トライ2おじさんの こんにちは!

サンデー毎日の生活。趣味(登山、剣道・釣り等)に忙しいおじさんです。
エッセイ → 「トライ2おじさんの エッセイ!」

隠れた努力

2019-04-17 22:38:37 | 
 家から五〇㍍ほどの近場に大きな公園がある。中央にサッカーグラウンドが2面ほどとれる芝生広場があり、周りに桜や銀杏の大木が数多く植えられている。他にもさまざまな低木があり、季節ごとに、赤やピンク、それに黄色など色々な花を愛でることのできるありがたい公園だ。
 普段は気がつかなかったが、よく通るところに、桜の枝が広がっていて、ちょうど目線の高さにあった小枝が目に飛び込んできた。先端には蕾がついている。
「これから花を咲かせるので、今、準備の真最中だな」
公園を散歩すれば綺麗な花を見ることができると、当たり前に思っていたが、木はそのために、大忙しの準備をしている。「よし、花を咲かせるために、蕾がこれからどんな風に変わっていくのか、ひとつ見てやろう」と、これまでになかったことを思い立った。
 蕾の変化を見極めるのには、どうしたらよいだろうか。毎日漫然と見ていたのでは、微妙な変化に気づくことは難しい。「そうか、行くたびに写真を撮って、静止画像で見比べれば、少しは変化に気がつくだろう」と、カメラ持参の散歩にした。くわえて、対象が都度変わっていては比較にならないので、特定の枝に決めて撮影することにした。定点観察だ。
 まだ寒い二月中旬では、蕾は、細い小枝の倍くらいの太さだ。物によっては、小枝と同じくらいの大きさしかない。そして、先端が尖るようにすぼまった、弾丸の先のような形をしている。色はグレーが基調で、ところどころ茶色か赤銅色がほんの少し入っている。桜の樹皮を使った茶筒などにあるような、桜特有の艶やかな濃いあめ色とは異なる。
 気がついたのだが、蕾は、大半が小枝の先端に五、六個ついている。たまに、先端から六センチほど下までの間に数個つけるようだ。それより手前には全くない。それに、小枝は真っ直ぐなように見えるが、節くれだってゴツゴツとしていて、少しカクカクと折れ曲がりながら伸びている。まるで、昔の映画で見たエイリアンの腕と手のようだ。面白い。初めて知った。
三月に入ってすぐの二日時点では変化は見られなかった。七日に少し変わってきたかなと思ったが、十日には、蕾の三分の一ほどが薄いピンク色になった。写真で比較すると、はっきりと変化がわかる。
 十四日には先端が割れてきた。さらに2日ほど経つと、ひとつの蕾から4、5個の花芽を伸ばし始める。4センチほど伸びた花柄(かへい)の先に花が咲く。なので、一本の小枝の先に蕾が5つあるとすると、花は25個ほど咲くことになる。一本の桜の木が、幹も見えなくなるほどの花で満開になるさまは、こういう事だったのだ。そして、一つの花は5枚の花弁からなるので、花吹雪の量は半端なものではないと合点した。
 散り始めた花も観察した。学研の付録の簡単な『顕微鏡』が家にある。息子が進学して家を出たときに残していったものだ。これで観察すると、オシベ、メシベがはっきりと見える。面白いものだ。オシベは、ギリシャのコラム(円柱)のように、根元は太いが先になるとその三分の一ほどの細さになる。透き通った透明感のある白だ。どうしてこのような繊細な形になるのだろう。数えて見たら26本もあった。それぞれの先に花粉の詰まっている「葯(やく)」がある。
 桜は、自家受粉できない。育ちの違う桜の木が近くにあって、はじめて受粉する。植物には往々にしてそのような品種があり、DNAの違う、ということは、性質が異なる木と交配することで、より強い木になると言われている。
生き残るために、木は、花をつけ、強い木の花粉で交配し、種を作り、そして子孫を残す。自然の摂理とは言え、とてつもない活動を行っている。
 今まで、桜満開の知らせを聞いても、「桜が満開なんだって。見に行こうか」くらいしか思わなかった。しかし、今回、桜の、目に見えない生命活動を目の当たりにしたことで、目先の花だけでなく、木の力強い生命力をじかに感じたいと思うようになった。
 植物の世界と同様に、人間の世界もそうなのだろう。表に出てくる成果、これには失敗も入るかもしれないが、その裏には大変な努力が隠れているのだ。
「隠れた努力に思いを馳せる」。そういう人間に、私もなりたいと思う。

我家のバラ

2019-04-17 22:35:10 | 我が家の庭
皆さん、ご無沙汰しております。
年明け早々に、いろいろな事が重なり忙しい毎日でした。
東京での仕事も2月から入り、まだ続いています。
でも、今年はBLGの更新を精力的にやろうと年初の決意だったので、今回からまた頑張ろうと思っています。
皆さん、お付き合いをお願いします。

タイトルにありますように、バラが咲き始めました。
昨年も早かったのですが、今年も ツルうらら が開花しました。

完全に開いたのではないのですが、ピンク色の半開花状態です。
他に五つほどこのような状態です。蕾はたくさん出てます。
去年のような見事な咲き映えになるかと思うと心がワクワクしてきます。
(手入れをしているのは家内なので、私は、お相伴に預かっているようなところです。うまいとこ取り?)

これは花見小路。こちらは2輪が半開花。

こちらはツルデトロイターです。
やっと萼片(?)が割れて、中の赤い色が垣間見えます。

たくさんの蕾をつけているのは、レイニーブルーやシェラザードなど。
 
これからが楽しみになってきましたね。


ところで、エッセイのほうも、ご無沙汰してしまいました。
月1編くらいのペースで作品を仕上げていますので、ご紹介したいと思っています。
このあと、桜に関する作品をアップします。
是非、こちらの方もご覧いただければ幸いです。
(辛口批評など、なんでも結構ですので感想などを頂けるとありがたいと思います)
二つ目のブログ「トライ2おじさんのエッセイ」にもアップしています。
こちらもよろしくお願いします。