコピーしたCDRを数枚
持っているだけだったので、いい機会だとばかりに何枚か手にした。

実は「青」が苦手であった。子供の頃から「青」が嫌いだったのだ。
広大な海や空を見ていると気が遠くなりそうだったのだ。そんなものだから、青を
基調にしたシャツを着たことなんかなかったし、まして掲載写真の発狂したような
ジャケットには恐怖すら感じ、盤を買うこともなかったのだが、それでも音には
興味があったのでCDRで所持していたのである。

アルバム「マザー・スカイ」に収録された曲の多くには「夏」「青」という言葉が
出てくる。夏は暑苦しいはずなのだが、この盤で描かれる夏はひんやりと訪れる。
冷夏とは違う。体温いや体感する空気が冷たいのだ。
蝉の鳴き声が増幅されるに従い、やさしく発狂するのは美しいのではないか、
いや、「青」から逃れるために曇天を、夕立を待っているのではないか・・・。

リアルタイムでは聴いていないのだが、この盤に収録された曲の幾つかは、
76年ではなく81年に少年だった私のある側面の一部分であったように思える。
そう思える心の余裕が今は有り難い。昨年から、青を基調にしたアロハを
着ることに抵抗がなくなったし。(笑)

翌年リリースしたアルバム「A BOY ボーイ」収録の『G線上にひとり』の中で
森田は「夏の空はヒコーキ雲」と歌う。あぁ、ダメだやっぱり。夏の空は「死」を
連想させる。

飲み過ぎてしまった。面倒くさい女の心の闇につきあってみたいと思う瞬間が
時折訪れるのだが、それは現実に遭遇していないから間抜けにもそんなことを
夢想してしまうのだろう。

彼女は今、何をしているのだろう。

コメント
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